No.129356

魔法少女リリカルなのはF~シナリオストーリー番外編②

そーじさん

前回のあらすじ:なのはが魔法少女だというのは、既に家族に知られていた。しかもなのはは魔導師の一族であるリリカル族の血を引いてることが明かされた。困惑するなのはだが、突然、時空管理局アースラ艦長・リンディ提督が現れ…

2010-03-11 03:03:30 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:865   閲覧ユーザー数:821

 リンディが説明を始める。

「私たち時空管理局の本来の目的は『時空の歪み』から時空世界を守ることなのよ。そもそも『時空の歪み』とは、時空間に存在するいくつもの平行世界<パラレル・ワールド>の一つが膨張し、時空のバランスが崩れて他の世界をも破壊してしまう…挙句にはそう、この地球もね。」

「何だかよく分からないけど…世界が終わっちゃうことなの?」

「簡単に言えばそうね。でもその『時空の歪み』の原因となる世界がどこにあるかが分からないの。それが見つかるのが遅れたばかりに、リリカル族の領土は失われたのよ。各地で発生している時空犯罪は『時空の歪み』から生じたものだそうなのよ。今回の事件(プレシア・テスタロッサ事件)もそのひとつ…」

「この事件が解決すれば『時空の歪み』は見つけられるんですか?」

なのはがリンディに質問する。

「時空犯罪をパズルを並べるように解決してゆけば、たどり着けることができる…何年かかるかは分からないけど。」

「そうかあ…かなり複雑なのですね。」

「なのはさん、この『時空の歪み』を封印する鍵となるあなたの魔力は強大であり、それにまだ未知数だわ。あなた自身も気持ちと使い方次第で時空の未来は左右される。私たち時空管理局も、あなたの魔法を正しく使えるように全力でバックアップするわ。だから決して無茶はさせないし、無茶をしないで。」

「リンディさん、私…どうすれば。」

 いくら強大な魔法を手に入れたとはいえ、その持ち主はまだ9歳。とてもそんな大それた使命を背負うには重過ぎる。目が曇るなのはに姉・美由紀が声をかける。

「そうしたら先ず…なのはにできることからやればいいんじゃないのかな?」

「私にできること…」

「そう、なのはにしかできないこととかね。」

「そうだ、あの娘…フェイトちゃん。」

 なのはが先ず思い浮かんだのは、事件の首謀者であるプレシア・テスタロッサに操られる娘・フェイトの悲しそうな顔であった。あんな悲しそうな顔をする彼女を救ってやりたい、お話をしてみたい、そして友達になりたい…そうなのはの思いが眼に浮かんだ。

 

「恭也、なのはは?」

 風呂から今、出たところの士郎が恭也に尋ねる。

「道場にいるよ。突然舞い降りた運命の大きさに戸惑ってるんだろう。」

「9歳の割にはしっかりしてるとはいえ、やはり重過ぎるんだろうな。」

「でも俺達は、俺達の先祖はそんな数奇な運命と戦ってきた。なのはも決して例外ではなかった。」

「時空の歪みか…もしかして俺達がこうして生きてられるのも『時空の歪み』によるものかもしれんな。」

「父さん…」

「なのはの魔法は時空管理局のサポートが必要になるくらいのレベルだそうだ。魔法に目覚めた今となっては、もはや管理局に委ねるしかない。魔力を持たぬ俺達にできることは、この世界の家族や友人を守ること。そして…なのはを信じること。」

 そう言いながら父・士郎は娘・なのはを励ましに道場に入った。

 

 道場の中で正座中のなのはに士郎が声をかける。

「決心はついたかい?」

「お父さん…」

なのはは重い口を開く。

「私…『時空の歪み』とかリリカル族の使命とか、まだよく分からない。でも、それよりも…」

「それより何だい?」

「私、ある女の子と戦ってるの!でもその子はとっても悲しそうな顔をしてるの。なのは、そんな子とは戦いたくない、その子とお話したい。でも話そうとするとぶつかってくる…お話しするのには戦わなくちゃいけないの?」

「なのは、アリサちゃん達と初めてお友達になれた頃を覚えてるかな?」

「アリサちゃん…」

 なのはが小学校1年生の頃、アリサがすずかをいじめていたときに、すずかを助けようと割って入ったなのはと取っ組み合いの大喧嘩をする。その後、3人は話し合いやがて解り合えて友達になれた。

「そうか、私とアリサちゃんがぶつかり合った後にすずかちゃんと3人でお話したら、お互い解り合うことができて友達になれたんだ…」

しかも娘の喧嘩騒ぎで呼び出された士郎とアリサの父・デビットも、知り合った際に趣味が同じサッカーだったことで気が合い、以来親友となったというおまけ付きだ。

「人間、何かを成し遂げるには、そこに立ちはだかる壁を打ち破らなければならない。その子が作った心の壁が、なのはにとって打ち破らなければならない壁なんだろうな。その子とお話したかったら、当たって砕けることだ。もしかしてその子の心を開かせることが、なのはにしかできないことなんじゃないのかな?」

「そうか、そうだったんだ!」

父の言葉になのはは決心がついた。

「お父さん、私、使命がどうとかよりも、あの子を助けたい!そのために私…行くわ!」

「なのは…」

 士郎はしばらく沈黙した後、なのはにこう告げる。

「なのは、お前は一人じゃない。リンディさん率いるアースラの皆さんはもちろん、ミッドチルダにはお前と同じ魔導師がたくさんいるという。リリカル族の末裔達もまだ各時空世界に散らばっているそうだ。きっと『時空の歪み』を封印する仲間はまだどこかにいるんだよ。」

「なのはの他にも魔導師やリリカル族がいる…そうか…なのははいろんな人達とこれから出会っていくんだ。」

 

 なのはと共に戦う仲間達との出会いが、なのはを魔導師としてはもちろん、人間として成長させてゆく。その決意から6年後…アースラのバックアップを受けながら、なのはの魔導師としての活躍は続いていた。

 

つづく


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