焔木家再興は祖父母の悲願でもあり、呪いでもある。
孫の代に全てを託すためとは言え、我が子に対し呪術紛いの命名で狂気に至らしめたのは、
何を隠そう、お祖母様（八房）なのだから。
真意を問いただした事は無いが、祖母の覚悟は幼い頃から恐ろしい程に感じていた。

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それ以外の道を選択した時に、お祖母様がどうなってしまうのか見当もつかない。
妖怪とは生き方を変え難い存在で、存在意義を失う事は人間で言う「死」と同義なのだろう。
ならば前提がどうあれ、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた祖母の覚悟に応えるつもりである。