No.195331 真恋姫無双 おせっかいが行く 第二十一話びっくりさん 2011-01-11 01:11:29 投稿 / 全10ページ 総閲覧数:18691 閲覧ユーザー数:13567 |
「おーっほっほっほ。私が4代にわたって三公を輩出した名門の出、袁紹ですわ」
「妾が同じく袁家の袁術じゃ」
「ハァ・・・陳留の曹操よ」
ここは反董卓連合の本陣。此度の戦で名を上げん、または暴政の限りを尽くしている董卓を許すわけにはいかないと立ち上がった諸侯達が集まり、軍議を開いていた。が、軍議というには腹の探り合いばかりで何も決まっていないという体たらくである。ただの顔合わせと言っても間違いではない。とりあえず、自己紹介ということで先の三人が始めに口を開いたのであった。
「私は袁術の客将の孫策よ」
「幽州の公孫賛だ」
「その客将の劉備です」
「涼州の代表・馬騰の娘、馬超だ。訳あって母がこれない為、私がきた」
その後、諸侯らの紹介になったが、袁家の二人は特に興味がないとばかりに紹は自分の髪をいじりだし、術は側近の張勲に蜂蜜水をねだっていた。やがて、紹介が終わると、連合の総大将を決めることになる。
「やはり、連合を率いるにはそれなりの家柄、器、軍勢が必要ですわね。この中にそれらを併せ持った人はいまして?」
そういわれると当てはまる者は限られてくるだろう。が、その当てはまる者達も約一名を除いて皆やる気がない。そんな責任持てないと思っているだろうし、こんな茶番に付き合ってなんていられないと思っている者もいるだろう。だからといって、やりたがっている者、ぶっちゃけ袁紹にやってみろと言ったら、面倒ごとを押し付けられるだろうから言い出せない。自軍の損害が大きくなり、メリットがないのである。よって、ここは沈黙が支配する。一方、総大将にやる気を見せている袁紹だが、自分でやりますと宣言するのもどうかと考え、他人からの推薦を待っていたりする。よって、しばらくは無言の時が続くのであった。
・・・
「袁紹さんでいいんじゃないですか?」
その沈黙も一人の将によって破られた。その一人とは劉備である。思わずといった様子もない。隣にいた公孫賛も反対側にいた軍師の少女も驚くことはなく、小さく頷くのみであった。この一言により、気分が良くなった袁紹はこうのたまう。
「お~っほっほっほ。それでは、劉備さんには・・・そういえば、地味な白珪さんの客将でしたっけ?なら、白珪さんには映えある前衛にして差し上げますわ」
こうして、彼女達は前衛を命じられたのであった。
これは、そんな連合とは関係ないところで動く、おせっかいの物語である。
「相手は弱者から強奪するしかない烏合の衆、恐れるものは何もない・・・突撃せよ!」
「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」」」
「落ち着いて。前衛を援護します。構え!」
「「「「「「応!!」」」」」」
「てぇ!」
「「「「「「はっ!」」」」」」
豫州制圧を目標とする白士軍。寿春を制圧し、北上。現在は譙を攻略中であった。符儒の予想通り、諸侯の目が董卓に向いていると知った賊の動きは活性化していて、蹴や紫苑が出撃する回数が増えている。ここにきて、武官不足が問題となりつつある白士軍、がそう簡単に指揮官を任せられる武官など手に入るはずがない。今は、将が育つのを待つしかなかった。
「次の許昌を制圧したら、しばらく防衛に専念する?」
「ええ、武官不足なのは知っていますね?そろそろ兵も将も疲労が溜まっている頃でしょう。そこで、一旦小休止という形で防衛に専念しようと思います」
ここは汝南の執務室。一刀と符儒は最近手に入れた寿春の政務をこなしつつ会話していた。問題はやはり武官不足による兵達の疲労についてだった。兵を率いる武将が少ない為、部隊をわけるわけにもいかず、結局は同じ部隊に何度も出撃を頼んでしまうことになり、兵も将も疲労が溜まってしまう。そこで、防衛に専念することで移動をなくし、休ませることにしたのだ。賊の討伐を行ってきたおかげで、この当たりで略奪行為をする輩が減ってきたという成果もあり、防衛に専念すれば休ませることが十分可能であるとの考えもあったから。一刀も符儒の言うことに全面的に賛成を示す。何せ、紫苑が忙しくて寂しそうにしている璃々を見ていたから。なんとかしてあげたいと思っていたときに、この提案がきたので喜んで飛びついたのであった。
「みんな~。元気してる~?」
「「「「「してる~!!」」」」」
「私達の歌を聞きたい~?」
「「「「「聞きた~い」」」」」
「私達と一緒に盛り上がりましょ~?」
「「「「「ほあ!ほあ!ほあああああああああああああ!!」」」」」
ここは汝南、寿春、譙の都市の中央に位置する場所。今回はここで歌三姉妹によるライブが行われていた。というのも、各都市で行っていたライブも好評で、同じ豫州の都市ということもあり、他の都市からもライブを見ようと訪れる人もいるのである。必然的にライブを開催する度に人が増え、もはや都市の中でライブを行うには場所が狭く、入場制限をしなければならなかった。だが、そのことで苦情も増えてしまった。そこで、その三都市から距離が等しい、この平地に大きなライブ会場を造り、狭さと苦情の問題を解消しようというわけである。幸い、どの都市でも好評だった歌三姉妹のライブの為に、大きな会場を造りたいという願いに三都市が快く協力してくれたことはいうまでもない。こうして、今回のライブはいつもよりも大きなイベントとなっていた。
『これより、衣装替えを行う為、10分の休憩とします』
「今のうちに厠へいっておくか」
「そうだな。歌に集中する為にいっとこうぜ」
「ああ、やっぱかくちゃん達の歌は最高だな」
「同感だ」
休憩に入った後の観客の意見である。今回のライブも好評のようであった。一方、衣装を替える為、楽屋へと戻ってきた姉妹も興奮を抑えきれない様子だった。
「時間があまりあるわけじゃないし、さっさと着替えましょ」
「うん♪でも、今日はすごいよね!!」
「人は多いし、会場は大きいし。これもちぃ達の実力よね!」
「うん・・・夢だったもんね。こういう大きなところで大勢の人達の前で歌うって」
「そうだね~。夢みたい・・・今、すっごく楽しい♪」
「何いってるのよ。二人とも。私の夢はもっと大きいんだから。こんなんじゃ満足しないわよ。いずれはも~っと大きなところでも~っと大勢の前で歌うんだから!!」
「ふふっ、そうだね」
「ええ、そうね」
「ほら。そろそろ時間がないわよ。さっさと着替える!」
「「は~い」」
再び歌う為、彼女達は着替え始めるのであった。
「ねね・・・準備できた?」
「ばっちりなのです!いつでもいけますぞ!!」
洛陽の一角で呂布こと、恋と陳宮こと、音々音が虎牢関へ移動しようとしていた。すでに汜水関には先鋒として華雄、張遼が派遣されている。洛陽により近い虎牢関に配備される為、彼女達より遅れての出陣になっている恋と音々音。
「行ってくるね。セキト」
「ワンワン!!」
「大丈夫なのです!恋殿は最強なのです!連合軍なんて軽く蹴散らして帰ってくるので、心配無用ですぞ!」
「あの子達のこと・・・お願い」
「ワン!!
「張々もセキトと一緒に頼むのです!」
「ワン!!」
それぞれの愛犬に挨拶とお願いをすると、恋を戦闘に移動を開始する呂布軍。そんな部隊を見送った愛犬は一つ大きく鳴くと自分達の家へと戻るのであった。主人のお願いを守るために。
「月・・・やっぱり恋の家で隠れましょう」
「ダメだよ。詠ちゃん。みんな戦ってくれているのに私だけ隠れているなんて。そんなこと出来ないよ」
「全く、強情なんだから」
「ごめんね・・・でも、だからって詠ちゃんまで私に付き合ってくれなくてもいいんだよ?」
「何言ってるの?私は軍師なんだから。責任があるのよ。それに、月を放っておいて自分だけ逃げるなんて出来るわけないじゃない!月は私が守るんだから!」
「ありがとう・・・詠ちゃん」
ところかわって洛陽の宮廷では、儚げな少女と眼鏡をかけた勝気な少女が会話をしている。彼女達こそが、暴政を敷いていると言われている董卓と筆頭軍師の賈詡なのである。
本来なら、恋の家で一緒に隠れているはずの彼女は、己の責任感から宮廷に残り、最後まで戦を見届けるという強い覚悟を持ってそこにいるのであった。
「おお!壮観やなぁ」
「ふん。あの程度我が武で蹴散らしてくれる!」
「・・・そら、いくらなんでも無理やで?体力がもたんやろ」
汜水関の上で反董卓連合の軍勢を見下ろして呟いているのは華雄、張遼の2将である。先鋒として派遣されてきた彼女達は目の前の大軍を見ても絶望感にうちひしがれることなく見つめていた。
「これは・・・篭城しかないやろなぁ」
「なんでだ?打って出ればよいではないか?」
「アホぬかせ!あんな大軍に突撃かますとか、そんな自殺したいんか!!」
「我が武にて打ち破ればいいだろうが!!」
「打ち破れるかい!!あんな大勢を相手に体力がもたんし、第一向こうにも強い武人が何人かおるんやぞ?一度だけの一騎打ちならともかく、一騎打ちの連戦なんて連勝どれだけすればええねん。いつか負けるで!!」
「そんなわけあるか!私に勝てる者など、そんなにいない!!」
「そのそんなにの内にいる者があっちにもおったらどうするんや!ちったぁ考えんかい!!」
華雄のあまりにも考えなしな言動で熱くなる張遼。彼女には戦いの前から懸念事項が課せられてしまったようである。その懸念事項である本人には全くの自覚がないので、困ったものであるが、なまじ実力があるので言っても聞き入れそうもない。思わずため息が出るのを抑えられない張遼であった。
「ん?おい、張遼・・・」
「ハァ・・・って、なんや?」
「奴らが動き出したようだぞ」
「なんやて!?」
華雄の言葉に連合軍に視線を向けると、確かに陣形を整えるように動きこちらに進軍を始めた大軍。張遼は今までのどこか抜けた気を引き締め、戦の準備を始めるのであった。
「総員!戦闘態勢を取れ!敵が攻めてくるでぇ!!」
今、大きな戦が動く。
「では、桃香様。行ってまいります」
「うん、気をつけてね」
「はっ!」
先鋒を任された公孫賛軍を筆頭に、連合軍が進攻を始める。連合軍の前に聳え立つは猛将華雄と神速の張遼が守護する汜水関。ただでさえ、兵数の少ない公孫賛軍がこのまま正面からぶつかってしまえば敗北は必至。先鋒が大敗すれば、連合軍全体の士気にも関る為、絶対に負けられない。そこで、劉備の軍師である諸葛亮、鳳統の二人がたてたのは相手を挑発し、関からおびき出すことによる敵の殲滅であった。そして、その挑発役を任されたのが軍神、関羽なのである。彼女は悠々と兵達の前へ歩み出ると、凛々しく堂々とした態度で叫ぶ。
「我が名は姓は関、名は羽、字は雲長。劉備が一の家臣である。我、武に覚えあり、そちらの将との決闘を申し込む!我こそはと思う者は挑戦してくるがよい!」
まずは軽く自己紹介からの決闘の申し出。もちろん、篭城する相手にそんな申し出をしたところで受けるはずもない。当然、関羽の言葉に反応など返ってこない。それは簡単に予想できたことであった。そこで、次の言葉である。
「どうした?誰も挑戦せぬか?そんなに私が怖いか!!まぁ、関に引き篭もっている連中だからな。我が武に恐れをなして、墨でガタガタ震えていても仕方あるまい!!」
張遼はともかく、華雄は己の武に自信を持ち、プライドも高いと聞いている。そんな彼女に武人として侮辱同然の言葉を次々と言い放ってしまえば、我慢できずに飛び出してくるだろう。そこを迎え撃つ。これが二人の軍師がたてた策の内容であった。そう、どちらか一方の部隊に損害を与えてしまえば相手の士気は落ち、こちらの士気は上がる。後は、勢いに乗って汜水関を攻めれば攻略出来るだろう。兵の少ない公孫賛の軍に出来る唯一の策であった。
「放せ!放せ、張遼!!」
挑発の効果は絶大だった。今にも飛び出さんとする華雄を後ろから破戒締めでとめる張遼という図式が出来上がっていた。
「あかんて!うちらの役目はここの防衛やっちゅうねん!出ていったらどうやってここを守るんや!!」
「そんなこと、我が武で敵を蹴散らせばいいだろうが!!」
「だから、何度も言うてるやん。無理やって!!そないなこと出来るわけあらへんやろ!!」
「うるさい!あんなこと言われて武人として黙っていられるか!!お前は悔しくないのか!!」
「うちかて悔しいわ!でもな、あれは明らかに相手の策やで?そんなんで出たらみすみす自分から網に掴まりに行くようなものや!我慢しぃ!」
「知るか!この屈辱は絶対に返す!邪魔をするなぁ!!」
強引に張遼の拘束から脱出すると、自分の相棒を担ぎ命令をとばす。
「華雄隊出るぞ!奴らに受けた屈辱を数倍にして返す!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」」
「行くぞ!突撃ぃいいいいいいいいいいいいいい!!」
華雄の号令に部隊の兵が大きく猛る。彼らも立派な武人であった。その気迫を乗せて、華雄隊は連合軍に向けて突撃するのであった。後ろで華雄に向けて悪態をつく張遼を背にして。
「ったく、付き合ってられんわ。張遼隊。虎牢関まで引くで!!」
武人ではあるが、冷静に物事を対処出来る張遼は瞬時に思考を切り替えて撤退命令を出した。出撃してしまった今、最早堕ちるのは時間の問題である。そう考え、一度後方へ下がり、態勢を整えて迎え撃ったほうが良いと判断したのだ。
「出たか・・・」
華雄がうって出てきたのは公孫賛軍も確認できた。静かに先頭に出る関羽。ここにいの一番に来るだろう華雄を返り討ちにする為に。
「いいな~。愛紗いいな~」
「我慢しろ。では、愛紗。気をつけるのだぞ」
「ああ、行ってくる」
怒りの形相でこちらへとつっこんでくる華雄を見つめ、関羽が己が武器を握り締める。後ろから張飛と趙雲の言葉を受け、少し微笑むと再び表情を引き締めたからかに宣言した。
「我が名は関雲長!董卓軍の将、華雄とお見受けする。貴殿に一騎打ちを申し込む!」
「望むところだ!我が武を侮辱した貴様は万死に値する!さきほどの言葉を後悔して死ぬがいい!!」
「それが貴様に出来たらな・・・」
「また我を侮辱するか!!貴様ぁああああああああああああああ!」
「はぁあああああああああああああああ!!」
勝負は一瞬でついた。互いの渾身の一撃は片方が空を斬り、片方が肩から腹までを斜め一閃に切り裂いたのだ。武器を取り落とし、ゆっくりと倒れ伏す華雄を振り返ることなく愛紗は叫ぶ。
「敵将!討ち取ったりぃいいい!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」
「いまだ!全軍突撃ぃいいいいい!」
「鈴々に続くのだ!!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」
一騎打ちに勝利し、士気が上がった公孫賛軍。その勢いのままに趙雲の号令の下、張飛を先頭に汜水関に侵攻を開始した。味方の将が討ち取られ、指揮官が不在になった汜水関が攻略されるまでそんなに時間を要することもなく、一刻もしない内に攻略に成功するのであった。
「見事ね」
「見事だな・・・」
「少数のあの軍にはああするしかなかった」
「相手の性格を見極めた策、見事としかいいようがない。今後は要注意だな」
「ええ、少数だけど。良い将がいるわね。油断してるとやられるわ」
公孫賛軍の戦いぶりを見て、孫呉の王と軍師がそう評価した。問題を挙げるとすれば、兵の少なさであるが、それを克服したとき自分達の目的に対して大きな障壁になると思ったのだ。そして、もう一つ、彼女らを評価している人物がいた。
「見事ね・・・」
「はい。我が軍だともっと選択肢がありますが、あの小さな軍ではあれが唯一の策かと」
「そうね。でも、あの関羽といったかしら?あの武はなかなかのものよ。さらにあの美貌・・・・欲しいわね」
「華琳様ぁ・・・」
「ふふっ、今は時期じゃないわね。いずれは私のものになるのだから焦ることはないか・・・」
曹操はそう笑いつつも、関羽から目線を離すことはなかったのであった。一方、損害はごく一部、ほぼ無傷で難関、汜水関を攻略した公孫賛軍。この戦によって公孫賛、劉備の名は上がった。それに焦りを見せたのは二つの袁家である。ただ単に、自分は手柄がないのに公孫賛軍にだけ手柄があるのが我慢できないだけなのだが。その焦りがこの後、とんでもないことになるとは欲に忠実な袁家の二人には考えられないことであった。
「次は私の軍が先鋒を務めますわ。先の戦いで手柄を得た白珪さん達後曲で待機していて下さいな。心配は無用ですわ。難攻不落だかなんだか知りませんが、我が軍はとめられなくってよ。お~っほっほっほっほ」
「妾も手伝ってやるのじゃ」
というわけで、両袁家が先鋒を務めることになり、連合軍は次の場所、虎牢関へと進攻するのであった。
「ぐが・・・・董卓・・・様・・・」
連合軍が進攻を開始して、誰もいなくなった汜水関。否、命あるものはいなくなったである。先の戦いで命を落とした屍がそこらに転がっている。そんな中、ひっそりと息をしている一つの影。
「お逃げ・・・くださ・・・い。董・・・卓さ・・・ま」
それは先の一騎打ちで愛紗に討ち取られたはずの華雄である。彼女は重症ではあるものの、行軍している兵達に踏みつけられたこともあったが、なんとか絶命せずに済んでいた。だが、血はとまらず傷の手当てもしていない現状では残り僅かな命と言えよう。
「はっ!!怪我人の気配を感じる!!」
とある森を歩いている男性が突然何かを感じ取った。その男性と一緒に歩いていた二人の人物はその男性の突然の奇行に動じもせず、むしろ微笑んでさえいながら眺めていた。
「あら?何かあったの?」
「近くに怪我人の気配がある・・・・こっちか!」
どうやら、近くに怪我人がいることを察知したらしい。目を瞑って集中したと思ったら、くわっ!っと効果音が聞こえてきそうな程、大きく目を見開いて叫んだ。
「うおおおおおおおおおお!待っていろ、まだ見ぬ患者よ!この俺が絶対に治してやるからなぁああああああああ!!うおおおおおおおおおおおおお!ゴッド・・・ヴァイドオオオオオオオオオオオオオ!!」
己の魂からの熱い叫びを上げつつ、その男性は感じとった方角へと駆け出していった。これにはさすがに慌て・・・ていない同行者。
「あらあら。はしゃいじゃって」
「がっはっは。オノコはこういうところがいいのぅ」
「そうね・・・・ぶるぁああああああああ!!」
「どうしたのだ?」
「ご主人様の気配を感じるわ!こうしちゃいられない・・・待っててねぇ~ん♪ごっ主人っ様ぁ嗚呼あああああああああああああああああああん!!」
ふんぬー!と筋骨隆々の巨体を唸らせ、その人物は先に駈けていた男性に追いつくと並走し始めた。取り残された同行者は苦笑を浮かべて後を追い始める。
「やれやれ・・・あやつも十分はしゃいどるぞ」
新年一作目です。そして二十一話。
一が揃っていいですねw
今回、一刀君の出番が少なかったですね。本来なら、もっと先まで進める予定だったんですけど、連合軍と董卓軍の戦を書いていたら長くなってしまったので、ここで区切りました。
前回、みんな大好きあの人の登場といいましたが。
答えは・・・。
名前は出してませんけど、熱い魂を持ったお医者さんですw
正解した人はいますか?
残念ながら、賞品はありませんが・・・。
では、今回はもう一作投稿しているので短いですがこの編で。
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新年一作目です。
やっぱ、最初はガツンといったほうがいいと思いましてw
では、本編をどぞw