No.183618

D.C.Ⅱ ~Another conclusion drawn in the remaining time low~ 第1話

FESさん

桜内義之と朝倉姉妹のもう一人の幼馴染。

久しぶりの帰郷の理由とは・・・

2010-11-09 21:30:27 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1485   閲覧ユーザー数:1443

「久しぶりだな。」

 

目的地が、ようやく船から目視できるようになった。

 

一年中枯れない桜があって、その桜はどんな願いでも叶えてくれる。

 

そんな桜が咲いているのは、我が故郷

 

ー初音島ー

 

幼いころに島をある理由で出てから、まさかこんな理由で帰ってこようとは。

 

『余命一年』

 

それは、幼いころから心臓病を患っていた自分への残された時間。

 

一時はなぜか病状は安定し、見違えるほどに元気になったのだが、

 

ここ数カ月で再発し、余命宣告を受けた。

 

そこで、自分が出した結論が初音島への帰還。

 

残りの一年を今まで離れていた家族と過ごそうと思ったのだ。

 

大人だけど子供みたいな母さん 芳乃 さくら

 

口癖が「かったるい」の弟 桜内 義之

 

いつも必要以上にお姉ちゃんぶる義姉 朝倉 音姫

 

そして、最も愛する義妹 朝倉 由夢

 

あいつらはげんきかなぁ。

 

と思いをはせながら船は故郷へ到着する。

 

『初音島に俺は帰ってきた!!』

 

某ロボットアニメのア○ベルガ○ーよろしく、お決まりのセリフを言ってみる。

 

まあ、一人でこんなことをしてても、周りからは冷たい視線しか感じないのだが・・・

 

一先ず、いつまでも船着き場に居る訳にもいかないので、移動することにした。

 

目的地はやっぱり、枯れない桜。

 

あれを近くで見ないと、帰ってきた気がしない。

 

季節は冬。建物の外に出るときは上着が欠かせないこの時期。

 

初音島は潮風が多いため余計に寒い。

 

しかし、そんな気配全く感じさせないような桜色。

 

「しっかし、ここはかわんねえなぁ。」

 

幼いころ、島を出ていく直前に『とある願い事』をしにきて以来の光景。

 

古い記憶にあるとおり、季節外れの色に身を染めた命たちが、初音島特有の潮風

 

に身を任せ漂っている。

 

「無駄かもしんねぇけど、もう一回願っとくか。」

 

この島一番大きな桜の前に立ち、『数年前と同じ願い』を、もう一度願ってみる。

 

まあ、叶わないかもしれないけれど、消えかけの灯火が少しでもしぶとく存在できる

 

なら、願わないよりましだ。

 

ザァァァァーーーー

 

桜に手をつき願った瞬間、一陣の風が通りぬけ桜がざわめいた。

 

「この願いが叶ったか否か・・・まあ深く考えてもしゃあねぇ。さてと、久しぶりの我が家に帰る

としますか!」

 

体を反転させ、家族が待っている芳乃家へと向う。

 

数年ぶりの対面が待ち遠しく、少しずつ速足になるのだった。

ーSIDEさくらー

 

今日は早めの帰宅。

 

学園の仕事が早く終わったから、僕は家でまったりすることにした。

 

今義之君が夕ご飯の支度中。

 

夕ご飯ができるまで、こたつでぬくぬくしているつもりだったけど、

 

ーピンポーンー

 

不意に来訪者を告げる音色が聞こえた。

 

この時間帯、音姫ちゃんや由夢ちゃんだったら、そのまま上がってくるはずなのに、この音が聞こ

 

えるなんて珍しい。

 

「さくらさん。すいませんけど、でてくれますか?」

 

手の離せない義之君の声が台所から聞こえた。

 

「うにゃー、しょうがないなー。」

 

まだ、冬の風物詩で暖まっていたかったが、生憎義之君の手がふさがっているため、自分が行くし

 

かないようだ。

 

ーピンポーンー

 

再びあの音色が聞こえる。

 

「はいはいーいまいきますよー。」

 

もしかして宅配便かな?と思いながら玄関を開ける。

 

そこには、島の外に居るはずの最愛の息子がいた。

 

ーSIDE OUTー

ーピンポーンー

 

自分の家に帰ってきたのに、呼び鈴を鳴らすのは、なんか複雑な気分。

 

しかし、誰にも告げずにやってきたため、不法侵入になりかねない。

 

明かりがついてるし、誰かいるだろうと思いつつ、もう一度スイッチを押す。

 

ーピンポーンー

 

もう一度、スイッチを押してみる。

 

そして、

 

「ちわー、三○屋でーす!」

 

なんて、サ○エさんネタをひっぱりだしてみる。

 

「はいはいーいまいきますよー。」

 

と、中からかわいらしい声が聞こえてきた。

 

ガラッと横引きの扉が元気よく開けられた。

 

そこには、今も変わらずおさな・・・ゲフンゲフン

 

若い母、芳乃さくらが居た。

 

「ただいま。母さん。」

 

さくらに微笑みながらそう告げた。

 

「お帰りなさい、六斗くん!」

 

ドン、という衝撃とともに、母さんが飛び込んできた。

 

「どうして、急に帰ってきたの?」

 

受け止めた俺の腕の中から、母さんが問いかける。

 

「まあ、いろいろとね・・・・こんなとこで立ち話もなんだし、中に入ろうぜ。」

 

「そだね。ちょうど夕ご飯の準備を義之君がしてるから、一緒に食べよう。」

 

母さんと一緒に家に入る。数年ぶりの自分の家は、まるで他人の家みたいだった。

 

ほとんど、病院で臥せっていたため、時間感覚がどうしても狂ってしまう。

 

本当に長い間、故郷を離れていたんだなと実感した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、さっき失礼なこと考えなかった?」

 

意地悪な笑みをこちらに向ける。

 

「ハハ、ナンノコトヤラ・・・」

 

内心冷や汗をかきながら、目をそらす。

 

妙な所に鋭いんだから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どもっFESです!

 

第一話書いちゃいましたのでうpします。

 

文章を書くスピードが遅いので、ちまちま書いてます(笑)

 

てか、ほぼ毎日最近仕事終わるんが夜九時まわるとかないわー

 

執筆時間プリーズ・・・


 
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