ゲストさん

No.123082

2010-02-08 10:13:50 投稿

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かうちさん

空の向こう側

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空を仰ぎ見て、

 

アイツも頑張っているのかな、と

激は思った。

「? お師匠さま、どうかされたんですか?」

頭上を仰いで黙ってしまった激に、カイが不思議そうな表情で聞く。

激は視線を空からカイに戻して、微笑んだ。

「何でもねぇよ、空が青いなぁと思ってさ」

 

 

 

現郎がツェルブワールドを去って、5年の月日がたっていた。

その間、彼からは音沙汰がなかった。

激から連絡をしようにも、何処へどうやって連絡をすれば良いのか分からず、ただ、空を仰いで何処かにいる筈の現郎に想いを寄せるのみだった。

500年の間に激の心に降り積もった、現郎への憎しみは、

少しだけ、まだ彼の心の底に存在していた。

「だけど・・・許してる、」

消せない思いすらも内包して、

激は現郎を許した。

現郎は激を許した。

二人とも、互いが前のままではない事を知って、それでも尚、互いに向かって手を差し伸べた。

 

 

真っ青な空の下、激は彼方へ想いを馳せた。

いつかきっと彼はここへ帰ってくるのだろう。

何の根拠もなかったけれど、激にそう思わせるのは、去り際に見た、現郎の笑顔だった。

躊躇いがちに、儚げに、

そして、

ひどく優しく美しく、

現郎は微笑んだ。

その笑顔に、激は、

いつになるか分からない再会の約束を確かに交わしたのだ、と思った。

すぐでなくても良い。

ジジイになってしまっても良い。

叶うなら、出来るならまだ生きてて、ボケてもない内に再会したい。

けれど、

「果たす、までは」

己のやらなくてはいけない事を果たすまでは。

己のやりたい事を成し遂げるまでは。

「帰ってきたら張り倒してやる、」

 

 

いつになるか分からない再会の時、

これ以上はないというほど力を込めて抱きしめて、

現郎を迎えてやろうと激は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠い、空の下。

現郎は空を仰ぎ見て、

そして、

微笑んだ。

 

 

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