No.238094

ヒカル×トゥルー兄SS『唯 act.1』

羽月紗稀さん

べびプリヒカル×兄SS
…これ書いてた時には陽太郎なんて名前なかったんですよね…
ということで自由に書いてるつもりでした。

2011-07-28 06:59:45 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2269   閲覧ユーザー数:2243

 

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※諸注意事項

 この作品は現行の公式設定が出る前(2008年07月05日~)に書かれたものです。

 なので陽太郎なんて名前はないですし

 自由にかかれてますのでご了承の上ご観覧ください。

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第1話 鶴の一声に

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簡易設定

 トゥルー兄 : ヒカリ

容姿は池麺であり女装が似合うないすがい。

とヒカルが同い年=双子!!とか

ヒカルとヒカリが海晴姉の思いつきで

一緒の部屋で過ごすことになった!?

ちょっとキタイしちゃうけど何も無いのが世のツキ

 

でもそんな生活をしてたら―――

 

そんなおはなし。

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傍にいるだけで安心できる人―――いますか?

そんな事考えるも無く『家族』と答えていた僕。

 

でも今は―――。

 

 

――― hikari : 1

 

 

「おーいヒカリ、朝だぞ」

ゆさゆさと僕の体をゆするヒカルの姿。

「ん…おはよう、ヒカル。」

「全くオマエはねぼすけ何だから…夜はさっさと寝付くのに。」

体を起こし"んー"っと伸びをしみる

「…なんだ?」

「おはようのちゅーは?」

ヒカルにおねだりをしてみる。

 

してみるじゃない。

 

するんだ。

 

ヒカルの体を寄せて。

 

答えは聞いていない。

 

「―――仕方ないな」

 

そういって答えてくれるヒカル。

「相変わらず可愛いなヒカルは」

決してお世辞ではないこの言葉。

「バカ」

顔を真っ赤に染めながら僕に罵声を浴びせる。

「それじゃあ、着替えようかな。」

 

「ちょ、ちょっとまて!」

「?別にいいじゃないか僕の着替えなんて見たって」

「見たいけどって違うよ…なんか慣れなくてさ…」

 

それは海晴姉さまが突然思いついたように―――

 

 

「新しい部屋割りだけどヒカルちゃんとヒカリくん同じ部屋に!」

 

「海晴姉!なんでこいつとなんかと!」

 

当時はこんなに言っていたのに。

 

「だってヒカル?部屋が無いのなら誰かと相部屋にしなきゃ…ね?」

 

なんて強制力で決まってしまった、もちろん僕の発言など皆無だ。

むしろ発言する隙すらなかった。

 

「春風、王子様と同じ部屋がよかったのに―――きゅん♥」

 

「なんでこいつと…」

 

「下僕と一緒ならいくらでも使ってあげたのに…」

 

考えることは千差万別。

僕は考えるのをやめた―――その夜。

 

 

「ここから絶対に入ってくるなよ!」

そういって仕切りを作るヒカル。

僕としては超える気も無いんだけど。

 

なんだかんだといわれる前に布団を敷いて寝ることにした。

 

「…オヤスミ、ヒカル。」

 

そういうと間も無く眠りに着いた。

 

 

――― hikaru : 1

 

 

朝がやってくる、それは毎日の出来事。

隣で幸せそうな寝顔の奴を起すことから1日が始まる。

でもこの可愛い寝顔を起すのは…

 

朝から葛藤である。

 

そんな自分を振りきりながらヒカリを起す。

「ほら、そろそろ時間だぞ起きろ。」

 

―――起きない。

 

夜は早く寝る割に朝は起きない…

たまに早く起きてる事もあるのだが…

 

「おーいヒカリ、朝だぞ」

 

もうちょっと力を入れて揺すってみる。

…やっと起きたか。

 

「おはよう、ヒカリ」

 

「おはよう、ヒカル」

 

そこに

「ねぇ朝のちゅーは?」

 

「ちょっと、朝からってs」

 

最後まで抗議の言葉も出ないまま

ヒカリに唇を許してしまう。

 

「えへへ」

可愛いなヒカリは。

なんて思ってしまうのも今の状況ありき、かな?

 

あの時、私が無理にでも断っていたら。

部屋割りを、強権だと突っぱねていたら。

 

…この幸せな空間は無かっただろう。

 

 

性別と性格を半々に分け合った双子の話。

 

第2話 何も無い

 

 

 

――― hikaru:2

 

 

本当に何も無かった。

 

 

それはそれで女のプライドが…

日がたつに連れ思う。

 

―――こいつ無駄に律儀だな

 

同い年の男と女が一つの部屋の中ですごす。

”何も無いはずなんて無い”そう思ってた。

だがヒカリは何事も無くすごしている。

 

しかしソレを期待している私はなんなのだろうか―――

 

不意に頭の中を過ぎる。

机においてある鏡に映る自分の顔が真っ赤になってること。

自分では認めたくないけど…私の本心は…そうなんだろう。

 

―――まだ逢っても少ししか立たないのにコイツの事を…

 

認めたくない事実、でもそれは自分の中で起きている事実。

「…頭痛くなってくるな…」

そうつぶやく。

 

こういう時に限ってアイツが部屋に戻ってくる

 

「ヒカルどうした?顔真っ赤だぞ?具合悪いのか?」

「具合は悪くないぞ、大丈夫だ、心配してくれてありがとう」

 

―――誰のせいでこんな事に…

なんて言えない、言いたくても言えない。

言ったら…私はどうなってしまうのだろうか?

 

素直に成るべきか。

 

「なぁ―――オマエ好きな人とか居るのか―――?」

 

 

 

――― hikari:2

 

 

白紙。

 

 

白い紙が目の間にある。

今から筆を進めるべき白い紙。

それは目の前に有るけど触れない実態の無い紙。

僕の行き先を見る白い紙。

僕はこれから、この家にきてから、何を書いていくのだろうか。

 

今日は休日。

ちみっこ達のお相手。

普段学校に行っている時間が長いのでこういう休みの日でしか

思いっきり相手にすることが出来ないから。

19人姉妹ともなると1日が過ぎるのが早い。

それでも刻む思い出は一杯出来る。

些細な幸せほど。

 

些細でもいい、自分が楽しかったことは白い紙に書いてく。

 

「お兄ちゃん」

後ろからホタに呼び止められる

「何か用かな?」

「もうすぐおやつの時間ですから皆でドーナッツを作ろうかと。」

生地は作ってあるらしいので思いおもいの形を作ろうというものらしい。

僕は庭で遊んでいるちみっこを呼んで洗面所へ。

1人ひとり手を洗っていく。

「次はわらわの番じゃ」

「次はマリーの番!」

なんてケンカになっちゃうけど

「大丈夫、僕は何処にも行かないから、順番に…ね♥」

しぶしぶと言った顔で列を作る。

 

「皆、手を綺麗に洗えたかな?」

「はーい!」

ホタが言うと皆返事をする、無論僕もだけど。

「それじゃあ好きな形にしてドーナツを作るわよ」

 

星やハートなどたくさんの型枠でドーナッツの生地を抜いていく

「お兄ちゃんを作っチャオ!」

と立夏が言うと皆真似して僕を模してドーナッツの生地を丸めていく

「あんまり厚くすると生焼けになっちゃうからホドホドにね」

ちょっぴり心配そうなホタだがある程度の補正はしてくれるだろう。

 

僕はというと…オーソドックスなドーナッツの形に…

 

全部の生地で作り上げると今度はホタと春風姉さんの番。

僕も手伝おうか?と申し出るものの

「出来上がるまでちっちゃい子たちのお相手をお願いします王子様♥」

と言われちみっこのお相手を

とは言っても皆ドーナツが出来上がるの楽しみなようで

そわそわしながらリビングで大人しく待機していた。

 

そして―――

 

「出来たわよ」

ホタと春風姉さんがお皿にたくさんのドーナッツを持ってきた

「作りすぎちゃったかな?」

なんていうけど全員が食べるとしたらちょうどいいかもしれない。

「はい、さくらあーんして」

ふわっふわのドーナッツを頬張るさくら

「あわてなくていいからね、ゆっくりでいいから」

 

「お兄ちゃんの形をドーナッツ!」

そういって立夏僕の目の前にそのドーナッツを差し出す

「おお、意外と綺麗に出来てるじゃないか」

「食べる?」

「せっかく立夏が作ったんだから自分でどうぞ。」

「残念チャオ…」

気落ちしてるのが気の毒だけど折角自分で作ったのだから―――。

「代わりに僕が作ったのあげるから―――ね?」

「チャオォォォォン!!!!」

立夏のテンションが元に戻った。

 

あ、そうだ―――

 

食器棚から小さな器を持ってきて自分で型を抜いたドーナッツを数個

「ちょっとヒカルにも分けてあげてくる」

 

そういってリビングを後にする―――。

 

 

 

――― hikaru:3

 

 

「ヒカル、甘いもの好きだろ?」

そういってオマエは私の前に粉砂糖の振りかけたドーナッツを

「ありがとう」

 

いつの間にか私の趣向も覚えててくれて

家族の前ではあまり出さない私の内側を―――

 

「なぁ―――オマエ好きな人とか居るのか―――?」

 

気になる。

多分ホタや春風姉からも聞かれてたり…

おしゃまなチビたちにも…

 

「そうだな…」

 

ちょっと考えこむヒカリ

 

―――やっぱりいるのかな…

 

「ヒカルの事は好きだよ?」

 

間の抜けた返事が。

 

「え?」

 

そんな返事なのに変な声と同時に頬が紅潮してしまう。

 

「”え?”って言われても困るんだけど…」

「それは家族としてか?それとも1人の女としてか?」

 

聞いてしまった―――。

 

「―――そりゃ…1人の女の子として…に決まってるでしょ?」

 

何で…何で真顔で言えるんだ?

 

「まぁ…ヒカルに僕がどう思われてるかは知らないけど…」

 

―――私の…キモチ

 

「―――私だって…」

 

続きを…、続きのコトバを…

 

「―――オ、オマエの事が…」

 

あと少し…あと少しだから…頑張れ私!

 

「好きだよ―――」

 

 

その言い終えてスッキリしたかと思ったら―――

 ドタドタドタッ

とドアの隙間からなだれのように…

 

「なっなんでみんないるの?」

 

あ、こういうときは慌てるんだ…

そんな事思ってる場合じゃない、私の告白は皆に聞かれていたって事で…

 

え―――

 

その時私の意識が遠のく。

恥ずかしさが自分の理性を壊して行きながら。

 

「―――おい、ヒカル!!!」

 

今しがた、自分のキモチを伝えたアイツの声がかすかに聞こえ…

 

目の前が真っ暗になった―――。

 

第3-1話 1ページ

 

――― hikari:3

 

「大丈夫!?ヒカルちゃん!」

ホタが駆け寄るが応答は無い、息はしてるしちょっぴり刺激が強すぎたのだろう。

「ベッドに寝かせて安静にしていれば大丈夫だよ」

そういって、僕はヒカルをベッドの上へ抱き上げる。

「後の事は大丈夫だから、おやつの時間の途中でしょ?」

「それじゃあヒカルちゃんの事、お願いしますね。」

そういってちみっこ達をつれて部屋を出て行くホタ。

 

(まったく…いや、あんな事言ってしまっては、こうもなってしまうかな…)

 

ヒカルを撫でながら思う。

今までは普通の家族、19人姉妹という大所帯で傍からみたら普通ではなさそうだが

皆大切な家族―――それはこれからも変わらないだろう。

でもひとつ変わったことがある、僕はヒカルの恋人になった。

僕がこの家に来てから、海晴姉さまの一声でヒカルと同室で暮らしていた。

年頃の男女が二人っきりっていうのも稀なものだけど

19人のおんなのこに囲まれているとそうも感じない、どこにいても同じだから。

その中でも僕が選んだ人…。

 

「そろそろ目を覚ましてくれないかな?僕のお姫様―――」

 

そっと唇を合わせる―――僕の初めてのキスを。

 

それが僕とヒカルの1ページ目。

 

 

 

 
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