No.213620

本屋さんに行こう!

月千一夜さん

≪月の詩≫
第五作目です

よかったのかい?
ホイホイ読んじまって

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2011-04-26 23:12:10 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:10966   閲覧ユーザー数:8180

 

「う~、厠厠」

 

 

今、猛烈に厠を求め走る僕は【北郷一刀】

何処にでもいる、極々普通の“天の御遣い”だ

 

ただ少し違うところがあるとすれば・・・男の人に興味があるってことかな

 

 

 

 

「漏れる漏れる~」

 

 

僕は今現在、厠を求め街の外れの方を走っていた

そんな時だった

 

 

「・・・ん?」

 

 

僕が走っているその先の方

備え付けられた椅子に座る、一人の男の人の姿が見えたのだ

その人は眼鏡をかけ、白い道士が着るような服を身に纏っていた

どんな男の人か、一言で言うと・・・

 

 

 

 

 

 

「ウホッ・・・イイ男~」

 

 

これに尽きる

思わず足を止めてしまう程のイイ男なのだ

僕は男の人を見つめたまま、その場にしばらく立ち尽くしてしまった

やがて・・・

 

 

「ぇ・・・?」

 

 

その男の人は突然、信じられない行動に出たのだ

彼は自身の纏う衣服を、ゆっくりと脱ぎ始めたのだ

 

 

「あ、ああ・・・あぁぁぁああ・・・・・・」

 

 

僕はそのあまりの光景に、その場から身動きがとれなくなってしまった

そんな僕の気持ちもいざ知らず、徐々に徐々に露わになっていくイイガタイ

そして眩いばかりの輝きを放つ、これまたイイ●●●

 

ゴクリと、唾を呑みこむ僕

そんな僕を見つめ、彼は静かに言葉を紡ぐ

それは、始まりの言葉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やらないか?」

 

 

 

僕の中で、新しい扉が開く音がした

 

 

 

 

 

 

 

≪本屋さんに行こう!≫

 

 

 

「ふぅ・・・」

 

 

“パタン”と、音をたて閉じられる一冊の本

それを丁寧に棚に仕舞いこみ、“北郷一刀”は柔らかな笑みを浮かべる

そして、隣にいた少女・・・華琳を抱き寄せた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蜀を滅ぼそう」

 

「落ち着きなさい、馬鹿」

 

 

この一言に、流石に華琳の頬も引き攣っていた

抱き着いてくる一刀の体を引きはがし、彼がさっきまで読んでいた本をとりパラパラとめくる

 

 

「たかが本の中の物語でしょ?

冷静になりなさいな」

 

「華琳、俺は至って冷静だよ

今だってこんな本を書いた蜀の“はわわ幼女とあわわ幼女”をどう懲らしめてやろうか考えてるのさ

なるべく、非人道的な方法でね」

 

「全然冷静じゃないわね

人の趣味でしょ?

それを私たちがあんまりとやかく言うのは良くないわ」

 

「趣味だからって、勝手にこんなん書くのは許されないって!!

ていうかこのままだと俺(本の中の)は公衆厠(発展場)に連れてかれて、イイ男(ウホッ)にいいように弄ばれる(アッーーーーーーーー)んだぞ!?

いくら本の中ったって、限度があるわ!!」

 

 

まぁ、彼の気持ちはわからないでもない

そもそも、何故このような状況になっているのかを話さなければならないだろう

 

 

 

まずは、今二人がいる場所

ここは城下に新しく出来た本屋だ

それを知った華琳が、一刀を誘ってここにやって来たのだ

そして、彼は見つけてしまったのだ

“御遣い、手苦二苦(ミツカイテクニック)”と書かれた書物を

まるで誘われるかのようにホイホイと手に取ったその本

著者の名は“歯和和・亞和和”

どう見ても蜀のロリ軍師二人です、本当にありがとうございました

などと内心で考えながら、開いた書物

 

その後のことは、冒頭にあったとおりである・・・

 

 

 

 

「ああ、初っ端から嫌なもん見た・・・」

 

「災難だったわね」

 

「災難っていうか、もう“災害”だったよ」

 

 

言いながら、彼は周りをキョロキョロと見回した

そして、感心したように息を吐きだした

 

 

「しっかし、広いなぁ・・・なんか“ブックオフ”を思い出すよ」

 

「ブックオフ?」

 

「俺の世界にあった古本屋さんだよ

何か、雰囲気が似てるなって」

 

 

“読めない本ばっかだけど”と、彼は苦笑する

そんな彼に対し、彼女は呆れたようため息を吐きだす

 

 

「もう少し勉強なさいな

これくらい読めないと、後から苦労するわよ」

 

「これでも、前よりは読めるし書けるようにもなったんだけどな

まだまだ勉強不足か

“人生、是勉強なり”とはよく言ったもんだよ」

 

「ふふ、頑張りなさい」

 

 

“了解”と、笑う一刀

その笑みにつられ、彼女もまた微笑んだ

その直後のことだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

「ぶはっ・・・!?」

 

「「・・・」」

 

 

悲鳴とも、何ともとれない・・・しかし、聞いたことがある声が辺りに響き渡ったのは

 

 

「なぁ、華琳・・・今のってさ」

 

「ええ、そうね・・・私もそう思うわ」

 

 

言うがいなや、二人は同時に駆け出した

向かうのは、声がした方向

 

微かに匂いたつ“鉄のような臭い”が、2人に自分たちの予想が正しいことを教えていた

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「うわぁ・・・」

 

 

辿り着き、思わずこぼれ出た声

それに同意するかのように、隣に立つ華琳は頭をおさえたまま溜め息を吐きだしていた

 

 

「稟・・・貴女、何をしてるのよ?」

 

 

そして、小さくこぼれ出た言葉

その視線の先には、辺りを真っ赤に染め上げた張本人・・・稟が、安らかな表情で倒れていた

 

 

 

 

「お~、華琳様にお兄さんじゃないですか」

 

「風・・・二人も、本を買いに来てたのか?」

 

「はい~、その途中見つけた本を読んでいたらいきなり稟ちゃんの持病が出ちゃいまして~」

 

「どんな危ない本だよ・・・」

 

「それは~・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、ダメです一刀殿

その人はノンケだって平気で喰っちまうような男なんですよ・・・!?」

 

「よりにもよって、あの本かよ!!!!」

 

 

頭を抱え、彼はその場に膝をついた

先ほどのダメージが再び襲いかかってきたのだろう

そんな彼の姿に、風は“どんまいですよ”と肩を叩いていた

 

 

「とにかく、稟が汚してしまった本は責任をとって買い取りましょう」

 

「そうですね~

では風は、お城に連絡してくるのですよ」

 

 

言いながら、その場から歩き出す風

彼女は稟の手から一冊の本を取り上げ、店を後にしようとした

だが、そんな彼女の肩に手を置き一刀は足を止めさせた

それから、物凄く良い笑顔で口を開く

 

 

 

 

 

 

 

「それは、置いていこうな」

 

「え~・・・」

 

「“え~”じゃない!

そんな危ないもん出回ってみろ!?

“全国のイイ男”に狙われるかもしれないんだぞ!?」

 

「いえ、でも終盤の展開は胸熱でしたよ~?

特に、最後のお兄さんの台詞なんて鳥肌ものでした」

 

「え?

そうなの?

何これ、案外普通の本なのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「“イイ男なら、ノンケだって喰ってみせる!!”という台詞なんですが・・・」

 

「やっぱり、そういう本じゃないか!

いや、確かに鳥肌ものだけど!

寒気とか吐き気とかで、鳥肌がやばいけどもさ!」

 

「いやぁ、驚きました

まさか最後の最後で、攻守が逆転するとは・・・」

 

「何それ、恐いんだけど!?

最初は“殆ど壁状態のアーマーナイト”なのに、最後の最後で“攻撃も出来る万能なジェネラル”にクラスチェンジしちゃうの!?

イイ男を逆に攻めちゃうの!?」

 

「そういうわけで、風はこれを持って帰りますんで・・・」

 

「だが断るううぅぅぅっぅううううう!!!!!」

 

 

それから、数十分の攻防の末

ホウケイの放ったロケットパンチによりノックアウトした一刀を華麗にすり抜け、風はホクホクとしながらその本を買って帰ったそうな

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

それから数日後・・・

 

 

 

 

 

「やらないか?」

 

「だが断るううぅぅっぅぅぅぅううううう!!!!!」

 

「一緒にリンゴたべような、な?」

 

「来るなああぁぁぁああああああ!!!!!???」

 

「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」

 

「ちょ、やめ、アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!???」

 

 

 

 

 

 

城下に存在する、イイ男達に狙われる一刀の姿があったそうな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★あとがき★

 

ごめん、ホントごめんw

最初のページがやりたかっただけなんですwww

勢いだけでどこまでいけるかって、試してみたかったんですwww

結果、こんなんなっちゃったwwテヘ♪

 

後悔はしてない

反省もしてない

牛乳が飲みたい

 

 

それでは、また後でお会いしましょう~~~


 
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