No.286850

バカとテストと召喚獣 瑞希と妄想と明久の1日

バカテスでたまにはほのぼのとした作品を。
ピンクの人が主役です。
清らかな心でお読みください。

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

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2011-08-28 12:04:33 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:21010   閲覧ユーザー数:18848

バカとテストと召喚獣 瑞希と妄想と明久の1日

 

 

 あの、みなさんはじめまして。

 私、文月学園2年生の姫路瑞希と申します。

 その、私は、お腹の辺りが少しぽっちゃりしているように見えるかもしれません。

 でもそれは今日朝ごはんを食べ過ぎてしまったせいなんです。

 いつもはもっとすっきりしてるんです。

 ほ、本当ですよっ!

 それで、あの、突然ですが、私にはずっと前から好きな人がいます。

 その人の名前は吉井明久くんと言います。

 クラスメイトの男の子です。

 とっても明るくて、行動力に富んでいて、気配りもできて、ちょっと学校の成績は良くないんですけれどそこがまた魅力で、とにかく素敵な男の子なんです。

 小学生の頃からずっと好きだったんですけど、高2の今に至るまで吉井くんは私の気持ちに全然気付いてくれません。

 結構積極的にアプローチは仕掛けているつもりなんですが……。

 美波ちゃんをはじめライバルは多いのでうかうかはしていられません。

 でも、これ以上どうしたら良いのか私にはよくわかりません。

 だからみなさんにも、明久くんへの想いの伝え方を一緒に考えて頂きたいと思います。

 よろしくお願いしますね、みなさん♪

 

 

 明久くんともっと仲良くなる方法。

 小説やドラマを参考にして考えると、やっぱりもっと沢山接することが重要なんだと思います。

 お友達の翔子ちゃんは、毎朝恋人の坂本くんを部屋まで起こしに行き、ご飯まで作っています。

 だから2人は羨ましいぐらいにいつもラブラブです。

 坂本くんはテレ屋さんだから中々素直に愛情を表現しませんけれど。

 私もそんな翔子ちゃんを見習って今日は明久くんをお部屋まで迎えに行こうと思います。

 ちょっと、大胆過ぎるでしょうか? 

 でも、今日こそ明久くんと恋人になる為に頑張って動きたいと思います!

 

 明久くんのお家があるマンションまで到着しました。

 ですが、ここで大きな問題が発生しました。

 私は翔子ちゃんと違って家の鍵を預かっている訳ではありません。

 どうやって明久くんの部屋に入りましょうか?

 悩んでいると、男の子が2人玄関から出てきました。

「まったく、雄二が大暴れするせいで今日は寝不足だよ」

「うるせぇ。それは明久が俺を挑発したからだろうが!」

 出て来たのは明久くんと坂本くんです。

 どうして坂本くんがこんな朝早くに明久くんの家から出て来るのでしょうか?

 明久くんはこの間坂本くんのお尻が好きだって言っていましたし……まさか!

 

『明久……今夜は寝かせねえぞ。覚悟しな』

『雄二こそ僕のテクニックでメロメロにしてあげるよ』

 

 明久くんと坂本くんの“仲良し”は普通じゃない仲の良さですし、昨夜2人の間には高校生には早すぎる何かが起きたんじゃっ!?

 ……なんて、そんな訳ありませんよね。

 そんな風に2人の関係を疑ったら、明久くんにも坂本くんにも翔子ちゃんにも悪いですよね。

 みんな私の大切なお友達なのに変な目で見ちゃダメですね。

 

「……ああ、もう。昨夜は特に激しく抱きついて来るから雄二の臭いが全身に染み付いて全然取れないよ」

「ポラギノールでも塗っておけば誤魔化せるんじゃないのか?」

「他人事だと思って変なことを言って。雄二の身体だって僕の臭いが蔓延している筈だよ。霧島さんに嗅ぎ付けられたら大変だよ」

 

 明久くんと坂本くんは大の仲良しです。

 それを疑っちゃいけませんよね♪

 

 さて、私も学校に行かないといけませんね。

 でも、2人があんな風に仲良しにしているとなかなか声を掛けることもできません。

 私のこういう消極的な所は直していかないとダメですよね。

 だから明日からは頑張りたいと思います。

 というわけで、今日だけは明久くんをこっそりと尾けていきながら学校に行きたいと思います。

 

 

 2人はのんびりのんびり学校へと歩いていきます。

 早く学校に到着して予習でもしていれば良いのと思うのは私だけでしょうか?

 それともやっぱり、こんな私はつまらない考え方しかできない女の子なのでしょうか?

 ううっ、どうしたら明久くんにもっと近づけるでしょうか?

「……雄二、やっとみつけた」

「ゲッ!? 翔子!」

 坂本くんの前に翔子ちゃんが現れました。

「……くんくんくん。雄二の全身から吉井の臭いがする」

 翔子ちゃんは犬みたいに鼻を近付きながら坂本くんの匂いを嗅いでいます。

 私もあんな風に明久くんの匂いを嗅いでみたいです。

「あ、ああ、それはね……ええっと、雄二が今しがたチョークスリーパーを掛けて来たからで……」

「……雄二は吉井には渡さないっ!」

 翔子ちゃんは鋭い視線で明久くんを睨みます。

 これはもしかして、坂本くんを巡る三角関係の修羅場ってやつでしょうか?

 

『……吉井に雄二は渡さない! 雄二は、私のものなんだから!』

『フッ。それは残念だね、霧島さん。雄二の身体はもう隅から隅まで全部僕のモノになっているのさ。霧島さんの入り込む余地はどこにもないよ』

『翔子も明久も俺を巡って争うのはやめてくれぇっ!』

 

 明久くんと坂本くんは相思相愛ですし、坂本くんと翔子ちゃんも相思相愛です。

 でも、坂本くんの身体は1つしかありません。

 だから三角関係に陥ってしまうのは必然ですよね。

 ……なんて、そんな訳ありませんよね。

 そんな風に3人の関係を疑ったら、明久くんにも坂本くんにも翔子ちゃんにも悪いですよね。

 みんな私の大切なお友達なのに変な目で見ちゃダメですね。

 

「……雄二は私のことは一度も抱いてくれないのに吉井の家には週に2回以上泊まってる」

「高校生男子の性欲は色々大変なんだよ。女には浮気しない代わりに明久との関係を認めるって言ったのは翔子の方だろうが」

「霧島さんは雄二の正妻なんだから心を広く持たなきゃ。夫婦喧嘩はダメだよ」

 

 明久くんと坂本くんは仲の良いお友達なだけなんだから、翔子ちゃんと三角関係になる筈がありませんよね。

 お友達の関係を疑おうなんて私は悪い子になっちゃいますよね。

 

 

 翔子ちゃんは坂本くんと朝デートする為に2人で行ってしまったので、明久くんは1人で学校に到着しました。

 すると、黒尽くめの全身タイツ風の装束を着た華奢で小柄な男の子が明久くんに向かって駆けて来ました。

 小柄な男の子、土屋康太くんは明久くんの前で立ち止まりました。

「…………明久、今月分の写真代の納期がもう過ぎている。早く払え」

 土屋くんは写真を撮るのが上手です。

 いつも学校のみんなの写真を撮っています。

 そしてその写真を学校のみんなに販売しています。

 私も土屋くんから明久くんの写真をよく買っています。

 吉井くんの女装姿、アキちゃんの写真は土屋くんしか持っていないので私にとってはとてもありがたいです。

 でも、買い過ぎちゃってお小遣いがすぐになくなってしまうのが玉に瑕なんですよね。

 明久くんも土屋くんから写真を沢山買っています。

 その写真の中に1枚で良いから私の写真があったら良いなあ。

 毎朝、私の写真に向かってキスしてくれるととっても嬉しいです。

 なんて、私は一体何を考えているのでしょうか?

 は、ハレンチです。

 明久くんにこんなエッチなことを考えている女の子と知られたら嫌われてしまいます。

「…………明久、今月分の秀吉写真代2万円、今すぐ支払え」

「今月は残金が20円しかないんだ」

 明久くんはお金がないみたいです。

 一体、どうするのでしょうか?

「…………だったら仕方ない。体で払え」

 土屋くんはセーラー服を取り出しました。

 明久くんによく似合いそうです。

「ええっ? またぁっ?」

 明久くんは嫌がっています。

「…………嫌なら今すぐ2万円支払え」

「うっうっ。わかったよ。体で支払うよ」

 泣く泣く了承する明久くん。

 土屋くんの目はいつになく血走っています。

 これって、もしかすると、ただのアキちゃん撮影会じゃ済まないじゃ!?

 

『…………アキちゃんAVは高く売れる。そして俺の欲望を満足させろ』

『ムッツリーニは普段ムッツリの癖にあの時だけは妙に荒々しいから嫌だよぉ』

 

 土屋くんは人よりちょっとだけエッチです。

 そんな土屋くんが世界で一番可愛いアキちゃんを見て欲情しない訳がありません。

 きっとセーラー服に着替えたアキちゃんに襲いかかっちゃうに違いありません。

 ……なんて、そんな訳ありませんよね。

 そんな風に2人の関係を疑ったら、明久くんにも土屋くんにも悪いですよね。

 みんな私の大切なお友達なのに変な目で見ちゃダメですね。

 

「…………明久、今すぐ体育館倉庫に行くぞ。俺の野獣が猛り狂っている」

「秀吉の写真と引き換えに毎月体を要求されている気がするよ。うっうっ」

 

 明久くんと土屋くんは仲の良いお友達同士。

 お友達の関係を疑おうなんて私は悪い子になっちゃいますよね。

 それに、セーラー服アキちゃんの写真、私も早く欲しいです♪

 

 

 明久くんは土屋くんが連れていってしまいました。

 遅刻する訳にもいかないので私は先に教室に入ります。

 すると教室の中には木下くんがいました。

 木下くんは戸籍上男の子となっているとても可愛い性別秀吉の女の子です。

 明久くんの一番の好みなので私にとっては強力なライバルでもあります。

 私、木下くんには負けられません!

 心の中で密かに闘志を燃やしていると、明久くんが戻ってきました。

「痛てててぇ。まったく、ムッツリーニのせいで酷い目に遭ったよ」

 明久くんは着崩れたセーラー服を着ながらスカートのお尻の部分を必死に抑えています。

 女の子姿が恥ずかしいのでしょうか?

 とっても似合ってますのに。

「秀吉ぃ~。傷ついた僕を慰めてよぉ~」

 明久くんは木下くんに飛びついて抱きつきました。

 私もあんな風に明久くんに抱きついてもらいたいです。

 じゃなくて、木下くんが羨ましいです。

 じゃなくて、学校内でハレンチな行為はいけないと思います!

「僕を癒せるのは世界で一番可愛い秀吉の膝枕だけなんだ。一緒に屋上に行こう」

「明久の場合、膝枕だけで終わりそうにない気がするのじゃが?」

 爛々と瞳を輝かせる明久くんと木下くん。

 引き攣った顔を見せる木下くん。

 これって、明久くんがケダモノと化そうとしているんじゃ?

 

『フッフッフ。こんな人気のない屋上に2人きりで来ちゃうなんて秀吉はバカだなぁ。さあ、傷ついて情緒不安定になっている僕の毒牙に掛かってもらうよ』

『あ、あ、明久のケダモノぉおおおおおおおおおおぉっ♪』

 

 木下くんはとっても可愛いです。

 健全な男の子の明久くんがやましい気持ちを抱いたとしてもおかしくはありませんよね。

 ……なんて、そんな訳ありませんよね。

 そんな風に2人の関係を疑ったら、明久くんにも木下くんにも悪いですよね。

 みんな私の大切なお友達なのに変な目で見ちゃダメですね。

 

「秀吉って2人きりの空間になった途端に荒れ狂うケダモノと化すよね」

「当然じゃ。ワシは男じゃからな。牡としての本能を発揮せずしてどうする」

 

 明久くんと木下くんは仲の良いお友達同士。

 お友達の関係を疑おうなんて私は悪い子になっちゃいますよね。

 明久くんは木下くんを連れて教室の外へと出ていきました。

 

 

 

「吉井、貴様ぁっ! HRに遅れて来るとは何事だぁっ!」

 大幅に遅刻して教室に戻って来た明久くんは、入ってくるなり担任の西村先生に怒られてしまいました。

「いや、これにはちょっと訳がありまして……」

 明久くんはセーラー服のスカートのお尻を痛そうに抑えながら口篭っています。

 ちなみに一緒に戻ってきた木下くんはとてもツヤツヤした満足気な顔をしています。

 西村先生は木下くんには怒りません。

「どんな事情があるのか知らないが、俺のHRをサボるとは良い度胸だ。補習室でマンツーマン授業をしてやろうっ!」

「ひぇええええぇっ! 鉄人の補習、しかも2人きりだなんてぇっ!」

 泣きそうな声を上げる明久くん。

「足腰が立たなくなるまでみっちりと教育指導してやるからな。覚悟しろっ!」

 西村先生は憤怒の形相を見せます。

 この怒り方、ちょっと普通じゃないです。

 ちょっと待ってください。何かちょっと変です。

 もしかして、指導と称して何か良からぬことを企んでいるんじゃ?

 

『男子生徒を食い散らかすのは男性教師の唯一の特権だからな。俺の熱い教育的指導をその身をもって受けるが良いっ!』

『しょえぇえええぇっ!? 鉄人にまた体で指導されたら今度こそ死んじゃようぉおおおおぉ!』

 

 西村先生はまだ結婚していません。

 西村先生女性に人気がありそうなのに、結婚していないのはもしかして男性にしか興味がないからじゃ?

 明久くんのことを密かに狙っているからじゃ?

 ……なんて、そんな訳ありませんよね。

 そんな風に2人の関係を疑ったら、明久くんにも西村先生にも悪いですよね。

 西村先生は立派な先生なのに変な目で見ちゃダメですね。

 

「鉄人の奴、明久を完膚なきまでに食い荒らすつもりだな」

「…………鉄人はケダモノ。しかも体力は無限大」

 

 明久くんと西村先生は信頼しあった師弟同士。

 教師と生徒の関係を疑おうなんて私は悪い子になっちゃいますよね。

 明久くんは西村先生に連れられて教室の外へと出ていきました。

 

 

 

 お昼休みになりました。

 明久くんとの仲を進展させるには絶好の時間帯です。

 今日こそ手作りのお弁当を明久くんに食べてもらいたいです。

「あの、明久くん?」

 ちゃぶ台に突っ伏して寝ている明久くんに声を掛けます。

 明久くんは西村先生の補習が終わって、内股でモソモソと歩いて帰って来てからずっと寝ていました。

 よほど一生懸命に補習を受けていたに違いありません。

「どうしたの姫路さん?」

 明久くんはダルそうに顔を上げました。

 明久くんは生活費をゲームや漫画に注ぎ込んでしまうとかで、食事を抜く日も多いです。

 だから、私の手作りお弁当を食べてもらえたらなって思います。

 別に、明久くんに私のお弁当の虜になって欲しいとかは思ってませんよぉ。

 明久くんに「姫路さんの作った味噌汁を毎日飲みたい」なんて言ってもらいたいなんてこれっぽっちも思っていませんよぉ。

 本当にお弁当を出汁にプロポーズして欲しいなんて少しも考えていませんからね!

 その、ほんのちょっとしか……。

 と、とにかくです。

 お腹を空かせている明久くんにお弁当を食べてもらおうと思います。

「あ、あの、今日お弁当を作りすぎちゃって。良かったら明久くんにも食べてもらいたくって……」

「さあ、塩分補給の為に学食に行って醤油でも飲んで来ようかな」

 ところが明久くんは私のお弁当を見もしないまま立ち上がって教室の外に出て行こうとします。

「あ、あの、明久くん!」

「ごめんねぇ~姫路さん。醤油が僕を呼んでいるんだ。また今度ね~っ!」

 明久くんは女の子と一緒にお弁当というシチュエーションが嫌だったのでしょうか?

 確かにこのF組では私が男の子と一緒に何かをしようとすると凄く強い視線を感じます。

 明久くんはその視線を嫌がったのでしょうか?

 それとも、私と一緒にいることが嫌なのでしょうか?

 そうだったら……とっても、とっても悲しいです。

 泣いちゃいますぅ。うっうっうっ。

「おっと、吉井くん。気を付けてくれたまえ。廊下を走っては危ないよ」

「ごめんね、久保くん。ちょっと急いで教室から出なきゃいけない事情があってね」

 私が、男の子だったら明久くんともっと親しくなれたのでしょうか?

 男の子だったらもっとこう、自然な感じで明久くんに声を掛けて、一緒にお弁当できるに違いないんです……。

 

『明久くん。ほっぺにご飯粒がくっ付いてますよ♪』

『じゃあ、姫路くんが取ってよ。その可愛らしい口を使って』

『なっ? はっ、はいっ。わかりましたぁ……あ~ん♪』

 

 私が男の子だったらもっと明久くんと仲良くなれたに違いないんです。

 私は男の子に生まれたかったです。

 ……なんて、そんな訳ありませんよね。

 だって、私は明久くんのお嫁さんになりたいんですから。

 男の子同士ではどんなに親しくなれても結婚できませんから。

 

「吉井くん、君はお腹が空いているようだね。僕のお弁当で良ければ分けよう」

「えっ? でも、それじゃあ久保くんに悪いんじゃ」

「じゃあ、等価交換にしよう。君が食べた分のカロリーを体で返してもらうことにするよ」

「500kcal採ったら、久保くんが500kcal運動するのに付き合えば良いんだね?」

「ああ。特殊な運動に付き合ってくれれば良いさ。そして、僕は必ず法律を変えてみせる。その暁には吉井くん、君と……」

「えっ?」

 

 男の子が羨ましいです。

 でも、男の子になっちゃいけないんです。

 とってもとっても難しいです。

 

 

 

「それじゃあ姫路さん、また明日ね」

「はいっ、明久くん。また明日です」

 笑顔で手を振りながら明久くんを見送ります。

 明久くんは坂本くん、土屋くん、木下くん、西村先生、久保くんと一緒に帰っていきました。

 なんでも今日はみんなで明久くんの家に泊まって強化合宿をするということです。

 眠れない夜になりそうだぜと坂本くんが呟いていました。

 結局今日もまた明久くんとの仲を進展させることができませんでした。

 明久くんともっと仲良くなろうと決意だけはしているのに、現実はままなりません。

 

「ねえ、瑞希? 今日のアキはどうだった?」

 葉月ちゃんが風邪を引いて病院に連れて行ったとかで遅れて学校に来た美波ちゃんが尋ねてきました。

 美波ちゃんは明久くんを巡る最強のライバルです。

 それと共に一番仲良しのお友達でもあります。

「明久くんはいつも通りでしたよ。今日も男友達にいっぱい囲まれて楽しそうにしていました」

「まったく、こんな美少女が2人も周囲にいるって言うのに、男友達と遊んでいる方が楽しいなんてアキってば本当に子供よね」

 美波ちゃんは大きく溜め息を吐きました。

「でも、そんな無邪気な所も明久くんの魅力ですから」

「それが問題なのよね。ウチらが好きになったのはそういうアキだし」

「そうなんですよね」

 2人揃って溜め息を吐きます。

 明久くんは子供っぽい上に女心に鈍感な面があります。

 そのおかげで明久くんの彼女の席はまだ空白です。でも、同時に私がその席に座ることもできません。

「この恋、どうやったら成就するんでしょうね?」

「そんなの、ウチが知りたいわよ」

 2人揃ってまた大きな溜め息を吐きます。

 どうやったら明久くんに私の気持ちを伝えられるのか?

 教科書や参考書にも答えが載っていないこの難題は明日も私の一番の課題になりそうです。

 みなさんもよろしければこの難題の答えを一緒に考えて教えてくださいね。

 

 

 おしまい☆

 

 


 
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