No.237163

いぬさくや Station

雲山さん

rockmaxdash翻譯,雲山撰寫編輯。いぬさくやとパチェ博士の、SF(すごし不思議)なLIFE STORY。

2011-07-27 12:10:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:509   閲覧ユーザー数:498

 

 

 

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【ドクターパチュリーと犬咲夜(一万匹)観察記録】

 

 

  記録その一‧ドクターパチュリーが朝起された時の見聞

 

  犬咲夜。紅魔館全体社員旅行の翌日、突然紅魔館に現れる大量不明生物、今は歴とした姿で一生懸命館内の毎日の掃除をしている。

 

  犬咲夜たちが一つの列になり、互い協力いしてバケツや雑巾や箒などの掃除用具を貯蔵箱から取り出し、バタバタとしっぼを揺らしながら各自の掃除エリアに向かう。それぞれの歩調が違うが、なんか秩序があるように見える。

 

  まさにその秩序がリズムになろうとする時、箱の中から妖精メイドたちがごっそり隠したスーパーボールが跳ね出した。

 

  最初にスーパーボールを気付く犬咲夜の耳がヒクヒクと動く、もふもふしたしっぼが力強く、バタバタ。

 

  続いて気付いた犬咲夜の鼻がぴくっと動いて、小さな口がぎゅっと逆三角形になった。

 

  三匹目から最後にスーパーボールを気付く犬咲夜たちは、同時に空高く跳ねたスーパーボールに向かって飛び出した。

 

  スーパーボールはまるで蝶のように乱雑な犬咲夜たちの間で往来して、蜂のように紅魔館廊下のガラスを突き破る。犬咲夜たちは楽しそうにしっぼを振りながら、バタバタと、逃げ回るスーパーボールを追いかけ、がちゃがちゃと廊下にある全ての窓のガラスを割れた。

 

 

  記録その二‧ドクターパチュリーが昼邪魔された時の見聞

 

  犬咲夜はとても勤勉な生き物だ。呼ばなくても自らやれることを探す。もう存在しない窓を拭くとか、砕片と抜け毛が散らばっている床の整理とか、外の落葉を集まって遊園地にするとか、昼食を用意する時は肉料理しか用意してないとか、お茶を淹れるときに湯をひっくり返すとか、お茶を運ぶ時に滑るとか、おやつを運ぶ時に我慢できず盗み食いした上で口もとを拭き忘れるとか。思いついたら仲間のしっぼを追いかける。この時の犬咲夜たちは串のようになって、列車みたいに走り回り、最後に方向感を失いぶつかる、コロコロとメイド長(本物)が整理したカーテンの中に入り込み、体を丸めて、仲良く昼寝をする。最後は毛だらけで雑然のカーテンだけが残された。カーテンはたぶんもう二度と整然になることはないのだが。

 

 

  記録その三‧ドクターパチュリーが午後ぼんやりしている時の見聞

 

  犬咲夜の主食は肉ー特に骨付きの肉。彼女たちは肉が貰うと嬉しそうに囲めて、骨付き肉を持ち上げて踊る。ある種の神や飼い主に感謝を捧ぐ儀式のように見えるか、じっくり観察すれば、それはただの猫や犬のような食べ物をいじって遊ぶの行為であることがわかる。

 

  同じ犬だが、犬咲夜たちは紅魔館本来の番犬よりずっと役が立つ。タイマンじゃあのバカ中国に勝てないが、十六匹骨を武装した犬咲夜もあれば中国を床に押さえて骨で頭を叩くことができる。さらに三十二匹もあれば骨もいらないで中国を倒して、「たすけてー」、「もう無理ー」、「勘弁してよー」、「昇天しちゃうー」などの軟弱な言葉を吐き出させる。

 

 

  記録その四‧ドクターパチュリーが夜暇で暇でやることがない時の見聞

 

  犬咲夜の頭の上は例外なく長くて曲がったアホ毛は生えている。そのアホ毛を抜けてみると、犬咲夜が爆発して、全身黒く焦げて動けなくなる、まるで死んだようだ。

 

  この黒焦げた犬咲夜を解剖する予定だったが、翌日になると、黒焦げたサンプルがまた元気いっぱいになった。識別マークが付いてなかったら、本当に何も起きなかったようだった。ほかの犬咲夜たちはそのぶら下がっている識別マークに引きつけて、その犬咲夜と耳を噛み合い始めて、最後に互いのアホ毛を抜けてしまい、集団爆発という大惨状となった。

  

  自爆した犬咲夜たちは翌日でまた無事で走り回った。やはりバカの体力も生命力も無限だ。

 

  

  記録その五‧壊れかけたドクターパチュリーの見聞

 

  統計によると、犬咲夜の一日中に三分の一の時間はがんばって働いてる、三分の一は食べている、残りの三分の一は失敗した仕事を挽回している。そして一日中しっぼを振っている。

 

    バタバタ。バタバタ。バタバタ。バタバタバタバタ。

    この音を聞えるた時は即ち、犬咲夜たちが張り切って稼動中。

    ガチャン。ガチャン。ガチャン。ガチャンガチャン。

    この音を聞えた時は即ち、犬咲夜たちが事故を起し始めた。

    バタバタバタバタ。バタガチャン。バタバタバタガチャン。

    ガチャンガチャン。バタガチャン。チャンチャンバタガチャン。

    うふ。うふふ。うふふふふふふふふ。

 

 

  「パチュリーさま……」

  小悪魔は心配そうに目がくまになったドクターパチュリーを見つめる。

  「大丈夫なんでしょうか?」

  「何言ってるの。もちろん大丈夫よ。ほら、研究がこんなに進んでる。」

  「でも、パチュリーさまがもともとやろうとしていたのは『ブラックホール魔法の第三蒸発速度の理論についての考証』じゃないですか。」

  「そうよ。ブラックホールができたら、紅魔館のみならず図書室もあっちこっち散らばっていう犬の毛も一掃できるわ。」

  「パチュリーさま、しっかりしてくださいパチュリーさま。あれはただの子犬です。少し勤勉でドジってメイド長に似てますけど、決して不明な危険生物なんかじゃありません。」

  「小悪魔よ。」

  「はい。」

  「あのさ……最近背が短くなった?」

  「そんなことないですよ。錯覚です。」

  「じゃあ、あの私の本や研究資料を枕と布団として使っている犬咲夜も幻覚だよね。」

  「いや、それ、本当です。」

  「幻覚よね?」

  「本当です。」

  「本当に幻覚だよね?」

  「本当の幻覚じゃなくて、本当の本当です。」

  「小悪魔よ……どうやら私は本当に疲れたわ……」

  「しっかりしてください。せめてメイド長たちが帰るまで気を持ってください。」

  「その時まで待ったら、ここはまだ家とした呼べるのかしら。」

  「そんな難しい問題は答えられません……」

 

 

  【旅行団が帰るまで、あと一年(推測)】

 

  「小悪魔、日符を百枚圧縮してメガフレアとかの核融合級の大型呪術でこの不明生物たちを徹底に消滅してもいいかしら?」

  「犬毛が多かっただけで、そうする必要がありませんよ。」

  「喘、息が発作しそう……」

  「ああ!パチュリーさま!」

 

  【ドクターパチュリーが崩壊するまで、あと三十日(推測)】

 

【続‧白黒ネズミと骨を持つ犬咲夜】

 

 

 

 
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