No.119612

真・恋姫†無双 十√ 9

kazさん

昨日入れなかったのは障害あったからか

恋姫のおまけかなんかで二人のからみの絵を見て以来 
自分の中では白蓮さんと華雄さんはなんかこうラブラブですw
 

2010-01-20 21:22:51 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:46726   閲覧ユーザー数:29801

虎牢関

 

洛陽へと続く道の難攻不落の関である、ここには現在呂布、張遼、華雄の武将と4万の兵が立て篭もっていた。

そこに反董卓連合軍20万が今まさに襲い掛かろうとしていた。

汜水関での戦いで圧勝した余勢をかって一気に落としにかかってきたのだ、主力は袁紹袁術の軍、汜水関で大活躍した北郷、劉備の軍はこの戦いには参加させてもらっていない、袁紹曰く

「あなた方はもう十分功をあげたのでしょう、今後は後ろで兵糧を守っていなさい!ムキーーー!!」

って感じで汜水関の戦果に嫉妬した袁紹はこれ以上自分以外の者が目立つのが許せなかった為一刀達を追いやったのだ。

 

そして虎牢関の戦いが始まる、20万対4万、関に篭っているとはいえ抜かれるのは時間の問題だと思われた、しかし…

 

 

どがあああああああああああああああああああああああんん!

 

 

「りょ、呂布だああああ!!!!」

 

篭城するどころか撃って出た呂布の前に連合軍は混乱の極みにあった。

天下無双、その言葉通りの活躍を見せる呂布の前では連合軍の大軍も烏合の衆でしかなかった。

さらに汜水関で敗走した張遼、華雄もそれに続く、汜水関での鬱憤を晴らすかの如き戦いぶりに連合軍はなす術もなかった。

終わってみれば初戦は圧倒的な兵力の連合軍の圧倒的な敗戦であった。

 

その後も態勢を整えて虎牢関に攻めかかる連合軍であったがその度に反撃され敗戦に敗戦を重ねていった。

諸侯からは袁紹の無能っぷりに批判が出始め、連合を脱落する動きも見られ始めた、そして、

北郷軍の参戦を望む声も高まっていく…

 

 

 

反董卓連合軍後方、兵糧拠点

 

現在の状況、食事をする俺の左に孫策さん、右に劉備さんがぴったり寄り添うような感じだったりする。

 

「は~い、かずと、あ~ん♪」

 

「いや、あのね孫策さん自分で食べれるから、あと何でここにいるの?」

 

「そうですよ孫策さん、孫策さんは袁術さんと虎牢関で戦ってるはずじゃないんですか?」

 

「そういう劉備さんもどうしてここに?」

 

「何言ってるんですか、私と北郷さんは袁紹さんから兵糧を守るよう言われたじゃないですか、それより、はい、あ~ん♪」

 

「いや、そゆ事じゃなくてですね、何で俺の隣にいるのかなって事で…」

 

後方に飛ばされた俺達と劉備軍の面々はなんか仲良くなってたりする、

中でも劉備さんは気さくに皆と交流を持ち、俺に対しては必要以上の面倒を見ようとしてくれたりするのだ、

いや嬉しいけど関羽さんがずっと殺意を向けてくるのが怖すぎるんです。

 

そんな風に和やかにしている俺達の所に何故か孫策さんがやってくる、そして

「雪蓮よ、貴方に真名を預けるわ、その代わり私も貴方の事一刀って呼ばせてもらうから♪」

などと言って急に真名を預けてきたのだ、俺に真名がない事を聞いて一刀が真名みたいなもんですよ、と言った事をどうやら覚えてたようで、その上何故か俺に寄り添って甘えるようなって、俺はもう何が何だかわからない状態、いや嬉しいけどね。

 

「もう、一刀ったら、真名を預けたんだからちゃんと雪蓮て呼んでよ~、後で良い事してあ・げ・る・か・ら♪」

 

「い、良い事!////」

 

その言葉につい反応してしまう俺と俺の息子、その様子を見た劉備さんが何やらむーっとして。

 

「桃香です!」

 

「はい?」

 

「私の真名です!私も真名を北郷さんに預けますから、私も一刀さんって呼んでもいいですよね!」

 

「と、桃香様!なんという事をーーー!!!!こ、このような男に真名を預けるなど!!!」

 

あまりにも急なやりとりに関羽さんがパニックに陥る、周りも「はわわ」「あわわ」とか、そんな方々をよそに。

 

「へぇ、劉備、もしかしてそれって私に対する挑戦状なのかしら?(二コリ)」ゴゴゴ…

 

「そう思うならそう思ってもらって結構ですよ(二コリ)」ゴゴゴ…

 

何か劉備さんと孫策さんが俺を挟んで火花散らしてます、何この状況、何でこんな事になってんの俺?俺は周りに助けを求めようと見回すが…ダメです、陳留の皆さん俺を変態をみるような冷たく、そして侮蔑の眼差しで見ています、どうやらこの世界に俺の味方は誰もいないようです。

 

そんな事をやってると慌てた様子の兵士がやってくる、そして。

 

「北郷様!袁紹様より虎牢関への出陣の命令が届いております!」

 

その言葉に場が静まる、どうやら他の連合軍の皆さんは虎牢関を落とせなかったようだ、俺はふーっと息を吐き。

 

「わかった、すぐに準備して向かうと伝えておいてくれ」

 

そして俺は陳留の皆が集まってる所に歩いていき

 

「皆、虎牢関に向かうぞ!」

 

「「御意!!」」

 

 

 

虎牢関

 

一刀は虎牢関前に布陣する、さすがに北郷軍だけでは無理!

という俺の話に嫌々他の軍との共同戦線を許可した袁紹、

公孫賛さんが助け舟をしてくれたのは言うまでもない、ありがとう公孫賛さん、ボク達は君の事を忘れないよ!

しかし自分や袁術軍は参加しないというので馬騰、劉備軍の参戦を求める、二人は快く承諾してくれたが、

雪蓮が「何で私は仲間はずれなのよー!」とぶーたれたが、

「だってあんた袁術軍の一員だし」という俺の至極まっとうな言葉と冥琳の睨みでしぶしぶ引き下がっていく。

 

馬騰軍は盟主の馬騰ではなくその子の馬超さんが率いていた、俺の知ってる三国志では張飛と互角の勝負をしたと記憶してたのできっと武において力になるだろうと考えて参戦してもらったのだ。

汜水関での戦いで負傷や死者を除いた北郷軍2万8千、劉備軍4千、そして馬騰軍1万5千、計4万7千、虎牢関は何回かの戦いで疲弊してるとはいえまだ3万は残っていた、難攻不落に天下無双、さすがにきついかなと思う一刀。

 

「今回は汜水関とは違って、個の武が勝敗を左右すると思う、逆にそれさえなんとかできれば勝利できると思っている、だから張遼には春蘭、華雄には馬超さん、そして、呂布には関羽さん張飛さん趙雲さんの三人で対応してくれませんか」

 

俺の言葉に関羽さん張飛さん趙雲さんが反論する。

 

「我等に三対一の戦いをしろというのか!」

「鈴々は一人でも大丈夫なのだーーーー!」

「さすがに今の言葉は解せませんな、我等の武を軽んじるにも程がある!」

 

「怒るのは無理もないと思ってます、でも連合軍との戦いや情報で恋…呂布の天下無双が誇張でも嘘でもない事はわかってもらってると思っています、三人かかってようやく互角、もしそれが嘘だったら俺は貴方達にどんな罰を受けてもいいと思っています、でも勝つ為にそれは是非やってくれませんか、三人に頼んだのは同じ劉備軍で息の合った戦い方が出来ると思ったからです、貴方方の武を決して軽んじた訳ではありません」

 

俺の話に聞き入る三人、しかし納得はしてない様子、その後劉備さんが説得してくれてようやく納得してくれた。

 

 

 

虎牢関城壁

 

北郷、馬騰、劉備の旗を確認した霞は頭を抱えため息混じりに

 

「はぁ、やっぱ出てきたかぁ~、このまま連合さんが諦めて帰ってくれたらて思ってたのになぁ~」

 

「何を言う!やられっぱなしで帰られては私の気が収まらんわ!汜水関の屈辱、今こそ晴らしてくれる!打って出るぞ!」

 

そういう華雄をすかぽーーんとどつく霞

 

「このどアホ!汜水関での事もう忘れたんか!他の奴らとは違ってあいつらは別格や!打って出ても勝てるかわからんわ!それに、恋の奴も…」

 

そんなやりとりをしてると音々が城壁に上がってくる。

 

「恋、どないやった?」

 

「だめです、呂布殿は戦いたくないとおっしゃられてるです、まったくあのち●こめ!」

 

「やっぱりか、はぁ、恋が出えへんと戦力的にきっついしなぁ」

 

「何だ?恋がどうかしたのか?まさか戦うのが怖いなどとは言ってるのではないだろうな!」

 

「呂布殿は天下無双です!恐れる者は何もないのです!ただあのち●こが呂布殿にあんな事やそんな事をしたせいなのです!」

 

「あ、あんな事にそんな事だと!////」

 

「変な想像してんなや!音々も変な事言わんとき!、しかし恋が出んとなると篭城するしかないやろうなぁ」

 

「な!馬鹿を言え!もう篭城などする気はないぞ!」

 

「あんたは篭城しとらんやろが!とにかくや、ここは篭城や!そんで連合が別の奴らに代わったら出て戦う、ええな!」

 

霞の迫力とし水関での失敗に渋々うなずく華雄、音々もそれに同意し、いざ篭城戦の準備をしようとした時

 

「張遼様!華雄様!洛陽の賈駆様から緊急の書簡が届いております!」

 

 

 

 

虎牢関前

 

「………出てこないね」

 

「そうですね」

 

北郷、劉備、馬超軍は布陣を済ませ董卓軍が撃って出るのを待っていた、しかしいくら待っても出てこないのである、他の連合軍の時は布陣を済ませたと同時に撃って出てきたとの報告を考えると少し肩透かしのような感じだ。

 

(もしかして、恋が俺とが戦いたがらなかったり… いや、さすがに自惚れ過ぎか)

 

そう思う一刀のその言葉が事実だった事をこの時はまだ一刀本人は知る由もなかった、そして、放っていた細作が戻ってくるとその報告に皆が愕然とする。

 

「虎牢関がもぬけの殻?嘘だろ!?」

 

「い、いえ、それがどうも本当のようで、ただ、まだ罠の可能性もありますので、細作を増やして確認しようかと」

 

桃香さんの軍師の孔明ちゃんが信じられないという感じで皆に報告する、そして何度も放った細作の情報は全て同じ報告をする。

 

 

   ”虎牢関は無人”

 

 

細心の注意を払って虎牢関に進む俺達、反撃はなく、そして閉じられいた門を解き放つと、そこは報告どおり無人の陣地。

 

「一体何があったんだ、虎牢関を捨てるなんて」

 

「考えられるのは洛陽で余程の変事があった…」

 

その言葉に皆が目を合わせる、とりあえず虎牢関の占拠を淡々を済ませ、俺達は連合軍に虎牢関陥落の報告をする。

 

 

 

反董卓軍集結地点、袁紹の陣

 

「姫~ 北郷さんから使者がきてるよ~」

 

「あら猪々子さん、さすがに今度は負けたようですわね、まぁこの華麗で優雅な私達でさえ落とせなかったのですから当然と言えば当然でしょうけど

おーーーーほっほっほっほ!」

 

「それがね姫、北郷さんの所虎牢関も落としたって言ってきてるんだけど」

 

「はぁ?なぁんですってぇーーーーー!!!????」

 

 

 

洛陽

 

そこでは董卓軍の面々が揃っている、虎牢関を放棄してまでの状況が起こったためだ、その状況とは

 

 ”李傕と郭汜が洛陽の守りつかせてた兵と共に帝を連れて長安に逃げた”

 

李傕と郭汜は董卓軍の武将である、盗賊あがりながらその武は一般兵より強く、異民族との戦いで戦功をあげたので武将にまで取り立てられた、その性格に難があったものの反董卓軍との大きな戦いの前でもあり、黙認という状態だった。

 

「あのろくでなしのクズ共め!今すぐ追撃して首を刎ねてくれる!」

 

「華雄ダメよ!あいつらを追いかけては絶対ダメ!」

 

「何故だ!奴らは我等を裏切り!捨て!さらに帝を連れ去った大逆人だぞ!」

 

華雄の怒るのは当然であった、霞も音々も、恋でさえも追撃は当然と考えていた、しかし詠はそんな彼女らにある書簡を見せる、それは李カクと郭汜が残していった書簡、そこに書かれていたのは

 

 

”もし、我等を追撃する者を見つけた時、劉協を殺しその皇帝弑逆の罪を董卓が被る事になると知れ”

 

 

「帝を殺すやと!あいつらどこまで腐っとるねん!しかもそれを月のせいにやと!ふざけんな!そんなもん罷り通る訳ないやろが!」

 

霞の言葉に皆はうなづく、しかし詠は。

 

「ボク達が何を言っても世間はそれを信じはしないわ、だって…あいつらは董卓軍の武将なのよ

もし帝が死ねば、弑逆の罪を被った月は後世まで帝殺しの者として名を残す事になる、そんな事絶対させられない!」

 

詠の言葉に場が沈黙が包まれる。

 

「はぁ…、で、これからどうする気や?帝はおれへん、連合は迫ってきてる、残っとるんは涼州に逃げる事くらいか」

 

「涼州の道には長安があるわ、逃げるにしてもあいつらに気付かれない道を探して選ばないといけない、でもボクらにはそんな時間はないわ、連合が迫ってきてるでしょうし、戦うにしても篭城はできない、篭城すれば洛陽の市民に被害が出てしまう」

 

絶望的な状況に皆が黙る、どうしてこんな事になってしまったのだろう、ボクはどこで間違ってしまったのだろう、そんな事を詠が考えてると。

 

 

「皆さんごめんなさい、私のせいでこんな事になってしまって」

 

 

その言葉に皆が注目する、月が何故ここに!詠は軍議を月には絶対に見せなかった、何を言われてもそれは軍師の仕事だからと言い聞かせ月もそれ以上は追求せず、詠の事を信じてくれていた。

 

「ゆ、月、どうしてここに…み、見張りはどうしたのよ!」

 

焦る詠に月は静かに、そして優しく答える。

 

「詠ちゃん、見張りの人達を攻めないで、私が無理を言って頼んだの、詠ちゃん、もう…私を仲間はずれにしないで」

 

「月…」

 

「皆さん、どうか私を連合に差し出して下さい、私の命と引き換えに連合の方々に頼んで皆さんの助命をお願いしてみます」

 

「な、何言ってるのよ!そんなのダメに決まってるでしょ!」

「そうや!あんたは何も悪い事やってへんやろ!誰にも罰せられる事やってへんやろ!」

「月…死ぬの…ダメ!恋、月絶対守る!」

 

月の言葉に皆が反対する、しかし月も譲らない、そんなやり取りをしていた所に兵士がやってきて報告する。

 

「連合軍が近づいてきます!」

 

その言葉に皆が緊張する、長い沈黙を破ったのは霞。

 

「よっしゃ!いっちょやったろうやないか!大軍相手の大喧嘩!うちこういうの好っきゃねん!」

 

「霞さんダメです、もう戦わなくても…」

 

「月、勘違いしたらあかん、うちはうちの意思で戦うんや、武人として強い相手と戦う、これ以上の楽しみ取りあげんといてぇな」

 

そう言ってニコッと笑い月の頭を撫でる霞に華雄も続く。

 

「まさに!武人としてこれ以上の戦場はない!なぁに連合の諸侯を全部討ち取れば連中は逃げ帰るしかなかろう!」

 

「はぁ、馬鹿すぎるのです、華雄如きにそんなの無理に決まってるのです、でも呂布殿ならできるのです!呂布殿は天下無双なのです!」

 

「恋、頑張る!……でも、かずととは戦いたくない…」

 

「わかっとるって、恋は金ピカの袁紹相手してくれればええ」

 

「わかった」

 

いつもの雰囲気が戻る董卓軍、そして霞は月と詠に優しく話しかける。

 

「月、詠、あんたらはうちらが戦ってるうちに逃げ、どこでもええ静かな所で時がくるまで逃げ、そのうちこの国も変わる、そうなってからまた出てきたらええ、ええな」

 

「霞さん…」「霞、あんたまさか」

 

「アホ!死ぬくらいやったらとっとと逃げるわい!うちは死なん、約束したってもええ、せやからあんたらも生きるて約束しいや」

 

その言葉にうなずく月と詠、それを見やった霞は。

 

「ほな行こか!篭城はなしや!打って出て連合名乗っ取る奴全部叩き潰したろ!」

 

「おお!」

 

月と詠は彼女達を見送る、無事に帰ってくれる事を祈って。

 

 

 

洛陽

 

虎牢関が無人と知った連合は一気に洛陽まで進撃した、どの諸侯も功を上げておらず、我先にと洛陽一番乗りの功を奪い合う為に速度を上げたのだ、そして洛陽前に董卓軍が布陣してるのを見つけると連合は一旦進撃をやめ、陣形を整え洛陽へ再進撃する、そして、戦いが始まる。

兵力は20万対3万、平原での戦い、どう考えても董卓軍が勝てる見込みはなかった、しかし恋、霞、華雄は乾坤一擲の精神で突撃する。

 

恋率いる1万は中央の袁紹袁術の主力10万に突っ込む、数で10倍、しかしまたも蹴散らされる袁紹袁術の軍

華雄率いる1万は馬超、公孫賛他諸侯の右翼に突撃、こちらはほぼ互角、しかし数で徐々に押されていく

そして、霞率いる1万は北郷、劉備率いる左翼に突撃、しかしここは他とは違った、鉄壁の防備に跳ね返され、さらに霞は春蘭との一騎撃ちで…

 

がああああん!

 

「くっ!まだまだぁ!」

 

霞と打ち合っている春蘭は霞の飛龍偃月刀に違和感を感じる、迷い?、そして打ち合ううちに怒りがこみ上げてくる。

 

「張遼!貴様舐めているのか!戦いの最中に何を迷う!貴様の武はこんなものではなかろう!」

 

「うちが迷っとるやて!ふざけんな!うちは何も迷とらへん!うちは、うちは!(月と詠の為に!)」

 

がああああああああああああん! 春蘭の強い一撃が霞の武器を大きくはじく、そして春蘭の七星餓狼の切っ先が霞の首に当てられる。

 

「見損なったぞ張文遠!戦いにおいては眼前の敵のみにその武を集中すべきであろう!」

 

その言葉に霞ははっ!とする、戦いにおいて眼前の敵にのみ集中、うちは何を考えて戦ってたんやと…

 

「……そうやな、すまんかったな惇ちゃん… さ、はよ殺し…」

 

「春蘭ダメだ!」

 

霞が覚悟し、春蘭がその剣を大きく振りかぶろうとした時、一刀が必死でかけよりその間に入る。

 

「春蘭勝負はついた、これ以上は無用だ!霞、この戦いはもう終わりだ、降ってくれ!悪いようにはしない!」、

 

その言葉に力なく霞が答える。

 

「ありがとう一刀、やっぱあんたは優しいなぁ、けどあかん、それはでけへんねん、うちまで裏切ったらあの子ら可哀相すぎるやろ…」

 

「あの子ら?董卓の事か?」

 

「せや、あの子らは一生懸命やってきただけや、何も悪い事しとらへん、ただ、色んな奴らに利用されてきたただけや…

うちは、あの子らを助けたかった、けど、それももうかなわへんねんな…」

 

力なく崩れていく霞に、一刀はかけより優しくそして力づけるように言う。

 

「わかった、じゃあ俺が董卓さんを助けてあげるよ!だから霞、俺に協力してくれ!」

 

その言葉に春蘭、それに近くにいた秋蘭、桂花が驚き一刀に詰め寄る、しかし一刀は

 

「この戦いの前に言ったはずだよ、俺は霞と恋を仲間にするって、その為に董卓さんを助けろっていうなら助けるさ!それに、霞が董卓さんは何も悪い事をやってないって言うなら信じて助けてあげなくちゃいけないと思う、その後の事はそれから考える、大丈夫、なんたって俺は天の御遣いなんだぜ!」

 

一刀の意味不明な自信に回りは呆れる、しかし、それ以上の事は問わない、それが北郷軍だからだ、そんな様子に霞は一刀を見つめ、問う。

 

「ほんまに…、ほんまに月と詠を…助けてくれるんか、一刀」

 

「ああ、救って見せるよ、ただし、今までの事話してくれ、全部な」

 

「わかった」

 

そして霞が率いていた董卓軍は北郷軍に降伏し、霞と一刀、護衛に凪、真桜、沙和と50騎ほどが洛陽へ侵入する。

 

 

 

恋は未だ有利に乱戦中

 

そして華雄さんは…というと白蓮さんと対峙していた

 

「………」

「………」

 

「何だか、お前とは他人の気がしない、扱い的に…」

「奇遇だな、私もだ、何と言うか他人の気がしない、扱い的に…」

 

「……馬、好きか?」

「…あ、ああ、馬、好きだぞ、白馬将軍って呼ばれてるほどだからな」

 

「………」

「………」

 

そんな感じで何か奇妙な友情が芽生え始める華雄さんと白蓮さんだった…

 

 

 

 

洛陽にある屋敷で詠は必死に月に頼み込んでいた。

 

「お願い月逃げて!もうすぐここには連合軍がやってくる、そうなったら月は!お願いだから!」

 

恋達が出撃した後詠は逃げる準備をしていた、せめて月だけでもと、しかし月は動かない、ここに留まり、恋達の帰りを待つと言うのだ。

 

”誰でもいい、帰ってきて!このままじゃ月が、月が…”

 

溢れる涙、祈るような想い、詠は必死で祈っていた、そしてそこに。

 

「月!詠!」

 

聞きなれた声、霞だ!その声に希望を見出した詠、しかしそれはすぐに絶望と憎しみに変わる、霞の後ろから連合の武将らしき者達が現れたのだ。

 

「…霞、あんた、ボク達を裏切ったのね!」

 

「違う!うちはあんたらを助けに…「じゃあその後ろにいる奴らはなんなのよ!連合のやつらと何を取引したのよ!」

 

「詠聞け!うちはあんたらを助けたいんや!こいつらは一刀…天の御遣いの軍や!それから…」

 

霞が何かを紹介しようとした時、どこからか軽快な歌声が聞こえてくる、そして何やら変な踊りを踊りながら見た事のないような白く光る服を着、そして顔に…蝶の仮面?を着けた青年が現れ。

 

「YEAHAAAAAAA! 俺の名は北郷一刀、戦乱を収める為に天より舞い降りた貴公子!見ての通り全然怪しくないから俺を信用してくれーー!」

 

といってパピ・ヨン!って感じの変なポーズをビシィ!っと決めた、その様子を見た詠は当然の反応。

 

 

「信用できるかぁーーーーーーーーーーーーー!!!!怪しいにも程があるでしょーーーーーー!!!」

 

 

「あれ?か、かっこいい登場の仕方と思ってこ来るまでずっと考えてたんだけど…」

 

その青年は本気か何なのかそんな事をのたまう、周りはなんていうか「寒っ!」という感じ、何なのこいつと呆れてると。

 

「くすっ、くすくすくす」

 

月の笑い、聞いたのはきっと洛陽に来る前、あの時も…天の御遣いの話をしていた時、詠は想う。

 

”どうして… 月をこんな楽しく、自然に笑わせる事ができるのだろうと…”

 

「あ、あっはは、えと、改めて自己紹介するね、俺は北郷一刀、一応天の御遣いなんて呼ばれています、霞のお願いで君達を助ける為に来たんだ、どうか俺を信用して俺に従ってくれないかな?」

 

「ふざけないでよ!そんなの信じられる訳ないでしょ!あんた達の目的は月を殺す事、そんな奴らが月を助けるなんて!大体月を助けてあんたにどんな得があるっていうのよ!」

 

「助ける理由はあるよ、まずこの戦いの後この国は群雄割拠の時代になる、その時に霞や恋といった力強い仲間がいてくれれば生き残れる可能性がある、そしてその霞を仲間にする条件が君達を助ける事、それと俺は君達にも俺の仲間になって色々と力になって欲しいと思っている、君達の政治力、そして軍略を俺に貸して欲しい、それが君達を助ける理由だ、ちゃんと得があるから助けるって事なんだけど、理解してくれたかな?」

 

確かに理屈にはなってる、しかしそれでも納得はしない詠は一刀に強く問う。

 

「もし他の諸侯にあんたの所に月がいる事を知られたらどうする気?きっと攻めてくるわよ!そんな危険を冒せるの!その時月を引き渡さないって言い切れるの!」

 

「もっちろん!だってこんな可愛い女の子を殺すと分かってる奴らに引き渡す訳ないじゃん!こんな可憐な子が死んじゃったらこの国の損失だよ!それと、危険に関しては色々考えてる事があるから安心して!」

 

その言葉に月は真っ赤になり、周りはその青年に冷たい目を注ぐ。

 

「大将、こんな状況で口説くんはちいっと控えてほしいもんやけどなぁ」

「北郷様いやらしいのぉ~」

「北郷様…あの…私ならいつでも…い、いや!////」

 

必死で弁明する青年を見ながら何この緊張感のなさ、こいつら一体今がどういう状況か分かっているの!そう想う詠、そんな中月がはじめて言葉を発する。

 

「北郷様…、一つ、聞かせていただけませんでしょうか?」

 

「ん?何?何でも答えるよ!ちなみに好きなものは牛丼ツユだくね」

 

「北郷様は…力を集めて、どのような国を作ろうとしているのですか?」

 

「こんな事が起こらないような国、かな」

 

その言葉に月は何かを思い、そして一刀の続く言葉を待つ。

 

「董卓さん、俺は思うんだ、もし袁紹が檄を発しなければこの洛陽は董卓さんによって悪い官がいなくなり、国も良い方向にいってたかもしれない、でも檄は発せられ連合が組まれた、諸侯の多くが君達に嫉妬した結果だ、そして俺達もその連合に参加するしかなかった、自分の国を守る為にね、張譲を信じ洛陽に軍を進め権力を得たのは君達だ、でも君達も権力争いに利用された被害者だとも思っている、確かに洛陽に入った時に略奪や暴行があったみたいだけどその兵達を重罪にして被害を受けた人達に補償をし、その後洛陽の民の為に善政をしたと霞から聞いた」

 

急に真剣に語る一刀に周りは静かになる、そして一刀はさらに続ける。

 

「君達がこんな状況で、俺たちがこの状況なのは今のこの国のせいだと思うんだ、だから俺はこの国を正したいと思っている、国を正せればきっと二度とこんな事は起こらず国の人達も平和に暮らせると思ってるんだ、でもまだ俺には力が足りない、力のない者が何を言っても誰も耳を貸しはしない。だから今はその力を集めている所なんだ、霞や恋、それに君達が仲間になってくれたらきっと俺はこの国を良くしてみせる、だから董卓さん賈駆さん、俺に協力して力になってくれないかな」

 

「でも私のせいで多くの人達が…」

 

「死んだら何も償えないよ、それどころか君が死ぬ事で恋や霞、賈駆さんが苦しむ事になる、君は生きて償いをすべきだよ、この国を良くすると言う償いを」

 

その言葉を聞いた月は考え、そして詠の手をとり、優しげに微笑んで。

 

「詠ちゃん、私、天の御遣い様を信じてついていこうと思う」

 

「月!」

 

「詠ちゃん、やっぱり私には大陸の王とか無理だよ、でもこの人ならきっとこの国を良くしてくれると思うの」

 

月の決意の表情を見て詠は観念する、こうなった月はテコでも考えを変えないのだ。

 

「はぁ…わかったわよ、でも月だけに苦労はさせない!ボクもその国作りっての手伝ってあげるわ!ただし!もしあんたがろくでもない事をしようとしたらすぐにでも反乱を起こしてギッタギタにしてやるんだからね!覚えておきなさい!それと月の身の安全、それが何よりも最優先よ!」

 

「ちょおっ!いきなり反乱宣言かよ!けどわかったよ、必ず守るよ」

 

「ふんっ!」

 

その様子を見ていた霞は月と詠の所にかけより二人を抱き。

 

「よかったな、ほんまよかったな、一刀やったら大丈夫や、きっとあんたらを幸せにしてくれる、大丈夫うちもあんたらを助けたるから!」

 

涙を流しながら喜ぶ霞を月と詠は優しく抱く、少し落ち着いた詠は一刀に自分たちを今の状況からどう守ってくれるかを問う。

 

「この屋敷を燃やし二人にはここで死んだ事になってもらう、その後洛陽中に二人の死を広める、そうすれば連合の追及を避けることができると思う、ただ董卓、賈駆という名は捨ててもらう、有名になりすぎちゃったからね。表舞台にも立たせられないけどその辺は少し我慢して欲しい、そして二人は変装して俺たちの陣に来てもらう、その後は陳留に匿って全力で二人を守ってみせる」

 

その言葉に詠はわかった、といい凪達とその為の準備を手伝う、一刀は月の元に行き。

 

「董卓さん、これからよろしくね」

 

そう言って月の頭を優しく撫でる一刀に月は。

 

「へ、へぅぅ~////」

 

「月・に・なぁに破廉恥な事やってんのよこの馬鹿ち●こぉーーーーーー!!!」

 

どがぁあああああ!!!!

 

「ごはぁっ!」

 

「いい、もし月に手をだしたら容赦しないからね!わかった!反乱よ反乱!即座に反乱してやるからね!この馬鹿ち●こ!」

 

「え、詠ちゃぁ~ん」

 

だからさ、なんでみんな俺をち●こ扱いすんだよ… 地面に叩きつけられながらそんな事を思う一刀であった。

 

 

 

洛陽前の戦いは終わりを迎えつつあった。

 

張遼隊は降伏し、華雄隊も壊滅、唯一有利に戦っていた呂布隊も数に押し包まれ数を減らしていった、そして恋自身は。

 

がああああああああああああんん!

 

劉備軍の関羽、張飛、趙雲の三人を相手に戦っていた、袁紹の二枚看板の顔良、文醜をけちらし、まさに袁紹に肉薄しようとした所をこの三人が阻止したのだ、しかし恋はこの一騎当千の三人を相手にしながらも優位に戦っていた、しかしそこへ。

 

「りょ、呂布殿ーーーー!月殿と詠殿がお亡くなりになったですーーーーー!!!」

 

その言葉に「!」となり、動きが止まる恋、そしてその言葉を発した音々に聞き返す。

 

「月と詠、死んだ?嘘!」

 

「ほ、本当です!月殿のいた屋敷が燃え、月殿と詠殿はその火に包まれたと、すでに洛陽中に知れ渡っているです~」

 

その言葉に恋は馬首を返し、洛陽に向かおうとする、しかし音々がそれを止める。

 

「呂布殿、もう洛陽に帰っても意味がないのです!霞は降伏し華雄は行方不明、戦いは負けなのです!でも呂布殿と兵は生きてるです!今はここを離れ、再起を図ってこいつらを、月殿と詠殿の仇を討つべきなのです!」

 

音々の言葉に考える恋、少しして恋はそれに従いここを突破する、恋は多くの大切な者を失った、そのうえ音々まで失うのは嫌だったのかもしれない。

恋の突破を止められる者はいず、いや、被害を恐れ止めなかったのかもしれない、恋は音々と呂布軍と共に戦場を離れていく、愛紗、鈴々、星はその姿を見ながら…

 

「あれが呂布か、天下無双はだてではなかったな、我等三人が束になってかかっても敵わんとは…

虎牢関で北郷殿が我等三人で呂布と同等といったが、あれは我等の武を軽んじたのではなく、過大に評価していてくれたのだな」

 

星の言葉に愛紗、鈴々も言葉をなくす、そこに桃香が三人を心配しにやってくる。

 

「み、みんな無事でよかったぁ~、し、心配したんだからぁ~うっ、うわぁ~んん」

 

大泣きして心配する桃香をあたふたと対応する愛紗を笑いながら見つめる星と鈴々。

 

「これで、この戦いはひとまず終了だな、この先には、はてさて何があるのやら」

 

空を見上げそう星がつぶやく、こうして反董卓連合の戦いは終わった。

 

 

 

孫策の陣

 

「董卓が死んだそうだ、屋敷に自ら火を放ち業火に焼かれて死体すら燃え尽きたと」

 

「ふ~ん」

 

「何だ雪蓮、興味なさそうだが」

 

「そういう冥琳こそ、何か納得してないって感じだけど?貴方も思ってるんじゃない?董卓は生きてるんじゃないかって」

 

「まぁな、あまりにもあっさりしすぎてるしな、そして情報があまりにも都合よく広まりすぎている」

 

「その情報を流したのは誰かしらね♪」

 

雪蓮の言葉にふふっと笑う冥琳。

 

「さてな、証拠もなければそんな事をしてその者にどんな利があるかわからん」

 

「間違いないわ、きっと董卓は生きてる、そしてきっと一刀の所にいるわね」

 

「その根拠は?」

 

「ん~ 勘かな♪」

 

「そうか、ならそうなのかもしれんな、しかしそうだとして追求した所で知らぬ存ぜぬを貫き通すのではないか?」

 

「かもね」

 

そう言うと雪蓮は何かを考えるように、そして静かに話し始める

 

「私達この戦いで功を得て、その風評を糧にして袁術から独立する足がかりにしようとこのくだらない戦い参加したわよね、けどたいした功も得られぬまま戦いは終わっちゃった、今洛陽で炊き出しとかやってるけど独立する為には何かほしいのよね~大きな戦功が」

 

「つまり…董卓の首か」

 

「そ、さて、その事を言ったら一刀はどういう反応するかしらね~♪」

 

そんな事を話す雪蓮に冥琳は頭を抱え溜息混じりに

 

「いきなり首を刎ねるような事はしてくれるなよ」

 

 

 

 

公孫賛の陣

 

「う、ううっ」

 

傷ついて寝ている武将、董卓軍の華雄である、戦いで負傷をした華雄は意識を失い、そこを白蓮が助け、治療されていたのだ。

 

「無理するな、傷は軽くはないのだぞ」

 

「お、お前は公孫賛、何故敵である私を助ける?」

 

「戦いは終わった、董卓は屋敷と共に燃え尽きて死んだそうだ、これ以上無駄に血を流す必要もあるまい」

 

その言葉に絶句し、涙を流す華雄。

 

「うっううっ、私は…主を守れなかったのだな…うっううっ…」

 

泣きじゃくる華雄に白蓮は優しく話しかける。

 

「華雄、お前はこの先どうする?もし、戻る所がないのだったら、その…私の所にこないか?」

 

その言葉に華雄は泣き止み、白蓮に問う。

 

「な、何故だ?私は敵だったのだぞ、首を刎ねるのが当然、それを何故助け、さらに貴下に加えようなどと言う?」

 

「言ったろう、戦いはもう終わったと、それに戦ってみて…その…わ、私はお前と…だな、一緒にいたいなと…/////」

 

「う、…そ、そうか…////」

 

二人の間に沈黙が流れる、先に言葉を発したのは華雄。

 

「その…、私は、色々と不器用でな、今まで主を変えたという事がないのだ…だから、何と言えばよいのか…」

 

「な、ならば客将としてならどうだ?部下ではなく、その、仲間という感じで」

 

「そ、それならば…」

 

「………////」

「………////」

 

再び沈黙が流れ、その後華雄は白蓮の客将として幽州に住む事になるのだった。

 

 

 

あとがきのようなもの

 

とりあえず次が洛陽後日談みたいなもので第一部完て感じでしょうか。

 

なんか気付けばもうすぐ二桁、なんか皆様の応援のおかげでここまでこれました

どうもありがとうです。


 
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