第十五話 四面楚歌 ~北郷や 汝を奈何せん~
「残りの兵の数は?」
「し、将と兵を合わせても二十八騎・・・・もはやこれまでです」
白華の周りには義刀、紅華、葉、愛と共に僅かな兵士がいるだけだった。
劉邦や始皇帝も助力を申し出たのだが、万が一の時には後の世に必要になるのは劉邦だ。当然断った。
「ひとまず、撤退をした方が・・・・」
妖琳が思わず言うのも無理は無い。だが、
「誰も・・・残ってない・・・・」
「・・・へ?」
「私と共に長江を渡った江東の兵八千人・・・・誰一人、残ってない」
「・・・・・」
「それでも皆は再び私を王として迎えてくれるかもしれないが・・・・私の誇りがそれを許さない」
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「ふん。少しは愉しませてくれると思ったが、所詮その程度か」
水晶玉に映る光景を覗きながら徐福は言った。
この仕事は案外早めに終わりそうだ。
が、次の瞬間映った物を見て余裕の表情が揺らいだ。
「ふっ・・・・そうでなくては愉しめん」
「漢の大将軍、韓信、義によって、項羽殿にお味方申す!!」
「秦の章邯これにあり、我と思わんものはかかってこい!!」
深緑の韓旗と漆黒の章旗を掲げた軍勢が押し寄せ白装束や土人形――兵馬俑を蹴散らしていく。
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「徐福、元始天尊の命により、貴様を捕縛し崑崙山に連行する」
「無理な事は言わぬほうが良いぞ」
次の瞬間八仙と徐福の力が激突した。
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「我らはこれより最後の突撃をかける。全員構えよ!!」
「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」
「突撃!!」
韓信と章邯の援護で崩れた敵軍目がけて項羽軍の最後の兵達で突撃をかける。
そしてそのまま、泰山の頂上へと近づいていった。
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「おい徐福、我々はどちらも不死身なんだぞ。いつまで戦っていれば気が済むつもりだ?」
「嫌なら降参しろ」
「誰が!!」
鍾離権の放った火球が徐福へ向かって真っ直ぐ飛んでいった。が、徐福に近づくと消えた。
「フン」
徐福は鼻で笑って同じような火球を投げ返す。しかし、その火球もやはり萎んで消えてしまった。
場の滑稽さに思わずにやりと笑っていたその場の全員の顔から事を理解した順に笑みが消えていった。
仙道の力を衰えさせる広範囲の、しかも強力な結界。徐福でもなく、八仙でもなく、第三者の手によって張られた・・・・
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「こ・・・・ここが頂上か?」
白装束と兵馬俑の海を突破し、ようやく頂上に着いた。
「あそこに徐福とやらがいるのか?」
葉が指差した先には、確かに怪しい建物が建っていた。
「全軍続け!!敵を殲滅するぞ!!」
曹参が鎌を振るって敵を薙ぎ倒す。その背後から矢が飛んできた。が、気付いていない。
「琳華、危ない!!」
曹参が振り向いた瞬間、目の前を黒い影が横切った。
「ぐっ」
「夏蘭!!」
樊噲が目の前に倒れていた。
「うわっ」
怪しい建物の中に入ると九人ほどの人間が乱闘中だった。
その向こうの祭壇の上に、見覚えのある銅鏡が置いてある。
「あれを壊せば・・・・」
「あっ、義刀、待って!!」
考える前に走り出していた。白華が後を追う。
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「北郷・・・・」
八仙全員と死闘を繰り広げながら目の隅に映った人物を徐福の意識ははっきりと捉えた。
何を迷う事があったのだろう。こいつを殺せば全ては終わる・・・・
李鉄拐と呂洞賓を弾き飛ばし、追いすがった漢鍾離を蹴り飛ばしながら北郷に向かって突進した。
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「死ね北郷!!」
突進してきた徐福が宝剣を振りかざして斬りかかる。
義刀も負けずに斬り返す。
その一撃が徐福の左手を切り裂いた。
「・・・ちっ」
が、徐福は舌打ちしただけで攻撃を止めない。そして、
「・・・・へ?」
度重なる徐福の攻撃を受け止めた日本刀は義刀の手元に柄と3~4㎝ほどの刃を残して砕け散った。
「義刀、危ない!!」
白華が飛び出して方天画戟で徐福の攻撃を受け止める。
義刀はもう鏡にたどりついていた。
あとはこの鏡を壊せば・・・・
恋姫†項劉記
―次話完結―
第十六話 「次代への路」
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短いし無理やりな感じもしますが・・・・
詳細は次回あとがきにて。
2011-06-09 05:18:32 投稿 / 全5ページ 総閲覧数:906 閲覧ユーザー数:769