No.125390

GSと狐が幻想入り 02

白亜さん

今日も多少時間があったので書いてみました。
ほぼ書きなぐり状態なので、お見苦しい所がありますが
ご容赦を(汗

最後のほうに二人の能力などを書いてあります。

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2010-02-19 21:50:06 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:13553   閲覧ユーザー数:11840

「ついた。ここが人里だぜ」

 

魔理沙に連れられてきた彼女の言う人里を見た瞬間、

二人はアゴが地上にフリーフォールしそうな程外れかかっていた。

物理的にありえない現象に冷や汗が出る魔理沙だが、ここに来るまでに

二人、特に横島の変さ加減はいいだけ見ていたので、とりあえずは落ち着いていた。

 

「え…江戸時代村…?」

 

「え?何これ?時代劇のセット??」

 

まるで過去にタイムスリップしたかのような場所に戸惑いを隠せない二人。

 

「もしかして俺達タイムスリップでもしたんか…?」

 

「やめてよね、もしそうだったら焼いてやるんだから」

 

「ほら、さっさと行くぞ?茶屋で何か食べながら経緯を聞かせてもらうからな」

 

大抵ここに初めて来た外来人は似たような事を言うな、と考える魔理沙。

ずんずん歩いていく彼女に逸れない様についていく二人。

時々里の人間が物珍しそうに二人を見ていたせいか少々居心地が悪かった。

 

5分も歩いただろうか、魔理沙が足を止めた場所は、

それこそ本当に昔の江戸時代にでもありそうな茶屋だった。

彼女の魔法使いの服装が同時に映ると異様にミスマッチに見える。

 

「茶屋に魔法使いって似合わないわね」

 

「そうか?気にしたもんじゃないって。おばちゃん、お茶と団子くれ3人分」

 

適当に座って待っていると団子とお茶が人数分並ぶ。

 

「食っていいのか?」

 

「あぁ。いつもなら奢ってもらう立場なんだけどな、サービスにしといてやるぜ」

 

「丁度小腹が空いてたのよね。頂きます」

 

3人でのんびりと茶を啜ったり団子を食べたりしていく。

暫くここから見える里について説明していく魔理沙。

そんな様子を見れば、彼女にしては珍しいと親友の巫女は必ず言うだろう。

 

「一応、ある程度妖怪と人間の間で調和は取れてるって感じなのね」

 

「ま、人里に居る限りは襲われねぇよ。でも珍しいな、ここの所めっきり外来人なんて

来てなかったのにな、今回の事は紫も関係なさそうだし」

 

「なぁ、魔理沙?」

 

「ん?どうした?」

 

「その紫ってのは女性なのか?」

 

「はぁ?いや、確かに見た目は女性だけど?」

 

その言葉に目が輝く横島。

具体的に言うとキュピーンっと言った所か。

 

 

「美人か!?美人だよな!?」

 

「ま、まぁ。見てくれは悪くないけど」

 

横島のあからさまな態度を見て頭の方に井桁を数個張り付かせるタマモ。

 

「紹介してくれなぶべらっ!?」

 

抉りこむようなフックが横島を急襲。

華麗なアーチを描いて車田落ちをする。

ちゃんと効果音を忘れない所を見ると、まだ余裕がありそうだ。

良い感じにズタボロというか、どう見ても致死量クラスの血がだくだく

流れているのだが、当の本人は気にしたもんではない。

流石に目の前のほぼ殺人事件を目の当たりにした魔理沙が

彼女にしては珍しく慌てたりしているのだが其処は横島。

一瞬で復活し魔理沙を驚かせている。

ちなみに同時に服も完全に治っている事が更に魔理沙を混乱させているのだが、

そんな事は欠片も気にせずタマモに詰め寄る横島。

 

ちなみにここまでの間の事を里の人たちは全力でスルーしている。

あんなバイオレンス極り無い場所には流石に誰も近寄りたく無いだろう。

茶屋の売り上げが下がりそうで涙目なおばちゃんが可哀想である。

 

「今一瞬鳳凰座の自称兄が見えたぞこらぁ!」

 

中の人ネタはよくない。

 

「ふんっ。変なことばかり聞くからよ」

 

「美人の事を無視なんて出来る男は男じゃない!!」

 

どーんと効果音と共にタマモに指を突きつけのたまう横島。

 

「そりゃ、多分アンタだけよ…」

 

「ある意味凄い奴だよな、お前…」

 

変に感心している魔理沙。

 

「とりあえず話を戻しましょ。横島?次横に逸れるような事したら…ワカッテルンデショウネ?」

 

「リョウカイイタシマシタたまもサマ」

 

視線だけで射殺せそうな威圧につい片言になる横島。

 

「ツ、ツヅケルゼ」

 

何故か一緒になっている魔理沙、余程怖かったのだろう。

暫し深呼吸した後、再び話し始めた。

 

「で、その紫。スキマ妖怪って言うんだけどな。詳しい事は今はいらないから省くぜ?

そいつが偶に何処からともなく外から人間や妖怪を引っ張って来る事があるんだが、

お前らはそいつに会って無いよな?」

 

頷く二人。

 

「んじゃ、アイツの線は外れるな。となると普通に迷い込んだ形か…」

 

「ここって入り込んだら抜け出せないの?」

 

「んー、確か博麗神社に行けば多分帰れるはずだな、霊夢…いや博麗の巫女が居るし

会って自分達が外来人だって言えば出してもらえるんだが…暫くは

其処に行くのはやめておいたほうがいいな」

 

「なんでよ?其処に行けば帰れるんでしょ?」

 

至極もっともな質問をするタマモ。

 

 

「さっき、二人で妖怪達とやり合ってただろ?

それも弾幕ごっこじゃなくて殺し合いでだ、今の幻想郷じゃ其れはご法度なんだよ。

弾幕ごっこ。正式な名称はスペルカードルールって奴なんだが、それで解決するのさ。

幻想郷内での揉め事や紛争を解決するための手段って感じなんだが、

基本的に弱い人間と妖怪が対等に戦う場合や、強い妖怪同士が戦う場合に、

必要以上に力を出さないようにする為のルールって奴だ。

それに勝利したものが相手に無理難題を押し付けられるのさ」

 

「それと何か関係があるんか?」

 

「大有りだ。博麗神社はさっきの道を通らなきゃいけない。

またあいつらに出会ったらまた殺し合いだ。

二人ともスペルカードも持ってないからな、勝負しようにも出来ないだろ?

作るのは簡単だけどな、何か特別なものが必要って訳でも無いし」

 

延々と薀蓄をたれる魔理沙に二人は疲れた表情をしながらも一応聞いている。

 

「ってな訳だ。暫くは人里で大人しくして置いた方がいいぜ?

無理に進んでまた戦いになったら今度こそ大変な目に会うからな」

 

「ってか、その巫女と知り合いっぽいし連れて来てはくれないの?

もしくは送ってくれるとか?」

 

「おいおい、基本魔法使いは等価交換なんだぜ?

今回奢ったのもここに連れて来てやったのも、私が見たことが無いような

攻撃方法をしてるのを見てて勉強させてもらったからこその対価なんだ。

これ以上は流石に無理だな」

 

「対価ねぇ…」

 

魔理沙の笑顔を見る限り、これ以上は多分無理だ。

魔法使い、というか彼女が対価として欲しがりそうなものは流石に持ってない。

横島のアレならば多分興味を引くだろうが、そんなほいほいと渡せる物でもない。

 

「ま、ここも馴れちまえば良い所だぜ?暫くは観光気分で楽しんでいけばいいだろ?

スペルカードルールのことや幻想郷の事を詳しく知りたかったら寺小屋に居る

慧音って奴を訪ねるといいぜ。アイツなら色々教えてくれるだろうからな」

 

「慧音さんって美人なのか!!」

 

「お前の頭にはそれしかないのかよ…」

 

流石にゲンナリする魔理沙。

彼女にこんな表情をさせる横島はある意味つわものだろう。

 

「ま、そろそろ失礼させてもらうぜ。分からない事はさっき言ったように

寺小屋の慧音とかに聞けば分かるだろ、暫く人里に居るならまた会うかもな」

 

そういうと箒に跨り空に浮かび上がる魔理沙。

 

「じゃあな。また会おうぜ!」

 

「ちょ!…あーあ、行っちまった」

 

一瞬で豆粒くらいになった彼女を見送る二人。

 

「とりあえずは…寺小屋でも探すか?」

 

「そう、ね。とりあえずここに来れただけでも感謝しておきましょ」

 

二人はとりあえず寺小屋向って歩き出した。

数分で迷い里の人に聞いて廻るが、さっきの殺人現場もどきのせいで

余り近寄ってくれなくて、聞き出すのに1時間ほどかかったのはお約束である。

 

――続く。

 

 

 

おまけ・妖怪録

 

可憐で激しい九尾の妖狐

 

タマモ -Tamamo

 

能力:『男性を虜にし自在に操る程度の能力』

危険度:小

人間友好度:並

主な活動場所:基本人里

 

彼の大妖怪『金毛白面九尾の狐』の転生体の少女。

復活してからまだ間もない為、妖力自体は小妖怪から中妖怪程度しかない。

能力も現在の妖力と生まれたてなせいで封印状態にある。

知能はかなり高く、既に高校生位の学力を持ち合わせているが、所々抜けている。

 

八雲 藍と同じ九尾を前身とするが、八雲 藍が妲己(だっき)の性質を

かなり強く持っているのに対し、彼女は玉藻前の性質を強く持っている。

(この世界観でのオリジナル設定です)

 

―目撃報告例―

 

・油揚げを食べている姿がとてもキュートだった。

(里の男性)

 

彼女の幸せの一つとも言える。八雲 藍との間で激しい戦いが巻き起こりそうだ。

 

・あのナインテールはどうやっているんだろう…物理的に可能なのか?

(匿名)

 

多分彼女の尻尾が変化したものだと思われるが、

実際にやると多分出来ない、というか出来なかった。

 

・常に赤い鉢巻をした男と歩いているわね。兄妹みたい。

(女性)

 

どちらかというと彼女が姉のような気がしなくも無い。

 

―対策―

 

特に警戒する必要はない。

彼女自体は人間の間で暮らしていたお陰か穏やかな性格をしている。

但し、お揚げとある男が絡む時だけは近寄ってはならない。

その狐火はあらゆるものをこんがり焼いてしまうだろう。

まぁ、直ぐ復活するので燃やされたい方はどうぞ。

 

 

 

 

 

永遠の煩悩少年

 

横島 忠夫 -Yokosima Tadao

 

能力:『あらゆる人外に好かれる程度の能力』

危険度:小

人間友好度:高

主な活動場所:人里

 

つーか彼は人間である。

焼かれても血だらけになってもすぐ復活してくるが、

あくまでも彼は人間である…多分。

此方に記載する必要性は無いが、身体能力…というか回復能力が妖怪並みな為

此方に記しておく事にする。

 

外の世界で退魔業を生業とする男性。

普段のおちゃらけた性格や見た目とは裏腹に、その戦闘能力は

大妖怪にすら匹敵するという(ある妖狐からのリークによる極めて正確な情報)

霊力を物質化させるという常識はずれな能力を使うのだが、

其れが彼の能力では無く、人外に好意を持たれるというよく分からない力を持つ。

効果は不明だが、多分妖怪や妖精などと友好的になれるという能力なのだろう。

 

―目撃報告例―

 

・里の女性を100人口説いて100人とも玉砕していた。見てて痛快だった。

(里の男性)

 

彼曰く、其れが俺のジャスティス!との事。意味が不明である。

 

・女性に飛びつこうとした瞬間に炎で焼かれたが、数秒後に無傷で復活していた。

(里の子供)

 

最早回復能力とかそういう次元を超えている気がする。

 

・子供達に人気があり、彼自身も子供達を可愛がっていたみたいだ。恐らく心根は良い少年なのだろう。

(寺小屋の先生)

 

女性が絡まなければ彼はとても器量の深い所を見せるところがある、その子供少し羨ましい。

 

―対策―

 

女性、特に彼と同程度か年上以外には無害である。

対象者にしても、大体の場合は敢行前にどつかれて終了するので気にする必要は無い。

というか、自分より下の子も気にしてほしい所ではある…悔しい。

 

最後に、忘れてしまいがちだが彼は人間である。間違えないように。

 


 
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