あたしの歯には型番が刻印されている。
全ての歯に番号が彫られていて、それぞれに役割が決まっている。
どういう順なのか、その順列に意味はあるのか、あたしにもわからない。
バラバラなようでいて、それ以外の番号ではしっくりこない。そんな順。
1ははりきり屋さん。
2は努力家。
3は独り狼。
4は甘えたで、5は無気力。
6はなくて、7は孤独。
そんなの知らなかったでしょう?
いつからあるのか、誰が彫ったのかはわからないけれど、気がついたらあった気がするから、きっと生まれる前から番号は決まっていて、お母さんのおなかの中で歯ができたときには、当たり前のようにあったんだと思う。
生まれてから毎日ずっと一緒で、がんばってくれているけど自分じゃ見えないから、普段意識することがなく、忘れていることが多い。
地下にあるわけでもないのになぜかいつも緑暗いシャワールームで、鏡を見るたびに思い出す。
家で、会社で、外で、何気なく会話したり笑ったりするときにその数字が見えているのかと思うと、少しはずかしい。
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歯はなにでできているのかというイメージ