No.211795

恋姫な毎日~それが、僕らの日常だから~

月千一夜さん

どうも、本当にお久しぶりですw
今回の作品は現在制作中の短編作品たちの執筆中に偶然生まれた息抜き作品です
過度のご期待はご遠慮くださいww

キャラ崩壊なんて、そんなチャチなもんじゃねぇ

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2011-04-15 18:49:24 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:10656   閲覧ユーザー数:8171

「ん~・・・!」

 

 

背を伸ばし、見つめた窓の向こう

都は今日も快晴だ

そんなことを思い、彼・・・“北郷一刀”は微笑んでいた

 

 

「良い天気だな~」

 

 

呟き、彼は寝台から出る

それから、制服へと袖を通した

今日もポリエステルの着心地は最高だ

 

 

「さて、今日はとてもいい天気だ

こんな良い天気な日に、コツコツコツコツ机に向い筆を走らせることができようか?

否・・・断じて否!!

そんなこと、俺には出来ない!」

 

 

(ああ、そうだ

こんな良い天気なんだ

それなのに部屋に籠りっきりなんて、太陽の化身でもある俺には出来っこない!)

 

心の中、力強く叫ぶ彼

つまり、彼が何を言いたいのかというと・・・

 

 

 

 

 

「今日は、お出かけしちゃうぞーーーーー!!」

 

 

・・・こういうことである

“ヒャッハァ”と奇声をあげ、拳を天高く突き上げる彼

そんな彼は、気付くことができなかった

 

 

 

 

 

「ほぅ・・・それは、とても良いことを聞きました」

 

 

彼のすぐ背後・・・青龍偃月刀を構え、ニコニコと笑う“軍神”の姿に

 

 

「あはは、あは・・・あ、愛紗さん?」

 

「ええ、愛紗です

おはようございます、御主人様」

 

「お、おはようございます」

 

 

“ギギギ”と、ゆっくりと振り向いた先

ニコニコと笑う軍神・・・愛紗は可愛らしく、小首を傾げ挨拶をする

そう、あくまで可愛らしくだ

だが何故か、一刀の頬を伝う冷や汗はすでにナイアガラ級だ

 

 

「お出かけですか・・・確かに、今日は絶好のお出かけ日和ですね」

 

「だ、だろ?

だから・・・」

 

「ですが御主人様、貴方様が眠っている間に積み上げた書簡が此方にあるのですが

この書簡の山を見てください・・・これを、どう思いますか?」

 

「すごく・・・大きいです」

 

 

 

天高く積まれた書簡

天井? 何それ美味しいの?と言わんばかりに積み上げられた書簡

どう考えても、一日でこなせる様な量ではない書簡

 

 

「俺・・・この政務が終わったら、書簡と結婚するんだ」

 

「さぁ御主人様、お仕事を始めましょう♪」

 

 

憐れ、北郷一刀の一日の予定は決定してしまったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪恋姫な毎日~それが、僕らの日常だから~≫

 

 

 

 

「さて、そういうわけで仕事を放りだしてきちゃったわけだけど・・・」

 

 

どういうわけなのかは全く理解できないが、今現在の状況は彼が自分で言ったとおり

彼は愛紗の目を盗み、執務室を抜け出してきたのだ

それこそ、隠密部隊もビックリの速さで

 

因みに、今頃彼女もそのことに気づき探し回っている頃であろうが・・・

 

 

 

 

「しっかし、抜け出したのはいいけど・・・どこに行こうかな

あんまし、城内をウロウロするのは危ないしな

“野生の軍神が現れた”ってなっても、今は手持ちのポケモンは一匹もいないし」

 

 

“せめて恋がいてくれればなぁ”と、呟く彼

ふとそんな彼の前方から、見覚えのある少女が歩いてくるのが見えた

特徴的なツンツン帽子が、ヒョコヒョコと揺れている

彼はその姿を確認し、大きく手を振って見せた

 

 

「おーい、雛里」

 

「あわ、御主人様?」

 

 

一刀の声に、少女・・・雛里は慌てて顔をあげる

それから、トテトテと彼のもとへと歩み寄ってきた

 

 

「やぁ、雛里

何してたの?」

 

「えっと、お仕事で聞きたいことがあったので・・・ちょっと、朱里ちゃんのとこに行こうかなと

ご主人様はまた、“政務”をサボって“性務”をしてたんですか?」

 

「言ってくれるじゃないか、このロリッ娘軍師め」

 

 

“あはは”と笑いながら、雛里の頬を引っ張る一刀

それに、彼女は“いひゃいでしゅ”と半べそをかいていた

 

 

「まったく、俺は悲しいよ雛りん

俺がいつもいつも、仕事を放りだして遊び歩くわけないじゃないか」

 

「っ・・・違うんですか?」

 

「おい、待てこら

なんですかその“なん・・・だと?”みたいな顔は

いくらなんでも失礼じゃないか?」

 

「ですが先ほど、“青龍偃月刀を片手にニコニコと笑いながら城内を歩き回る愛紗さん”を見かけたのですが・・・」

 

「すいません、サボってました」

 

 

速攻で、頭を下げる一刀

そんな自身の主の姿に苦笑しつつ、雛里は彼の袖をクイと引く

 

 

「大丈夫です

今なら、きっと間に合いますよ

今ならまだご主人様の“息子さんの頸”が飛んでいくだけですから」

 

「雛りん、それ全然大丈夫じゃないよ」

 

「大丈夫です

愛紗さんは一流の武人ですから・・・一瞬です」

 

「いや、だから全然大丈夫じゃないって

その台詞のどこに俺は安心したらいいのさ」

 

 

無駄に良い笑顔で、とんでもないことを言いだす雛里

その言葉に、彼は体をブルリと大きく震わせていた

 

 

「と、とにかくしばらく顔を合わせないようにしないと

でないと、俺の“天の御遣い”が大変なことになってしまう」

 

 

“それじゃ”と、雛里に別れを告げ駆け出す一刀

一刻も早く、城から出よう

そう決めて、彼はひとまず街へと繰り出すことにしたのだった・・・

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「お~、相変わらず賑やかだなぁ」

 

 

賑わう都の街中

そんな光景を眺め、彼は笑いながら呟く

時刻は、もうすぐお昼になるところ

そのせいか、人通りも中々多い

その中を、彼は軽い足取りで進んでいく

 

 

「ご主人様~」

 

「ん?」

 

 

ふいに、そんな彼の背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた

彼はその声に足を止め、スッと振り返る

その視線の先、一人の少女を見つめ微笑みながら

 

 

「ご主人様~!」

 

「璃々ちゃんっ!」

 

 

名前を呼び、広げた腕の中

少女・・・璃々は、勢いよく飛び込んできた

彼はそれを受け止め、笑顔で抱きかかえる

 

 

「こんにちわ、璃々ちゃん

今日も可愛いね」

 

「こんにちわ~

ご主人様は、あいかわらず“最低なろりぺど野郎”だね♪」

 

「あはは、言ったなこの幼女っ♪」

 

「きゃ~♪」

 

 

抱き上げ、クルクルと回る一刀

それに対し、璃々は無邪気に笑っている

と、そんな二人のもとに歩み寄る女性の姿があった

 

 

「ご主人様、申し訳ありません

うちの璃々が、失礼なことを申したようで・・・」

 

「紫苑・・・別に気にしなくていいよ

俺、幼女になら何言われてもいいからさ♪」

 

「流石ご主人様、広いお心をお持ちなのですね」

 

 

“まあね”と、彼は笑った

その爽やかな微笑みに、紫苑は頬を微かに赤く染める

 

 

「紫苑は、今日は非番だったの?」

 

「ええ、そうなんです

ですから、璃々と一緒にお買い物を

ご主人様は・・・いつものように、“政務”を放り出して“性務”ですか?」

 

「待ってください、紫苑さん

俺ってば、そんないっつもサボってるみたいに見えますか?」

 

「ち、違うんですか・・・?」

 

「違うよ!

もう、俺は悲しいよ!!

どうして、皆してそんなふうに・・・」

 

「ですが今しがた、“青龍偃月刀を片手に、獲物を狩るような目で街を練り歩く愛紗ちゃん”を見かけたのですが・・・」

 

「サボりだよ、悪いかチクショー!!!!」

 

 

大げさに頭を抱え、彼は叫んだ

その様子を見て、紫苑は“あらあら”と微笑みを浮かべていた

 

 

「そもそも、こんな天気な日に部屋に籠ってろっていう方が無理なんだよ

こんなに良い天気なんだから、やっぱ外に出なくちゃ勿体ないって」

 

「確かに、今日は本当に良いお天気ですものね」

 

「だろ?

こんな日こそ、外に出て街の人々と触れ合わないと

書簡と睨めっこなんてしてる場合じゃないよな、うん」

 

 

言って、彼は満足げに頷く

それから、彼は紫苑の手をとり微笑む

 

 

「というわけで、俺もご一緒してもいいかな?」

 

「あらまぁ、デートのお誘いですか?」

 

「まあね・・・璃々ちゃんも、いいかな?」

 

「うん!

璃々、ご主人様も一緒がいい!」

 

「あらあら、ではご一緒に行きましょうか」

 

「そうこなくっちゃ♪」

 

 

そう言って、彼は璃々を自身の肩に乗せる

所謂、肩車というものである

そして空いた手で紫苑の手を握り締め、ゆっくりと歩き出したのだった

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「しっかし、また色々とお店が増えたような気がするんだけど」

 

「そうですわね

賑やかになってきましたわ

私たちの頑張りが、実を結んだのでしょう」

 

 

言いながら、彼女はフッと微笑む

その微笑みにつられ、彼もまた微笑んだ

 

 

 

 

 

「そうかな・・・俺、最近はずっと“政務”よりも“性務”に励んでた気がするんだけど?」

 

「そこでいきなり正直になられても・・・」

 

 

彼のぶっちゃけに、紫苑は苦笑を浮かべる

当の本人はというと、涼しい顔で街を見回していた

 

 

「まぁ、賑やかなのは良いことだよね」

 

「ええ・・・ですがやはり、人が増えれば色々と問題も起こるようです」

 

「何かあったの?」

 

「そこまで大きな事件は、今のところありませんが

些細な言い争いから発展する喧嘩のようなものが最近増えているようですわ」

 

「そうなのか

それについても、対策を考えなくちゃいけないよな・・・朱里が」

 

「・・・ご自分で考える気はないんですね」

 

「大丈夫だよ

あの諸葛孔明だよ?

数日前に桂花の唇にばれない様激から唐辛子を塗ったくるという荒業をやってのけた、あの諸葛孔明だよ?

彼女なら、きっと大丈夫さ」

 

「ああ、あれはやはりご主人様の差し金だったのですね

気付かずに桂花ちゃんに口づけをした華琳ちゃんが、“はねるしか覚えていないギャラドス”のように飛び回っていたのが未だに思い出せます」

 

「ああ・・・あれは凄かったな

あの華琳が“んぎもっちいぃぃぃぃぃぃいいいい”って叫びながら飛び回るんだもん

俺、笑いを堪えるのに必死だったよ

秋蘭は爆笑してたけど」

 

「ええ・・・まさか、秋蘭ちゃんが爆笑するなんて思いませんでしたわ」

 

「俺もだよ・・・」

 

 

どこか遠い目をし、二人は空を見上げる

もはや“思い出”となった出来事を思い出しながら・・・

 

 

 

 

 

「あら、一刀と紫苑じゃない」

 

 

そんな三人に向い、ふいにかけられた声

その聞き覚えのある声に、一刀は表情を僅かに歪めた

 

 

「俺の国にはさ・・・“曹操の噂をしたら、曹操が来る”っていう言葉があってさ

まさか、本当に来るなんてな」

 

「そうなの、それは興味深い話ね」

 

 

そう言って、現れた少女・・・曹操こと、華琳はクスリと微笑んだ

彼女はそれから、三人の傍まで歩み寄る

 

 

「ギャラドス・・・じゃない、華琳は今日非番だったっけ?」

 

「違うわよ

街の様子を見ておこうと思って

貴方は・・・“政務”を放り出して、“性務”の途中だったのかしら?」

 

「いや、俺は普通にサボりだけど」

 

「そんな、堂々と言われても・・・」

 

 

“まぁ、良いわ”と、彼女は呆れたよう笑う

そんな彼女の姿に微笑みながらも、一刀はあることに気づき眉を顰めた

 

 

「あれ・・・けど、一人で来たのか?

いつもなら、春蘭か秋蘭が一緒なのに・・・」

 

「ああ、そのことね

春蘭は今日、軍務での仕事が残ってるってついさっき桂花に怒られてたわ」

 

「ははは、春蘭らしいな」

 

 

 

 

 

 

 

 

「秋蘭は、まだ“例の発作”が治まらなくて・・・」

 

「そ、そうなんだ・・・」

 

 

“まだツボってるんだ”と、一刀は笑いを堪えながら内心で呟く

因みに、彼の隣では紫苑が盛大に噴き出していた

恐るべしギャラドス

 

 

「まぁ、華佗に任せてあるから大丈夫でしょうけど

早く治ってほしいわね」

 

「ああ、治るといいな・・・」

 

「そ、そうですわね・・・ぶふっ!」

 

「紫苑?

どうかしたのかしら?」

 

「い、いえ何でも!

ギャラドス・・・華琳ちゃんには、関係のないことだから」

 

「そ、そうそう!

ギャラドス・・・華琳は気にしなくっていいよ!うん!」

 

「そ、そう?

なら、いいのだけれど」

 

 

“うまく誤魔化せた”と、一刀と紫苑は密かにガッツポーズをする

それに気づくことなく、華琳は“ギャラドスって確か、女神って意味だったかしら?”と一刀の嘘の知識に頬を赤く染めていたのだった

彼女が本当の意味に気づいた時、どうなるのかは想像に容易い

 

 

「あ、そういえば・・・」

 

 

そんな中、何かを思い出したかのように口を開いたのは華琳だった

 

 

「愛紗が、一刀のことを探してたわよ」

 

「愛紗が?

いったい、どんな感じだった?」

 

「そうね・・・“青龍偃月刀を片手に、ハンター(種馬)を狙う飛龍の目をしながら街を練り歩いていた”わ」

 

「ヤバい、なんかパワーアップしてる

もう絶対に見つかったらヤバいレベルまでパワーアップしてる

下位クエストから、一気にG級までレベルアップしてる」

 

 

見つかったら、それはもう大変なことになる

言葉では表せないくらいに、それはもうドエライことになる

一刀はその時のことを想像し、大きく体を震わせていた

 

 

「やばい、絶対に捕まったらヤバい

よし、早く逃げようそうしよう

なぁ華琳、愛紗のことをどこらへんで見かけたか覚えてる?」

 

「覚えてるけれど・・・多分、もう意味はないでしょうね」

 

「え?

一体、どういうことだよ?」

 

「一刀・・・後ろを御覧なさい」

 

「ぇ・・・?」

 

 

 

 

 

 

言われて、一刀はゆっくりと振り向いていく

世界が、時間が・・・全てが、スローモーションで流れていくような錯覚

 

“わかってたさ”

 

微笑み、彼は思う

どうせこんなオチだったんだ・・・と

それでも、悔いはない

自分は、最期まで自由だったのだから

 

けど、だからこそ・・・と、彼は空を見上げながら思った

 

 

 

「空・・・お前が羨ましいよ」

 

 

 

見上げた先、何処までも果てしなく続く蒼天を見つめ

彼は微笑んだ

そして、呟く

目の前で物騒なモノを構え、ニコニコと笑う“軍神”を想い涙を流しながら

 

 

 

 

 

 

「俺の“サボり”・・・終わっちゃった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“さぁ御主人様・・・楽しい楽しい、お仕事のお時間ですよ?”

 

 

 

 

 

 

 

BAD END♪

 

 

☆あとがき☆

 

はい、どうも

今回も、僕は通常運転ですw

普通に書いてたら、普通にカオスになるのは仕様ww

仕方ないことなんですww

 

さて、良く考えたら一気に投稿とかむりだってw

でも、頑張って書いていますw

 

魏√をテーマにした短編、合わせて八本!ww

シリアスから始まりカオスカオス・・・シリアスで〆るというwwww

温度差で、むしろ僕が死にそうですwwwww

 

それでは、またお会いしましょうww

 

 

PS

これ、皆さんが気に入ったら続編書くかもwwwwww

 


 
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