No.300212

楽々・恋姫無双 四話

TAPEtさん

もっと桃香と絡ませたかったのにどうしてこうなった。
全部桃香が黒いのが行けなかったんだ。うん。

2011-09-14 21:56:34 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:6960   閲覧ユーザー数:5248

三行で分かる前回のあらすじ

 

思春カワイソス(´;ω;`)

 

華琳の胸(産後)=蓮華さんの胸(ただし母乳はでません)

 

桃香黒い、超黒い

 

 

 

コンコン

 

「桃香さま、朝ですよ?」

「あいつまた寝てるの?まったくいつになったら王として自覚が出てくるのかしらね」

「詠ちゃん、そんなこと言っちゃダメだよ」

「だって月、朱里の話だとあいつ蜀に例の華琳の息子に会うために荊州に行く残道を壊したらしいよ?誰よあいつに民に慕われる徳王って言った奴」

「まさか、桃香さまが本当にそんなことするはずないじゃない」

「そんな風に部下が考えるようにさせる日頃の行動が問題って言ってるの」

 

桃香、お前に一体何があったんだ(汗)

 

がちゃ

 

「ほら、桃香!さっさと起きないと愛紗がまた説教……」

「はぁ……♡はぁ……♡」

「と、ととと桃香!?」

「詠ちゃん……♡…助けて…死んじゃうよぅ」

「……<<ちゅーーーー>>」

「はううぅぅうーー!!一刀ちゃんそこらめぇーー!」

「えええーー!!?」

「桃香さま!?え!?」

 

 

 

※しばしお待ちください。

 

 

 

「<<ちゅーちゅー>>うぅ……」

「よし、よし」

 

牛乳を温めて飲ませている月さんです。

 

一方蜀の王さまは、あそこでメイド軍師に正座されて説教食らってます。

 

「あ、あの、桃香さま、これは一体……」

「あんた、…ついに誘拐までしたの?」

「ち、違うよ。私そんなことしてないもん」

「だったらどうして華琳の息子がここに居るのよ」

「昨日寝ようとしたら、いきなり落ちてきた」

 

 

 

 

「月!愛紗呼んできて!こいつ今回こそ……」

「シーッ…詠ちゃん静かにして」

「あ、ごめん」

「<<ちゅーちゅー>>」

「お腹たくさん減ってたんだね。すごく食べるよ」

「<<ちゅーちゅー>>」

「……へぅ~////」

 

哺乳瓶を吸っている一刀ちゃんに、月さんひたずら和みます。

 

「仮にあんたの言うこと信じるとして、これからどうするのよ。魏で今頃大騒ぎになってるはずよ。もしここにあの子がいることを知ったら、下手すると三国同盟破られるからね」

「へーっ!?そんなのダメだよ!詠ちゃん、どうしよう!」

「…ああ、もう取り敢えず朱里たち連れてきましょう。愛紗は……」

「うぅぅ……<<うるうる>>」

「…ほっとくと今日南蛮に出発するはずだから、大丈夫かもしれないけど、でもあの子はこういう時軍神の勘とか働くから、もしその場合はボクも知らないわ」

 

がちゃ

 

「桃香さま、出発の前に挨拶をしに……」

「………」

「げっ、関羽!」

「<<ちゅー……ポッ>>げぶ……」

「あ、もう全部たべた?<<にっこり>>」

 

「な……

 

 

なあーーーーー!!!」

 

 

※またしばらくお待たせください

 

 

・・・

 

・・

 

 

「うぅ……うぐぅ……うぅ…っう……」

「……いや、すまん」

「………<<ゴゴゴ>>」

 

説明しよう。

愛紗がいきなり大声を出したせいで、一刀ちゃんがびっくりして泣き出したので月さん只今魔王化中……

愛紗さん取り敢えず正座して謝罪中。

 

「つい驚いてしまってだな。まさか一刀君がここに居るなど、ついに桃香様が犯罪に自ら手を出したとしか思えないだろ?」

「ちょっ、愛紗ちゃんまで…!」

「あんたは黙ってなさい!」

「うえーー!」

「……三人トモ黙ッテイタダケルデショウカ<<ゴゴゴ>>」

「「「はい、ごめんなさい」」」

 

 

孫呉とは違って、一刀ちゃんが来ていることは、すぐに国の筆頭の武将、軍師たちにすぐに伝わった。

 

「にゃはー!一刀ちゃんなのだーー」

 

ガーン!

 

「いったいのだ!何するのだ愛紗!」

「お前は少し静かにしてろ!でないとまた一刀が泣き出したら……」

 

「うんやあーー!!」

「死ニタインデスカ?<<ゴゴゴ>>」

「月の手に蜀が滅びる。お前も謝れ」

「ごめん、なのだ」

「ほ、ほら、月ちゃん、その辺で許してあげて、一刀ちゃんが月ちゃんの顔で更に泣いてるよ」

 

桃香がそうフォローに出ると月も我に戻って泣く一刀ちゃんを慰めはじめました。

 

「それにしても、一体どういう訳だ。何故魏に居るはずの一刀殿が、桃香さまの部屋にいたんだ」

 

星がその根本的な疑問を出すと、周りの将たちの目が全員桃香の方に向かった。

 

「ふえ?皆、どうして私をそんな目で見つめるの?だから違うってば!私は誘拐なんてしてないもん!」

「そ、そうです。皆さん、冷静に考えましょう。いくら桃香さまが仁王とは思えない最近凶悪な手段を使って一刀ちゃんを会おうとしていたとしても、一刀さんを一晩で誰にも気付かずここに連れてくるなんてありえません」

 

蜀の頭脳、諸葛孔明ごと朱里のフォローであったが、割と評価が低いのは桃香の日頃の行儀が悪かったせいだとして言うようがない。

 

「…うぅぅ……うぅぅ……」

「へぅ…どうしよう。全然笑ってくれない」

「月、ちょっと貸して」

 

魔王の手から赤ちゃんを渡してもらった魔王の手下は赤ちゃんを連れて他の将たちが自分の顔が見えないところに行った。

 

そして、3,

 

2、

 

1,

 

「えへ……えへへ…へへー♡」

「ふぅ、これも久しぶりにやったわね」

 

「「「「(何をした!?)」」」」

 

「うぅぅ……えうぅぅ……う?」

「え?また?……」

「……えへー♡」

 

「「「「(だから何をした!?)」」」」

 

結局、詠ちゃんがどうやって一刀ちゃんを笑わせたのかは、今後も蜀において大きな疑問の一つとして残ったのであった。

 

 

愛紗たちはそこで桃香を正座させてどういうことなのか問いただしている間、紫苑さんたちが一刀ちゃんを預かることになった。

 

「あらあら、実物を見るのは初めてね」

「うむ、以前の姿でも一度すれ違うように見ていただけだからの」

 

蜀では、一刀ちゃんのことをあまり知らない人たちが多い。

一刀ちゃんが蜀に居たのは反董卓連合軍の時なので、その後に蜀に加わった組は、一刀ちゃんのことをほぼ知らず、以前の一刀ちゃんと同一人物だという話もよくわかってない人たちも居た。

この例は孫呉でも同じなようなものだったが、蜀は武将たちがもっと開放的なせいで、蓮華のように隠そうともせずに皆が興味津々な顔で見ていた。

特に熟女組の二人(弓を避けながらナレーションするの大変だねー)さんの内、紫苑さんは一刀ちゃんを詠からもらって抱えながら璃々がこれほどだった頃を省みるのであった。

 

「璃々もこんなに小さかった頃があったのにね…」

「うむ、あの時はかわいかったの。今でも可愛くないわけじゃないが」

「ねえ、お母さん、私にも抱いてみたい」

 

下で璃々ちゃんが一刀ちゃんのことを興味津々に見上げていた。

 

他の人たちは知らないが、璃々ちゃんの場合一刀ちゃんに関してかなり良い記憶が残っている。

それは長安で五胡軍を倒したことを祝う場に、璃々ちゃんが居ないことを惜しく思っていた紫苑を見て、当時時間があまり残って居なかった一刀ちゃんが成都まで行って彼女を長安まで連れてきた時のことだが、それは今後機会があったら良い場面で話が出来ると思う。

 

「はい、気をつけるのよ。寝ているから起こしちゃダメよ」

「はーい」

 

嬉しそうに一刀ちゃんを受けた璃々ちゃんはその寝顔を見てすごく不思議な感覚に陥るのであった。

 

「しかし、桔梗さま、彼は本当に曹操の息子なのでしょうか。何かの間違いなのでは?」

「うむ、焔耶お主がそういうのも無理はない。普通に考えて許都に居るはずの彼がここに居るはずではない。じゃが、あの髪と目色は紛れもなく曹孟徳から受け継いだものとしか考えられまい。魏から持ってきた写真とも一致しているしのぅ」

「それなら、魏に役人を出して確認させた方が良いのでは?」

「お主が心配せんでも既に朱里と雛里がやっておるじゃろうて。そんなことより、お主も一度抱いてみたらどうじゃ」

「ええ!?」

 

焔耶のいつも以上の大声で、一瞬焔耶を睨む他三人であったが、幸い、一刀ちゃんは起きない。

 

「えんやおねえちゃん、静かにしなくちゃだめでしょ?」

「ご、ごめん。つい、驚いてしまって」

「全く、お主は犬に限らず、赤ちゃんにまで弱いというつもりか」

「いえ、特にそういうわけでは…ただ、ちょっと泣かせずに持ってる自信がないと言いますか…」

 

なんとなく、焔耶が赤ちゃんが苦手な気がしてこうした。

でも皆納得してくれるはず。

 

「うぅぅ…」

「あ」

「あら」

 

朝の騒ぎの後眠って二刻ぐらいでまた起きた一刀ちゃん。

今は起きたのはちょうど魏に居ることではいつも起きる頃なせいである。

普段だとこの時間に風が華琳の部屋に来ているのだが、今日は蜀なので、寝て起きた一刀ちゃんはちょっとわけわからなくなってきた。

 

「……う?…ぅ?」

「ねぇ、一刀ちゃん」

 

と思ったら見知らぬ顔がどんど自分の前にいた。

 

「!?」

「一刀ちゃん、璃々のこと覚えてる?」

「……?……ぅぅ……」

 

混乱している一刀ちゃん。

 

「璃々、あまり起きたばかりの赤ちゃんに迫っちゃいけませんよ」

「うぅぅ…おかあさん、一刀ちゃんが璃々のこと覚えてないよー」

「仕方あるまい。転生したと言っても記憶まで継げているわけではないじゃろうしの。しかも、我々は最後に一回会っただけじゃし」

「うーん……」

 

璃々はそれでもしゅんとした顔で一刀ちゃんを見つめた。

近くに居る人が悲しい顔をすると、自然とその影響を子供にも与えるもので……

 

「ひぅ……ひぐぅ……」

「あ!」

 

一刀ちゃんの顔がどんどん暗くなってくのを見て慌てた璃々ちゃんは敢えて笑顔をしようと頑張った。

でも、一刀ちゃんの機嫌を取るには一足遅かったようだ。

 

「ひぅぅ……ふええ……えええんーー!!」

「え!あ、あの、一刀ちゃん、泣かないで」

「あらあら、困ったわね」

 

そんな時救援の手を伸ばしてくれる人が居た。

 

 

 

「あ」

「…………」

「うええ…ええ……うぅ?」

「……もう大丈夫」

 

包帯を巻いた細い指で、璃々ちゃんの手から一刀ちゃんを預かったのは飛将軍呂布だった。

 

「よしよし……」

「うぅ……うん……う………」

「まぁ」

「なんと」

 

呂布の手に抱えられた一刀ちゃんはあっという間に泣くのをやめた。

 

「さすが恋殿なのです!小動物たちに鍛えられた恋殿の手にかかれば、例え泣き虫の赤ちゃんとしてもお手軽なものなのです!」

 

街から帰ってきたのか、恋が持っていた肉まんの袋を持っているねねがいつもの自慢気な声で言った。

 

「そうじゃな。そこはさすがというべきではあるのじゃが………ねねよ」

「お前、うるさいぞ」

「なんですとー!」

「陳宮、うるさい」

「うー、れんどのー」

 

すごくいつもの扱いで安心する場面である。

 

てか前作でねねって寝なかった気がする。

というよりは、ここに居る全員ほぼ顔を出して居ないわけだが……

 

「うぅぅ……ううー」

「何?」

 

恋が何か欲しそうに手を伸ばす一刀ちゃんを見てキョトンとした。

 

「そろそろお腹が減ってくる頃よね」

「お腹……!」

 

少し考えた恋は良い事を思い出したかのように、ねねの方を振り向いた。

そして、紙袋の中から買ってきだてのあつあつの肉まんを取り出した。

 

「……食べる」

「いや、何をしておる、恋」

「…肉まん、美味しい」

「そういう問題ではあるまい」

 

普通ならこっちからのいくつか突っ込ませてもらうのですが、見逃しましょう。

だって恋ですし。

 

「……?」

「えっと、だから恋。赤ちゃんはまだ齒が生えてないから、そういうものは噛んで食べられないのよ。後、そんな熱いのを食べさせたらやけどしちゃうわ」

「…………」

 

紫苑の説明を聞いてまた暫く考えた恋は、

 

「…じゃあ、恋が食べたら?」

「え?」

 

そう言って恋は自分の口に肉まんを入れた。

 

「はふ……はふ……」

 

そして暫く噛んでいるかと思ったら、

 

「かうほ(かずと)」

 

そのまま口が一刀ちゃんの唇の方に進んで、

 

「ダメ!」

「!」

 

璃々ちゃんがよそで一刀ちゃんを奪っていなければ、一刀ちゃんの初めて(?)が恋に頂かれるところだった。

 

「恋おねえちゃん何するの!」

「……鳥はこうして食べさせてた」

「一刀ちゃんは鳥じゃないよ!」

「そうじゃぞ、恋。赤ちゃん用の牛乳を確か月が持っておったはずじゃ。儂が言って来よう」

「ふぅ、一刀ちゃん、だいじょうぶ?」

「ふえ?…あうぅー」

 

何気に危機だったのにも関わらず、璃々ちゃんの顔を見て笑っている一刀ちゃんでした。

そして、何気に本気で焦っていた璃々ちゃんは安堵をため息をつくのであったのです。

 

 

 

 

そのまま夜になって、他の将たちは一刀ちゃんを紫苑さんと璃々ちゃんに任せるつもりで居たらしい。

でも、

 

「いや、一刀ちゃんと一緒に寝るもん!」

 

この君主が邪魔過ぎた。

 

「ダメに決まってます。昨日は知らなくて放っておいたとしても、元々、彼を桃香さまに任せるのは危険すぎます!」

「私頑張るよ!昨日もちゃんと一刀ちゃんと一緒に寝たもん!」

 

何が危険なのか敢えて聞かない。

何を頑張るのか敢えて聞かない。

 

「愛紗ちゃん、ここは一刀ちゃんは桃香さまに任せた方がいいと思うわ」

「紫苑、何故だ」

「…これを見たら分かるわ」

 

紫苑はそう言って、月が抱いていた一刀ちゃんを桃香に渡した。

そしたら、

 

「……ふぅ…」

 

一度言っておくが、一刀が月や紫苑に抱かれていた時不機嫌そうにしていたというわけではない。

だけど、桃香が彼を両手に抱えて抱きしめた途端、一刀ちゃんの顔が一層深い安らぎの顔に変えていくのを見て愛紗は口を閉じた。

よく考えてみると、蓮華と一緒に居る時は、あんなにたいへん騒いでいた一刀ちゃんが、桃香と一晩を何事も起こさずに寝過ごしたのだ。おかしな話ではないだろうか。

 

「子供は元夜でもお腹が空いたとギャーギャーと泣き出して母たちを困らせるのが普通です。なのに一刀君って昨日桃香さまと一緒に寝た時どうでした?」

「ふえ?…全然、一緒に朝までずっと寝てたけど」

「それは、普通ならありえないのです」

「どういうことだ?」

「最初から一刀君は桃香さまのところに来たのです。来るなら他に知っている愛紗ちゃんや星や朱里ちゃんたちのところに来ても良かったはずなのに、敢えて桃香さまのところに行ったのは、そこが一番和む場所だったからと思うわ」

「……うっ」

「へー、そうなの、一刀ちゃん?」

「………ーかー」

「…ふえ?」

「とーかー」

 

 

 

一瞬、そこに居た全将が沈黙を守った。

 

 

 

 

「ね……ね!?今もっかい。もっかい言ってみて!」

「とーか」

「言ったよね!一刀ちゃん今私の真名言ったよね!」

「にゃー、お姉ちゃんだけずるいのだ!鈴々も呼ばれたいのだ」

「一刀君、あいしゃって言ってみろ。あいしゃ」

「いや、愛紗、そんな高圧的な態度で……」

「あいちゃ♡」

「星って言ってご覧」

「…ふぅー♡」

 

あいちゃ♡さんが死にました。

 

・・・

 

・・

 

 

「にゃー、結局桃香お姉ちゃんと愛紗の名前しか言ってもらえなかったのだ。鈴々ってそんなに真名呼び難しいのだ」

「解せぬ…せいって、せーとだけ言ったらいいのだぞ?どうして私の真名は呼んでくれないんだ?……今日は秘蔵の酒を開けよう」

「はわわ、雛里ちゃん、あの時、私たちももっと一刀ちゃんのことかまってたら良かったね」

「仕方ないよ。紗江お姉さまのことで夢中だったんだもの」

 

反董卓連合の時の蜀の古武将たちは皆解せぬという顔で悔しがっていた。

反対側の愛紗と桃香と来たら、勝ち誇ったトロ顔で一刀ちゃんを抱えて分けていた。

勝ち誇ったトロ顔ってどうやってするのかについては聞かないでほしい。

 

「あいちゃちゃん」

「なんですか、とーかさま♡」

「幸せだね」

「そうですねー♡」

 

あ、やヴぁい。あいちゃさんが桃香に汚されていく。

 

「今日一刀ちゃんと一緒に寝ようか」

「そうですねー♡そうしましょう」

 

「というか、鈴々。愛紗は今日南蛮に出かけるのではなかったのか?」

「にゃー、鈴々に聞かないで欲しいのだ。それより星、今日星のところに行って寝ていいのだ?」

「構わんが、今夜は眠らず飲み明かすぞ」

「望むところなのだ」

「はわわ、星さん、私たちも混ぜてください」

「あわわ、二人とも胸もげろ」

 

何気に二人を恨み始めたこの四人が後々何を起こすかは、誰も知らないであろう。

 

 

 

そういう訳で、久しぶりで二人で一緒に寝ることになった桃香と愛紗さん。

真ん中に一刀ちゃんを置いたことを除けば、この二人がこうして夜頭をあわせて眠るのは、恐らく義勇軍の時以来ではないだろうか。

 

「愛紗ちゃん」

「なんですか?」

「この前、愛紗ちゃんが持ってきた私の結婚相手の資料ね」

「はい、桃香さまが全て散撒て竹の編み籠にしてしまったアレですね」

「うん」

 

何気にこっちでも結婚の話しが渡っていた。ただ桃香の場合、対処がもっと激しかっただけ。

ちなみにあの時作った編み籠は涼州の翠と蒲公英のところに送ったらしい。

 

「それがどうしたんですか?」

「…あれ、また持ってきてくれないかな」

「どうしていきなりそんなことをおっしゃるのですか?」

「うん、あの時は一刀ちゃんのことを写真で見てかわいいとだけ思っていたけど、その後皆に子育てとか大変だって言われたし、それに、あまり結婚なんてする気にもならなかったんだけど、今こうして、一刀ちゃんのこと見ていたら…やっぱり大変でも子育てってしてみたいって思った。女としても……華琳さんのことが羨ましくなってきた」

「……そうですか」

「ね、想像してみて、いつか一刀ちゃんが昔ぐらいの年になって、また私の子が一刀ちゃんと一緒に遊ぶ光景って、なんかすごく楽しそうじゃない」

「………」

 

愛紗は少し考えてみては頭を頷きながら、

 

「確かに、そういう場面もみたくなりますね」

「でしょ?だからほら、愛紗ちゃんも一緒に…」

「……え?」

「一緒に子供産んで赤ちゃん作ろう」

「どうしてそうなるんですか!」

「!!」

 

愛紗のあまりの暴言に一刀ちゃんはびっくりして目を開けた。

 

「だって、やっぱ一人だけだと怖いもん。子供って産む時にすごく痛そうだし」

「だからって何故私まで引きずろうとするんですか?私はまだ人妻になるつもりはありません」

「えー、でも愛紗ちゃんもそろそろそういう年でしょ?あまり余裕ぶっこいてると後で誰も娶っていかないよ。愛紗ちゃん、ただでさえ怪力女だって兵士たちの中でもひかれてるから」

「………その暴言、例え桃香さまだとしても許しはしませんぞ<<ゴゴゴ>>」

「い、いや、私じゃなくて愛紗ちゃんの部隊の副将の麋芳ちゃんが言ってたってば!」

「あの女マジでぶっ殺す!!」

 

麋芳さん逃げて、超逃げて!

 

「…あいちゃ?」

「うん?」

「ほら、愛紗ちゃんが騒ぐから一刀ちゃん起きちゃったじゃない」

「す、すまん」

「……あいちゃ♡」

「はぁ~ん」

 

あいちゃさんがまた死にそうです。

誰か真桜のところから写真機持ってきて。

 

「とーか」

「うん、なーに一刀ちゃん」

「……うぅ……」

 

とろけてるあいちゃさんを置いておいて一刀ちゃんは桃香の方に抱きつきました。

 

「あれ、お腹すいたのかな。またおっぱい吸われたら本気で不味いから今度は月ちゃんたちが用意してくれた哺乳瓶を……」

「とーか♡」

 

ぴかっ

 

「ふえ?何?」

 

その時、一刀ちゃんの中心に放たれた光は、やがて部屋の中を明るく満たしていた。

 

・・・

 

・・

 

 

 

 

 

 

「……あ、一刀ちゃん、帰っちゃったんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、一刀ちゃんは寝ていた華琳の側に居ることが発見され、この三国を巡った一刀ちゃんが起こした騒ぎが一応落ち着いたように見えた。

だけど、この事件が、この次に来る三国同盟祭りにおいて、どれだけ大きな事件を呼び起こすのか、それが判明できるには、それほど長い時間を必要としなかった。

 

 

 

 

 

 

つづく


 
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