No.109131

真・恋姫†無双 Another Story II -紫苑ルート エピローグ-

Full Driveさん

真・恋姫†無双 Another Story II -紫苑ルート エピローグ-です。完全オリジナルです。
拙文を読んで頂き、ありがとうございました。
コメント、お待ちしております。

2009-11-27 01:48:41 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:11041   閲覧ユーザー数:8309

あれから1800年後

ピッ…ピッ…ピッ…

規則的な電子音が聞こえる…ここはどこだろう?

あの世界では聞かなかったから、本来いるべきはずの世界にいるのは間違いない。

オレがあの世界で成すべき事は、全て終わった。もう行くことはできないだろうな。

瞼、開くかな?やってみるか。少しずつ開いていくと、眩しい光が見えてくる。

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紫苑ルート エピローグ

 

一刀が瞼を開けて最初に見えたのは、白い天井。左右に目をやると心拍計と点滴袋があった。

口には酸素吸入器が付けられており、いかにも瀕死の人間だと言わんばかり。

ガチャ

看護士「入りまーす」

一刀「…」

一刀と看護士の目が合う。

看護士「ほ、北郷さん!!意識が戻ったのですね!!す、すぐ先生を呼んできます!!」

ものすごい速さで部屋を後にする。

一刀「はえぇ…」呆然と見つめる一刀。

すると、ドドドドドドドドドド…

一刀「な、何だ!?」

ガチャッ!!

医師「ほ、北郷君!!意識が戻ったんだね!!」

一刀「は、はい…どれくらい眠っていたのですか?」

医師「キミは三ヶ月間眠っていたんだよ。自分の家で倒れたのは、覚えているかい?」

一刀「えっ…そうだったのですか!?」

医師「それに、途中で何度か心肺停止状態になったり…痙攣も起きていたよ」

一刀「(…あっちの世界で死んだ時のことかな)」

医師「それに、もっと不思議なのは…」そう言うと、一刀の身体に掛けられていた布団をはがす。

医師「体格がアスリートに近いものになったのだ。運動していないにもかかわらずだ」

一刀「(雪蓮や紅蓮殿たちに鍛えられたからか…)」

医師「とりあえず意識が戻っただけでも大きな一歩だ。じゃあキミ、バイタルチェックを」

看護士「はい」

医師「ご両親には私から連絡するよ。バイタルチェック後は、検査のオンパレードだよ」

一刀「ははは…覚悟しています」

 

バイタルチェック後、一刀は身体の隅から隅まで調べられた。

点滴で栄養を補給していたにもかかわらず、消化器官や内臓は異常なし。

さらに、足腰にも退化が見られなかった。これには医師も目を丸くしていた。

一刀「(あの世界でのできごとは、夢だったのか?でも、身体にはこれまでのことが反映されている…)」

一刀自身も、あの世界の出来事が何だったのか判断できかねていた。

全ての検査が終わり、身体のどこにも異常が見当たらなかったので、一刀は検査から三日後に退院した。

一刀は家に戻ると、祖父からもらった刀を確認する。刀は一本…そして真剣だった。

一刀「『冷たき刃』がなぜここに…」

 

退院して一週間後

聖フランチェスカ学園へ登校中、及川が声を掛けてきた。

及川「おう、かずピー。元気になったんだな」

一刀「おかげさまでね」

及川「なら、良かっ…ん?」

一刀「なんだよ?」

及川「なんか…体つきが変わってねぇ?かっちりしてるし…」

一刀「気のせいだろ。ずっと入院していたんだぞ」

及川「それに、何だか雰囲気が大人びているな…幾多の修羅場をくぐってきたって感じ」

一刀「気のせいだって(何気にこいつ、するどいな…)」

及川「気のせいか…ならいいや。そういやかずピーにニュースだ」

一刀「ニュース?」

及川「今日から三年生のクラスに新しい先生が赴任してくるんだよ」

一刀「へぇ~。どんな先生だ?」

及川「女性で中国人だってよ。弓道部の顧問もするらしい」

一刀「(女性…中国人…弓道…まさかな)」

及川「着いたら見に行くけど、来るか?」

一刀「行かない。弓道部なら剣道部の横で活動しているから、必ず顔を合わせるよ」

及川「つれないなぁ。んじゃ、オレは見に行ってくるよ」

及川は足早に学園に向かう。

一刀「(なんとなく持ってきてしまったけど…大丈夫かな?)」

一刀は木刀が入っているケースに『冷たき刃』も忍ばせ、持ってきていたのである。

 

教室に入った一刀は、クラスメイトから歓迎を受ける。そこでも、及川が言っていたことを言われる。

女子A「北郷君、なんか大人びた感じがする~」

女子B「あと、逞しくなったよね。本当に入院していたの?」

男子A「ちっきしょー!!なんか北郷の奴、女子のモテ度UPしてねぇか?」

男子B「お前、入院していたなんてウソだろ!!整形か風俗に行っただろ!?」

一刀「(やれやれ…さっきからこの話題ばっかり)」一刀はクラスメイトの質問攻めに遭っていた。

そこに新しい先生を見に行った及川が教室に入ってきた。

及川「おーい男子諸君!!どんな先生か見てきたぞ~」

男子A「及川、どうだった?」

及川「すっげー美人!!長身でパープルのロングヘアーに青い瞳!!年上の色気ムンムンだったよ!!」

一刀「(まさか…紫苑さん?いや、そんなハズは…)」

男子B「まじか!?で、名前は?」

及川「黄紫苑と言ってたな」

一刀「なんだって!?」名前を聞いた一刀が、思わず立ち上がる。

及川「なんだ?かずピー、知り合いか?」

一刀「い、いや…何でもない」

一刀は驚いた。本当に紫苑なのか?生まれ変わったのだとしたら、記憶はどうなっているんだ?

放課後、剣道場

一刀「ちわ~っす。北郷一刀、ただいま戻りました!!」

一刀の復帰宣言に部員は喜び、歓迎する。

部長「ずっと入院していたんじゃ、身体が鈍っているだろう。今日はオレが直々に鍛えてやる」

一刀「ははは…お手柔らかに願います」苦笑いの一刀だった。

防具を装備して竹刀を持った一刀。静かに部長の前に立つ。

部員A「では…始め!!」

部長「どれ…まずは現状の確認だ。来い!」

一刀「はい!」

一刀は間合いを詰める、誰もが驚愕するスピードで…

一刀「胴!!」

部長「へ?」

一刀の竹刀は、先輩の胴を見事に捕らえていた。

部員A「ほ、北郷の勝ち!!」

俄かに場内がざわめく。

部員B「お、おい…これまで北郷は部長に勝ったことないよな?」

部員C「あ、ああ。だって部長はインターハイ優勝したんだぞ」

部長「い、いや~北郷、油断していた。もう一回いいか?」

一刀「は、はい…」

部員A「始め!!」

部長「はっ!!」今度は部長が先手を取った。

ガシッ!!

一刀「(…遅いし、弱い…)」

ヒュッ!!ヒュッ!!ヒュッ!!

その後も部長はコンビネーションで打ってくるが、一刀は難なく受け止める。

部長「(こ、こっちは本気で攻めているんだぞ!!なのに、何事もなく受け止めている…)」

一刀「(少し、本気出すか…)」

部長が面を打ってきた瞬間…

一刀「胴ぉぉぉぉぉぉ!!!!」

ドゴン!!

鈍い音が場内に響く。

部長「い、いってぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!」悶絶する部長。

一刀「す、すすすすすみません!!部長!」慌てて駆け寄る一刀。

部員全員「………」静まり返る部員。

一刀「(こ、困った。鍛えられすぎた…)」

 

-----弓道場-----

紫苑「今日から弓道部の顧問になりました黄紫苑と言います。よろしくお願いします」

弓道部員全員「よろしくおねがいします!!」

紫苑「では、普段通りに活動してください」

部員たちは散らばり、的の準備などに入る。

紫苑も自分の弓をケースから出す。

弓道部員A「それが、先生の弓ですか?珍しい形ですね」

紫苑「これは特注品なのです。名前は…」

その時だった。

ドゴン!!

鈍い音が聞こえた。

紫苑「!?」

弓道部員A「な、何!?今の音!!」

部員が隣接する剣道場の中を窓越しに見る。

部長「い、いってぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!」悶絶する部長。

一刀「す、すすすすすみません!!部長!」慌てて駆け寄る一刀の姿があった。

弓道部員B「何だったの?」

弓道部員A「なんかよくわからないけど、北郷君がしきりに謝っていたわ」

紫苑「北郷!?ね、ねぇ…その人の下の名前は?」

弓道部員A「確か…一刀だったわね。北郷一刀です」

紫苑「間違いない…」

弓道部員B「先生、知っているのですか?」

紫苑「…あなたたちにスゴイものをお見せしますから、ついてきなさい」

そう言うと、黄紫苑は弓と矢を持って剣道部の扉を開けた。

ガラガラガラ!!

一刀「ん?」

黄紫苑「失礼します!!」

一刀「!!(ま、間違いない。紫苑さんだ…)」着ている服は違えど、一刀は紫苑だとわかったのである。

紫苑「今日から弓道部の顧問になりました黄紫苑と言います。失礼ですが北郷一刀さんはいますか?」

一刀「お、オレですけど…」

紫苑「…」紫苑はまじまじと一刀の身体を眺める。

紫苑「(外見といい、顔つきといい…間違い無いわね。あとは、強いかどうか…)」

一刀「あ、あの先生…なにかご用件でも」

紫苑「突然ですが、私と勝負していただけますか?」

一刀「弓と剣でですか?さすがにそれは…」やんわり断ろうとする一刀。しかし、

紫苑「それ以上言わないほうがいいのではないですか?剣の沽券に関わるでしょう」

一刀「…言ってくれますね。受けて立ちましょう」

そう言うと一刀は部室に戻る。フランチェスカの制服に着替え、『冷たき刃』をケースから出す。

一刀「紫苑さんと勝負か…燃えてくるぜ」

一刀が部室から出てきた。防具を一切着けていないのと刀を持っているのを見て、誰もが驚く。

そして紫苑も防具などは一切着けずに、弓と矢だけを持つ。

部長「ちょ!!二人とも防具無しで勝負するのですか!?それに北郷!!それ、真剣じゃないか!!」

弓道部員A「先生!!下手したら怪我どころの話ではないですよ!!危険すぎます!!」

紫苑「そうね~。でも、あの人だったら問題無いと思うわ。それに鏃は丸くしてあるから…」

一刀「同感。結構スゴイものがを皆に見せれると思う。あ、皆は危ないから窓越しに見てね」

あっけらかんと言う一刀と紫苑に、開いた口が塞がらないギャラリー。

紫苑「そこのあなた。合図を…」

弓道部員B「は、はい!では…始め!!」

ヒュンッ!!

開始早々、紫苑が矢を放つ。

一刀「!!」

ガキン!!

刀の鎬で弾く一刀。

一刀「はあっ!!」矢を弾くや否や、紫苑との間合いを一気に詰める一刀。

ガキィン!!

一刀の刀と、紫苑の弓が交錯し、鍔迫り合いとなる。

一刀「ぐぐぐぐぐ…」

紫苑「むむむむむ…ちっ!!」

力での勝負は不利と見たのか、紫苑が後ろに退く。

一刀「隙あり!!…っ!!」好機と見て追いかける一刀だったが、

ヒュンッ!!

紫苑が間合いを詰めさせないために、退きながら矢を放つ。

一刀「のわっ!!」

慌てて避ける一刀。

部員たち「…………」

あまりの迫力に声が出ない部員たち。

ある程度の距離を置いて対峙する二人。口元には笑みがこぼれている。

紫苑「ふふっ♪やはり飛燕でしたわね」

一刀「やっぱり紫苑さんでしたか」

お互いを認識する二人。

紫苑「さて、これからどうしますか?」

一刀「身体もほぐれましたし、ギャラリーもいます。弓と刀ですが、本気で十合ほど打ち合いをしますか?」

紫苑「それは面白いですわね。皆さんにお見せしましょう。本物の戦いというものを…」

一刀と紫苑が本気モードに入る。凄まじい闘気が渦巻いていく。

剣道部員A「な、なんか見ていて怖くなってきた…」

弓道部員A「勝負を止めたいけど、近づけない…」

剣道部長「あの時、北郷が本気出してたら…死んでたかも」

一刀「じゃあ、ショータイムの始まりです」

紫苑「では、始めましょう」

一刀・紫苑「はあっ!!」

お互い、一気に間合いを詰める。そして…

ガキィン!!バキィン!!ガキィン!!

凄まじい打ち合いをする二人。それは1800年間の溝を埋めるが如く。

一刀「(紫苑さん。私があの世界で死ぬ間際に言ったことを覚えていますか?)」

紫苑「(はい。そのために、私は1800年間待ち続けてきました)」

打ち合いで会話をする二人。そして、十合の打ち合いを終える。

一刀・紫苑「…ふぅ」軽く息をつく二人。

紫苑「では、部活動後に校舎の屋上で待ってます」

一刀にそう囁くと、紫苑はギャラリーのもとに行った。

紫苑「ふふっ。いかがでしたか?それでは、練習に戻りますよ。あら?皆さん?」

部員たち「……」部員たちは本気の勝負に圧倒され、放心状態になっていた。

部活動後

ガチャッ

屋上のドアを開けた一刀。西の空に夕日が輝いている。紫苑はその夕日を眺めていた。

一刀「紫苑さん。お待たせしました」

一刀がそう言うと、紫苑は振り返った

紫苑「飛燕…ずっと待っていました。1800年間、あなたを待っていました…」

一刀「紫苑さん!!」

紫苑「飛燕!!」

お互いに駆け寄り、抱き合う。

一刀「紫苑さん。1800年も待たせてしまって、ごめんなさい」

紫苑「いいえ。飛燕の言葉を信じ続けていましたから…」

一刀「もう、紫苑さんの前からいなくなりません」

紫苑「じゃあ、誓いのキスをしてください…」

一刀「はい…」

口づけをする二人。それは別れのキスではなく、ずっと一緒にいることを誓うキス。

夕日はそんな二人を暖く見守っていた

 

Another storyII -紫苑ルート- これにて完結

あとがき

 

真・恋姫†無双 Another Storiesを読んで頂き、ありがとうございました。

 

今回のルートをもって、このシリーズは完結致しました。

 

スランプに陥っていたこともございましたが、皆様にたくさん読んで頂いたことが励みとなりました。

 

今後は一話完結のAnother Episodeシリーズを考えています。一刀の設定はAnother Storiesと同じです。

 

今は、呉の武将のほとんど・秋蘭・璃々で何か書けないかと思っています。


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