No.208135

「小蓮と蓮華の三国時代の地方官僚ついてのお勉強講座」

Thyleさん

今回は前回の中央官制から地方官僚制に着目しより詳しくしました、
後漢から三国時代の地方官僚についての続編です。
これで、貴方も人生に役に立たない知識が広がります。

2011-03-26 00:48:09 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:2730   閲覧ユーザー数:2580

 

 

 

<小蓮と蓮華の三国時代の

  地方官僚ついてのお勉強講座>

 

 

 

 

 

 

           <はじめに>

 

 

               このお話は小蓮が立派な呉の公主(姫)になる為に

 

                国主 蓮華から様々な帝王学を学ぶお話です。

 

 

               さて今回は、三国時代の地方官僚ついての話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「シクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシク」

 

 

小蓮「カーズト、何時まで泣いているの」

一刀「これが泣かずにいられるか、

    何で俺まで小蓮の補習に付き合わなければならないんだ」

小蓮「あれ~カズト夫婦とは共に苦楽を過ごすものなのよ」

 

蓮華「チョットまった! 小蓮の妄言がいいとしてサクサク進めるわよ。

   前回の講義で地方官僚についての質問にあったので補習という形で講義をします。

   なお、軍事に関しましては魏の軍事組織で説明したので今回は省略させて頂きました」

一刀「・・・今晩の亞莎とのムフフな約束が。シクシクシク」

 

蓮華・小蓮「あぁー?カズト何だって?」

 

カズト「(ビクッ)何デモナイデス。補講を進めてください」

 

蓮華「それでは、コホン。まず官僚になる道には通過儀礼的に試験があります。この試験を

   『孝廉』と呼び、

   大抵の三国志に出てくる英傑の殆どはこの試験をパスして官僚になっているの

   この孝廉を詳しく説明すると

 

 

 

                    『孝 廉』

 

 

 後漢時代に最も重要とされた官吏登用制度の名称。

漢代には既に科挙の原型らしい制度。またの名を「選挙」といわれるもので

『賢良、方正、直言、明経、有道、茂才、孝廉』などの徳目を多く持った人

物を郡や州の太守、中央の大官が推薦すると言う制度だったの。

 

後漢の光武帝はこの徳目の中で孝行で清廉を最も高く評価したところから

清廉が徳目の首位に置かれ、孝行で清廉な人物が官吏任用の第一条件となったとされるの。

しかし、後漢末期では賄賂が横行して品行清廉な人物は世に出づらくなったとも言われているの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮華「ではここからが本題の地方官僚だけれども、

   よく話に出てくる『刺史』・『州牧』・『太守』

   について説明すると

 

 

 

                   

 

 

 

 

                    『刺 史』

 

 後漢時代、中国全土は十三の州に分割されていた。

もともと刺史は地方の行政官ではなく、その州の郡や県の役人

の成績を考査し、朝廷に報告する役目だった。

 

 

                           

                  『牧』又は『州牧』

 

 

その州を支配する『太守』で軍権を持った官僚。 

軍権を持った刺史は特に 『州牧』 と呼んだのよ

 

 

蓮華「よくゲームでは太守が行政庁のトップになっているけど

   その理由は、後漢の末期になると『刺史』から『太守』に

   取って代わり州を支配するようになったの。その太守というのは・・・」

 

 

 

                     『太 守』

 

 

 郡民統治。官吏推挙。犯罪取締を役目としている。

中国では州・郡・県・郷という行政単位の中で

『州』又は『郡』の長官的役割をしていたの。

 

初期の太守には軍権は持たないものとされ、時代が

混沌となると『牧』のような太守も出現するようになるの。

 

この太守の配下には補佐役として『郡丞』・『別駕』・『主簿』などの下級官僚を従えていたの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この地方官僚組織を説明していくと、身分の高いものから順に説明していくと

 

 

 

 

                    『都 尉』

 

 

 

郡の治安にあたる役職

 

    

                 『侯国相』又は『相』

 

 

 

職務は県令と同じで侯の爵位を持つものの領土を預かり統治する官

 

 

 

                     『郡 丞』

 

 

県・侯国の次官で文書・倉庫・獄などを司る役職

 

 

 

 

                     『別 駕』

 

 

 

刺史の補佐官。副官的存在。『別駕従事』ともいう

 

 

 

                     『治 中』

 

 

公式文書を統括して担当。『治中従事』ともいう。

 

 

 

                     『主 簿』

 

官吏の監督。文書審査担当。

次第に幕僚長的存在に変化。

御史台・郡県に置き、広く各府・郡国・将軍府に置いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    

 

 

 

 

 

                     『県令・県長』

 

 

 

一万戸以上(大・中規模)の県の長官を『県令』。

 

一万戸以下(小規模)の県の長官は『県長』。

 

県には長官の下に県丞と県尉がいて、県丞は文書行政(役所の次官)、

県尉は軍事、警察等を担当した役職。

 

 

 

 

                   『帳下督』『長史』

 

 

 

管理下の官吏(軍・警察)の本営取締り監督

 

 

 

 

                      『督 郵』

 

 

管轄下の県を監察する役人。

 

 

 

                      『功曹史』

 

 

選挙担当。功績査定担当を受け持つ。

 

                      『亭 長』

 

 

 

十里ごとにある宿場の役人。

前漢の太祖 劉邦がなっていた役職でもあるの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      『三 老』

 

 

郷(村)の教化を司る郷の有力者の3人の長老。

 

                       

 

 

                      『里魁・里正』

 

 

郷の下にある里の長。村長

 

 

 

                      『有扶史』

 

 

五十戸ごとに一人置かれた村役人。

県の下にある郷で行政、裁判などを行う。

 

                     

 

                      『嗇 夫』

 

 

 

村の徴税と裁判を受け持つ。

 

 

 

 

                      『游 激』

 

 

 

村の警備・巡査。

 

 

 

一刀「小さい邑でも行政組織ができていたんだな」

小蓮「そうなのカズト、だから上が戦乱で混乱していたとしても

   下が整然としていたことからその地の有力豪族を懐柔すれば

   支配することがたやすくなったの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮華「刺史・州牧と同じ権限だけど首都などの

    特殊な地域をまもる官僚は別の名称があるの下記のがそれよ」

 

 

 

 

                 『司隷校尉』、『西域都護』

 

 

 

首都及び近郊の治安及び朝廷官吏(皇族を含む)の不法を取り締まる。

同時に首都のおかれている州の刺史の役を担う。

 

 

 

 

                     『河南尹』

 

 

司隷校尉の下で実際に首都のおかれている郡(河南)を治める首都圏長官

 

                     『京兆尹』

 

長安近郊の県を統治する。

長安が首都の場合は宰相クラスであるが洛陽に首都が移され

てからは地位が下がってしまったの。

属官として丞が二名つき、長安市令(市場管理)長安厨令(食料市場管理)などが就くの。

 

 

 

 

 

小蓮「あと、あと、

   質問にあった『軍師中郎将』だけど、

   ただの『中郎将』は前漢では光禄勲(郎中令)に属し、

   宮殿の門戸を守り戦時には戦車や騎兵に充てられる中郎を統率する役職だったの」

 

 

蓮華「そうここで出る『軍師』という名称が混乱をする原因で

   よく『軍師』と言えば謀や策を考える文官をイメージするけど、

   正式に軍師が職種となったのは魏の国で、その軍師のトップを『軍師祭酒』といったの。

   なお魏の国の初代軍師祭酒は郭嘉よ」

 

一刀「では蜀漢の『軍師中郎将』や『軍師将軍』はどんな意味があるの」

蓮華「三国志学会の石井仁先生の研究では、

   蜀漢の『軍師』は正規軍内での『秩序を示す行官』という独自の官制に位置する

   武官職のひとつであり、 宰相に次ぐ地位にある人物が任命されていたという説があるの。

   まあ、実情は未だ謎なんなのよね」

 

 

小蓮「アッー!オネーサマ大変よ!カズトが居ないわ」

 

蓮華「小癪にも。亞莎のもとに走るなんて・・・・思春、思春」

 

思春「ハッ!お側に」

蓮華「一刀を捕らえに行くわ。付いてきて・・・」

 

 

小蓮「ニッヒヒヒ、これにて補習は終了しました」

 

 

 

 

 

 


 
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