No.327322

真・小姫†無双 #0

一郎太さん

別作品が上手くいかないので、新シリーズに手を出してしまったorz
あっちは少しずつしか進まないのに、こっちの筆の流れの早いこと早いこと。
では開始前に一言。
このロリコンどもが。

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2011-10-31 20:22:40 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:16103   閲覧ユーザー数:10751

 

 

【CAUTION!】

 

 

この作品を読むかどうかは自己責任です。

 

気分を害しようと、それは自己責任です。

 

お金がないのも自己責任です。

 

彼女がいないのも自己責任です。

 

それでもいいという方は、文頭に

 

『(´・ω・`)やぁ』

 

と書き込んでからコメントしてください。

 

ではまた後書きにて。

 

 

 

 

 

 

#0

 

 

近代的だが現代的ではない建物の奥深く、一人の青年が膝を抱えていた。空間は薄暗く、彼の顔を窺い知る事は出来ない。だが、それでも彼がどのような表情でいるのかは想像に難くない。

 

「う、うぅ……俺が何したって言うんだよぉ………」

 

肩は小刻みに震え、弱々しい声で嘆いている。

 

「女の子に声をかけただけじゃないか……それがなんで通報されなきゃいけないんだよ………うぅぅ」

「そりゃ、不審者だからな」

 

突如かかる声に顔を上げれば、紺色の制服に身を包んだ男が立っていた。

 

「なんだよ、公権の犬が。俺はただ、道に迷って泣いている女の子がいたから助けようとしただけじゃねぇか。というか何用だ。俺を窓のない壁に綿が詰まった部屋にでも閉じ込める気か、コラ?助けてくれぇぇえええっ!俺の処女が奪われるぅぅぅううっっ!!」

「アホな事抜かすな。それより、お前の保護者が来たぞ」

 

保護者という言葉が出てくるという事は、彼はきっと未成年なのだろう。またその制服姿の男もこういた手合いには慣れているのか、青年の言葉を右から左に受け流して懐から1枚の紙を出した。

 

「なんだよ、爺ちゃんでも来たのか?だったら釈放じゃねぇか。いやぁ、疲れた疲れた。いったい保釈金にいくらかかったのかねぇ」

 

青年は立ち上がり、伸びをする。背骨がパキパキと小気味よく鳴った。

 

「残念ながらまだ釈放じゃないぞ。お前の祖父から手紙だ」

「手紙?」

「あぁ。『金を払いたくないから、もうしばらくそこにいろ』だとさ」

「………あのクソジジイ!」

「という訳で、もう少し大人しくしていろ。なに、あと3日もすれば出られるだろうさ」

「………くそっ!」

 

男の言葉に、青年は再び座り込んだ。どうやら、外の世界はもう少し遠いらしい。

 

 

 

 

 

 

3日後、見張りの警官が言った通り、青年は解放された。太陽も眩しく、空は青い。それとは対照的に、青年の表情は暗い。

 

「………俺ほどのイケメンもいないというに。勝手に通報しやがって」

「もう来るなよ」

「うるせぇ!俺だって二度と来たくねぇよ」

 

出口の警官に見送られ、青年は歩き出した。

迎えの人間もなく、彼はひとり街を歩く。誰も彼もが日常を過ごしていますと言わんばかりの表情で過ぎ去るなか、青年はぶつぶつと呟いていた。

 

「ったく、なんだよ、迷惑防止条例って。俺は何も迷惑なんかかけてないってーの。人助けしようとしただけだってーの」

 

道端の空き缶を蹴り転がし、町はずれの住宅街に入ったところで青年はふと足を止めた。

 

「あれ、こんなところに神社なんかあったか?」

 

道路の左手に石造りの塀があり、その上から同じく石で出来た鳥居が目に入った。十数年住んでいるはずなのに、こんなものは初見である。

 

「そういや、明日は粗大ごみの日か。なんだよ、こんなに溜めこみやがって。金目の物でも捨ててねーかな」

 

神社の入口横に、いくつかの大きなゴミが捨ててあった。家具もあれば、用途のわからないものもある。青年は適当にそれらを投げ飛ばしながら、ゴミを漁った。

 

「仏像…仏罰とか降らないのか?……なんだよ、この勾玉は。皇居にでも持ってくか、『八尺瓊勾玉を拾った』とか言って」

 

だがしかし、どれも酷く汚れており、質屋に持っていっても高く売れはしないだろう。捨ててあるくらいだ。

 

「………鏡?銅製みたいだが、汚ぇな。こいつもなし、と――――――」

 

次いで見つけた銅鏡を、彼は無価値と判断し肩越しに投げ捨てる。その時。

 

「っ!?」

 

背後からの強烈な光を感じた。その光は彼の視界を埋め、目の前のガラクタもよく見えない。

 

「なんだよ、この光――――――」

 

そして彼は振り返る。次の瞬間、青白い光は消え、同時に彼の姿も消えていた。

 

 

 

 

 

 

***

 

平原に面した森の端に、ひとりの少女が寝転がっていた。膝上までの黒いスパッツに、同色のノースリーブを、その上に黄色地に茶色い模様のはいった上着を着ている。ただし上衣はどちらも丈が短く、腹を丸出しにしていた。腰には茶色い幅広のベルトが2本交差され、首元には髪と同じ色の襟巻が無造作に巻かれていた。

 

「………むにゃむにゃ」

 

少し視線を上げれば、身体同様に小さな顔に、紅いの髪が見える。頭の左側には虎の顔を模した飾りがつけられている。

 

「もう……食べられないのだ………」

 

こんな場所にひとりきりで寝るとは、その度胸のほどが知れるが、異様なのはそこではなかった。少女のすぐそばの地面に、1本の長柄の武器が置いてあるのだ。それはまるで矛のよう―――いや、紛う事なく矛だった。それも少女の倍以上もある長さの。

 

「………おなか、すいた」

 

寝言が矛盾しているが、だからこそ寝言と言えよう。少女はゴロゴロと転がりながら、それでも目を覚まさない。その時。

 

『―――――――――!!!』

「にゃにゃぁっ!!?」

 

空が割れたのかと思う程の、落雷とは違う轟音が周囲に響き渡った。それと同時に少女は跳ね起きる。

 

「な、なんなのだ!?」

 

すぐに武器を左手に掴み、周囲を確認する。そして気づいた。

 

「流れ星…?」

 

空を見上げれば、一筋の光。だがしかし、今は昼間である。空は青く、太陽は天頂に輝いていた。

 

「きれいなのだー」

 

少女は先ほどの轟音も忘れ、流れる星を見上げる。だが。

 

「………あれ?こっちに、来てる?」

 

少女の呟きの通り、その流れ星の奇跡は次第に大きくなっていった。その方向は、少女へと向いている。そして。

 

「え…ちょ……にゃっ――――――」

 

少女が逃げ出す間もなく、その流星は彼女に衝突した。

 

 

 

 

 

 

どれほどの時が立っただろうか。少女はふと目を覚ました。記憶を辿る。流れ星がぶつかった―――というのもおかしいが―――ところまでは覚えている。だが、その後の記憶はない。

そして気づいた。

 

「え―――」

 

転がった自分の上に倒れている、見慣れない服を着た青年を。

 

「誰……?」

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

という訳で、#0でした。

 

あっちの作品より短いのは、大して内容を考えていないから。

 

また次回。

 

 

 


 
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