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真・恋姫†無双 Another Story II -紫苑ルート最終章後編-

Full Driveさん

真・恋姫†無双 Another Story II -紫苑ルート最終章-です。完全オリジナルです。
とんでもないことが起こります。
時代考証のツッコミは無しの方向で。
あと、将の名前がたくさん出ますが、基本は演義に則ります。
コメント、お待ちしております。

2009-11-25 03:36:48 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:8728   閲覧ユーザー数:6681

袁紹「北郷一刀よ!降伏すれば娘を返す。断った場合は殺す!!」

一刀「…」

袁術「早く答えろなのじゃー!!さもなくば…」袁術は短刀を抜き、恋々の喉元に当てる。

恋々「う…ととさま…」短刀を当てられ怯える恋々。

一刀「恋々…」

一刀はこれまでにない苦しい決断を迫られていた。自身の娘の命と自身の正義、どちらを選択するのかで…。

一刀「(ここで降伏すれば恋々は救われる。しかし、正義を捨てたと罵られるだろう。だからといって、

    正義を貫けば恋々は殺される…)」

袁術「こ、こら!!おとなしくしておるのじゃ!!」自分の腕の中で暴れる恋々を押さえ込む袁術。

恋々「ととさまー!!」何としても父親の一刀のもとに行こうと暴れる恋々。

広間に何ともいえない雰囲気に包まれる。袁紹も、一刀の出方を恐る恐る窺っていた。

袁紹「(は、早く降伏しなさい!どっちに転がっても、娘を殺すことは我々にはできないのですから!)」

流石の袁紹も、人質を殺すことは破滅の道であることは理解していた。しかし、皇帝の目の前で

あのように発言したことを、今更ながらに後悔していた。自分たちが、戻ることの出来ない橋を

渡ってしまったことを。降伏しても皇帝の信頼を失ってしまい、一刀から深い恨みを向けられる。

降伏を拒否すれば、一刀の軍勢が大挙してこちらに攻め込んでくるのは間違い無いからだ。

 

かれこれ一刻ほど過ぎた時であった。

一刀「…せん」一刀が何かを呟いた。

皇帝「!?」

袁紹「き、聞き取れませんでしたわ。もう一度…」袁紹が促す。

一刀「降伏できません!!この大陸に誇示した自分の正義を裏切ることはできません!!」

袁術「な、なんじゃとー!?む、娘の命が大事ではないのか!」

袁紹「そ、そうです!!娘が殺されても良いのですか!!」

一刀「やれるものならやってみろ!!そんなに滅ぼされたいのであればな!!」鬼の形相で袁姉妹を睨む一刀。

袁姉妹「……」その迫力に呆然とする二人。その時、恋々を拘束していた袁術の腕が緩んだ…。

恋々「ととさまー!!」その瞬間に袁術から逃れ、一刀のもとに駆け寄ろうとする恋々。

 

その時!!

ガジッ!

袁術「の、逃さんぞ!!小娘!」袁術が逃げようとした恋々の肩を掴んでいた。

袁術「袁家を舐めるでないぞ!!おとなしくしておれば良いものを…一生おとなしくしておれ!!」

袁術が短刀を振り上げる。

袁紹「美羽さん!!何をするのです!殺してはいけません!!」

皇帝「袁術やめろ!」

一刀「恋々!!」

グサッ!!

恋々「う…」

ドサッ…

袁術の短刀が、恋々の胸を背中から貫いていた…

一刀「恋々ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」

恋々のもとに駆け寄り、抱きかかえる一刀。

袁術「はぁ…はぁ…はっ!!ななななな、何てことを!!」我に返り、袁紹のもとに走り去る袁術。

サジュッ!!

一刀は刺さっていた短刀を抜き、投げ捨てる。

一刀「恋々!!恋々!!」冷たくなっていく愛娘の名前を呼ぶ一刀。

恋々「…ととさま、れんれんはにげたけど…にげれなかった。…つよくなかったよね?」

一刀「そんなことない!!恋々は、途中まで袁術から逃げたじゃないか!強い子だ!」

恋々「ほんと?れんれん、うれしい…。でも、ととさまはもっとつよかった…えらいひとのまえでも

    ずっと、ととさまらしかった…」

一刀「恋々…」

恋々「ととさま…れんれんの、おねがい…きいてくれる?」

一刀「おねがい…?なんだ?」

恋々「あの、わるい…ひとたちを…ぜったいに、やっつけて…」

一刀「…わかった。ととさまが必ずやっつける!!」

袁姉妹「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

恋々「ほんと?じゃあ…やくそく…の…ちゅー、し…て♪」

一刀は恋々にキスをした。

恋々「あり…がと♪れんれん…かみさま…よ…ん…でいる…から…いかな…きゃ…」

一刀「恋々!!行っちゃダメだ!!」

恋々「とと…さま、かか…さま、りり…ちゃん、みんな…さ…よ…う…な…ら…」

一刀「恋々!!」

恋々「…」一刀の呼びかけに、恋々は反応しない。

一刀「ううっ…恋々…恋々ーーーーーーーーーーー!!!!!」人目をはばからず慟哭する一刀。

孝直「こ…こんな…ことが…あってもよいのかーーーー!!」恋々の叔父代わりであった孝直も泣き叫ぶ。

皇帝「え、袁術!!自分が何をしたのか、わかっておるのか!!」沈痛な面持ちで袁術を詰問する。

袁術「あわ…あわわわわ…」自分のやったことを理解したのか、恐怖に慄く。

一刀「…」恋々の亡骸を抱き、一刀は立ち上がる。

一刀「…我々は、降伏しません。では…」

皇帝に対する礼も忘れるほど沈みきった一刀は、広間を後にする。

皇帝「……」礼を忘れたことを咎めることもなく、一刀の背中を見送る皇帝がそこにいた。

 

恋々の遺体は、荼毘に付された。

一刀「恋々…約束は守るからな…」燃え盛る炎の前で呟く一刀。

孝直「飛燕殿…客人が見えております」

一刀「今はそんな気分じゃ…」

孝直「それが…ただの客人では…」

???「…北郷よ。先程はすまなかった」

一刀「皇帝陛下!!」慌てて礼を施す一刀。

皇帝「頼みがある。余をそなたのもとに連れ行ってくれ」

一刀「!?」

皇帝「おぬしは自分の正義を信じて動いおる。それが乱世を鎮めるためなのは余も知っておる。

    権威が落ちたとはいえ、余は漢の皇帝。袁姉妹を官軍にするのは、もう我慢ならん!!」

孝直「皇帝陛下…」

一刀「…この勅命、謹んで承ります」

皇帝を伴って新野に向かう一刀と孝直。

一刀は愛娘を失ったことを受け入れられない様子で、何も話さなかった。

孝直は一刀の代わりに、皇帝に色々と聞いていた。

孝直「しかし、よく城から出られましたね…」

皇帝「あの日、袁姉妹はよほど秘密裏に事を成し遂げたかったのか、城に兵を配置しなかったのじゃ」

孝直「卑怯な手口を使って降伏させようとしたことを隠したかったのですか…」

皇帝「そして、あのような事態が起きた。おぬしたちが帰った後、袁姉妹もすぐに広間から出て行った。

    その時に、兵を戻す指示を出すことを忘れたのじゃ。余はその隙に城から出てきたのじゃ」

孝直「でも、皇帝がいないと気付いたら…」

皇帝「その心配は無い。体格の似たものを影武者として、余が使っていた寝室の寝台に寝かせてある。

    病を発したと言えば、五日ぐらいはごまかせる」

孝直「そこまで用意周到でしたか…恐れ入りました。あと…玉璽は?」

皇帝「もちろん持っているぞ。これじゃろ?」おもむろに取り出す。

孝直「秦始皇本紀の記載と全く同じだ…よく奪われませんでしたね」

皇帝「袁姉妹が洛陽に入城した時に、ごまかしたのじゃ。紛失した、と」

 

洛陽を出て十日、一刀一行は新野に到着した。予め孝直が前もって皇帝が来ることを伝えておいたため、

城内は清められ、将官たちも全て揃っていた。

一刀「北郷一刀。ただいま戻りました…」声小さく報告する一刀。

紫苑「!!ま、まさか…」一刀が持っていた小さい包みを見た紫苑は全てを悟る。

孝直「とりあえず二人は私室へ…皇帝陛下の許可は頂いている。璃々は侍女に預けたから…」

侍女に連れられ一刀と紫苑は私室へ向かう。そして、私室に入った途端…

紫苑「恋々ーーーーーっ!!」変わり果てた姿を見て慟哭する紫苑。

一刀「…」何も言わず、ただ涙を流し続ける一刀。

紫苑「…恋々を殺したのは、袁姉妹ですわね?」

一刀「ああ…」

紫苑「恋々は最期、何か言っておりましたか?」

一刀「『わるい…ひとたちを…ぜったいに、やっつけて…』と言った。もちろん、約束した」

紫苑「恋々の最期の願い…必ず叶えましょう」

その後、お互い抱き合いながら、泣けるだけ泣き続けた。

 

孝直「…というわけだ」洛陽であった出来事を話し終えると、将官たちからも嗚咽が漏れた。

皇帝「余は何も出来なかった…余が殺したも同然だ…」

桔梗「陛下。あまり御自身を責めるのはよろしくありません」

張翼「仇討ちをせねばなるまい!!今すぐにでも兵を揃え、袁姉妹を叩こう!!」

張翼の発言に武官たちは声を大にして賛成する。

雛里「ま、待ってくださ~い!!我々だけでは負けてしまいます!!」

瑠里「雛里の言う通りです。単独では当たれません!」

雛里と瑠里が異を唱える。

張翼「二人は悔しくないのか!?我々の娘のような存在だった恋々が殺されたのだぞ!!」

雛里「た、戦うことに反対しているのではありませ~ん!仲間を増やしてから戦うべきです!!」

瑠里「固い絆で結ばれている孫呉と手を組み、袁姉妹に当たれば勝てます!!」

孝直「それには私も賛成だ。あとは、誰に使いをさせるか…」

一刀「オレが行く…」いつのまにか一刀がそこにいた。

孝直「ひ、飛燕殿!!おぬし直々にか?」

一刀「ああ…別件で用があるのでな。今は言えないが…」

瑠里「でも、その体と心の状況では…」

一刀「大丈夫…雛里、孫策は今どこにいる?」

雛里「はい…許昌にいるとの情報が昨日ありました」

一刀「なら今から行ってくる。三日もあれば着くだろう。あと、皆は襄陽に移ってくれ」

そう言うと、すぐに準備をして許昌に向かった。

 

-----許昌-----

三日後

兵士「孫策様。北郷一刀様がお見えです」

雪蓮「ほんと!?じゃあ、すぐここに通して♪」

兵士「はっ!!」

久々に一刀に会えると、呉の将は色めき立つ。しかし、一刀の姿を見て、誰もが息を呑んだ。

一刀「雪蓮…力を貸してくれ」会うや否や、ひざまずく一刀。

雪蓮「な、何があったの!?それに…左手が無いじゃない!!」

一刀「……娘を袁姉妹に殺され、オレは奴らの兵士に見せしめとして左手を斬り落とされた」

蓮華「ひ、ひどい。ひどすぎる…」あまりにも凄惨な出来事を聞き、絶句する蓮華。

冥琳「飛燕。お前の要望は全て受け入れる…言ってくれ」

一刀「まず、こちらの軍と連合して袁姉妹を滅ぼしたい。あと、皇帝を保護したから拝謁に来て欲しい」

雪蓮「皇帝を保護したの!?ということは、袁姉妹は逆賊ね」

一刀「ああ。それと、腕利きの医者・明命の刀を作った鍛冶・腕の良い木工職人を連れて来て欲しい」

冥琳「わかった…」

一刀の要望を受けて、冥琳は兵を動員。そして、医者・刀鍛冶・木工職人を呼んだ。

雪蓮「とりあえず三人を呼んだけど…何をする気?」

一刀「見ていてくれれば、わかる…」そう言うと、何やら指示を出し始めた。

一刀「刀鍛冶の方は、手から肘くらいの長さの刀を作って欲しい。早急に」

刀鍛冶「は、はい。わかりました」

一刀「木工職人の方は、その刀の鞘を兼ねた義手を作って欲しい」

木工職人「か、かしこまりました…」

一刀「そして…お医者さん。出来上がった刀をオレの手首に埋め込んで欲しい」

医者「ひ、左手を刀にしてしまうのですか?」

一刀「ああ。その通りだ。他の二人とよく話し合って最高の物を作って欲しい」

医師「…承知しました」

三人が去った後、雪蓮が不安げな表情で尋ねてきた。

雪蓮「飛燕…身体の一部を刀にする気!?」

一刀「使えないのであれば、武器にして活用する。何も出来ないよりはマシだから…」

 

依頼して二週間後

遂に全てが揃い、取り付け手術の日を迎えた。一刀は自分の左手を見て、手術室の前に立つ。

蓮華「飛燕…後悔は無いの?」手術室に入る前に蓮華が尋ねる。

一刀「無い…。必ず袁姉妹を滅ぼすと娘に約束したから」そう言って、手術室に入っていった。

手術は朝から始まり、終わったのは夕方ごろであった。

麻沸散を使って手術したので、一刀は痛みに耐えることなく手術に臨めたのであった。

部屋から出てきた一刀を見て、呉の将たちは驚いた。一刀の身体に刀が埋め込まれたことに。

一刀「この左腕の刀で袁姉妹を殺す…」

祭「…修羅になるのは良いが、成り果ててしまうなよ」

一刀「祭さん…もう遅いよ。自分の体を武器にしたのだから、もう人じゃない。オレは」

祭「…そうだな。でも、それは姿だけであって、心はまだ人の心を持っておる」

一刀「…」

祭「出発は三日後だ。身支度を整えておけ」

 

三日後

雪蓮率いる呉軍三十万は、一刀の案内で襄陽に向けて出発した。

一刀は道中ほとんど話さなかった。しかし、一刀から発せられる闘気は誰もが感じていた。

雪蓮「飛燕…闘気が発せられている。少し抑えないとまずいわよ」

一刀「あ、ああ…」

雪蓮「飛燕、母様に少し似てきたわね」

一刀「紅蓮殿に?」

雪蓮「それも戦場にいる母様にね…」

一刀「まぁ…義勇軍の頃からの付き合いだったしね」

雪蓮「でも、その闘気は何とかしないと…袁姉妹の軍師に突かれたらマズイわよ」

一刀「…ああ」

その後も、予定通りに進軍。一週間後、襄陽に到着した。

 

-----襄陽-----

襄陽に到着すると、城内が俄かにざわめいていた。

冥琳「何かあったのか?」

一刀「わからん…とりあえず中に入ろう」

城に入ると、騒ぎはすぐに収まった。

紫苑「飛燕!涼州が袁姉妹に滅ぼされました!!馬騰殿は殺され、馬超殿・馬岱殿がこちらに…」

馬超「北郷殿…すまない。あいつらの軍勢の差に負けてしまった」

一刀「これで華北一帯は袁姉妹の勢力下に置かれましたか…」

孝直「そしてもう一つ…袁紹が皇帝を僭称した。昨日来た使いが持ってきた書状だ」

一刀は孝直から書状をもらうと、封を開ける。

一刀「あの仇め…謝罪の言葉すら書かずに、決戦を申し込んできおった…」

書状の内容に、城内がざわめく。

皇帝「静まるのじゃ!!」皇帝が一喝すると、城内が静まり返る。

皇帝「ここにいる三つの勢力がおれば、袁姉妹は倒せる!!江東の麒麟児、孫策と錦馬超。

    そして、天の御遣いである北郷がおるではないか!!」

雪蓮・馬超「な、なぜ私のことを…」

皇帝「おぬしたちの活躍は、余の耳にも入ってきておる」

威厳を取り戻しつつある皇帝の姿に、皆が息を呑む。

皇帝「勅命を下す!!北郷・孫策・馬超!!」

一刀・雪蓮・馬超「はっ!」

皇帝「逆賊、袁姉妹をこの世から抹殺せよ!!」

一刀・雪蓮・馬超「御意!」

皇帝からの勅命が下った後、一刀は全ての将を集めた。

一刀「すまないが、空の小瓶と新品の筆を用意してくれ」

侍従にそう伝える。しばらくすると、それらが準備された。

一刀「よし。ここにいる皆は、袁姉妹への恨みを持つものが揃っている。孫策陣営は、国を奪われた。

    馬超殿・馬岱殿は国を奪われ、母親も殺された。そして、我が陣営は娘を殺された…」

一刀「奴等への返書を我々の血で書こうと思う。剣で指を少し切り、小瓶に入れて欲しい…」

そう言うと一刀は、義手を外して刀を抜く。

紫苑「ひ、飛燕…左手を刀にしたのですか?」

一刀「はい。どうせ使えないのなら、と思いまして…」そう紫苑に言うと、指を少し切る。

一刀「…んっ!」痛みに耐え、小瓶に血を注ぐ。

一刀「…ふぅ。じゃ、皆さんもお願いします」

一刀に倣って皆も指を切り、小瓶に注いだ。

紫苑「これで皆さんの血が注がれましたね…」

雪蓮「じゃあ飛燕。返書を…」雪蓮が書くように促した時、

皇帝「北郷よ…余の血も使ってくれ」

一刀「そ、それは畏れ多いことです!!陛下のお身体に傷をつけては、我々は立つ瀬がありません!」

皇帝「余も袁姉妹には恨みがある。漢を我が物顔で扱ったという恨みだ…」

一刀「…そこまでお考えだったとは、知りませんでした。では、お願い致します」

皇帝は短刀で指を切り、小瓶に血を注いだ。

一刀「では、返書を書く」皆の前で書をしたためる一刀。筆には皆の気持ちをこめて書いていった。

一刀「できた。これを相手の使者に渡してくれ」侍従に伝え、一刀たちは最終決戦の準備に入った。

-----洛陽-----

一刀が返書をしたためて十日後

袁姉妹の使者は洛陽に着き、すぐに袁紹に一刀からの返書を渡した。

袁紹「さて、何と言ってくるかしら…な、なんですと!!」返書の内容を見た袁紹が叫ぶ。

袁術「麗羽。どうしたのじゃ!?」

袁紹「美羽さん!と、とりあえず読んでみなさい!」袁紹が書簡を袁術に渡す。

袁術「な、なんじゃーこれは!!」袁術も驚いた、その内容は以下の通りである。

 

『報讐雪恨』

『我が娘を殺したにもかかわらず、謝罪の言葉は一つも無い。それにも増して皇帝を僭称するとは、

 猿が冠をかぶる以下の行為。ここに我々は、勅命により逆賊袁姉妹を滅ぼすため、孫策・馬超と

 連合を組む。決戦場所は新野。頸を洗ってから新野に来い。連合軍代表 北郷一刀』

 

袁術「れ、麗羽!しかも血で書かれているぞ!この書簡は!」

袁紹「そ、そこまで覚悟しているのですか…見くびっていました」

袁術「北郷だけならともかく、孫策と手を結ばれてしまっては、勝負の行方がわからんぞ!」

袁紹「では、兵を総動員しましょう!!何としても、勝たなくてはなりません!!」

袁姉妹は総動員令を発し、兵は八十万を集めたのである。

 

-----襄陽-----

明命「ただいま戻りました」洛陽で諜報活動をしていた明命が戻ってきた。

雪蓮「ご苦労。どうだった?」

明命「総動員令を発しました。集まった兵は八十万です!!」

皇帝「何と!」

一刀「大丈夫です。孫策殿の兵は三十万、私の軍の兵は四十万おります」

馬超「七十万なら、ほぼ互角だな。それに私が連れてきた兵が二万か…」

雛里「兵数の差は無いに等しいですね」

冥琳「あとは、どう戦うかだな…」

瑠里「まず、混成部隊を作らないでおきましょう。連携に乱れがでます」

馬超「そしたらアタシの部隊は遊撃で決定だな…」

雛里「そうですね。撹乱させるためにも、馬超殿の騎兵は不可欠です」

一刀「では、作戦は各々で決めよう。でも、戦が始まる前にはその作戦を伝えてくれ」

冥琳・馬超「わかった」

こうして、連合軍の準備は最終段階を迎えた。

 

数日後

玉座の間に、一刀・雪蓮・馬超の三人が揃う。

一刀「準備、全て整いました」

雪蓮「皆、陛下の御命令を待っております」

馬超「今こそ、逆賊を討つ御命令を」

皇帝「うむ。わかっておる。その前に…」そう言うと側近に何かを持ってくるように指示する。

側近が持ってきたものは、短刀であった。それが皇帝の手に渡る。

皇帝「よし…まずは、馬超。こちらへ」

馬超「はっ」馬超は皇帝のもとに行く。

皇帝「必ずや、母親と涼州の仇である袁姉妹を滅ぼすのだ!」そう言って短刀を直々に渡す。

馬超「はっ!!この命を懸けて、袁姉妹を滅ぼします!!」短刀をもらい、ひざまづく。

皇帝「孫策。こちらへ…」

雪蓮「はっ」つぎは雪蓮が皇帝のもとに行く。馬超は左側にずれる。

皇帝「国を奪った仇、そして母孫堅を妨害した袁姉妹を滅ぼすのだ!」そう言って短刀を直々に渡す。

雪蓮「御意!!」短刀をもらい、ひざまづく。

皇帝「北郷。こちらへ…」

一刀「はっ」最後は一刀が皇帝のもとに行く。雪蓮は右側にずれる。

皇帝「この短刀、抜いてみよ…」皇帝にそう言われ、一刀は渡された短刀を抜くと。

一刀「こ、この短刀は!!」その短刀には、血が着いていた。

皇帝「袁術が、おぬしの娘を殺した時に使った短刀じゃ。余が後に隠し持っていたのじゃ」

一刀「……」

皇帝「娘の命を奪った袁姉妹を滅ぼすのだ!そして、袁術をその短刀でえぐり殺すのだ!!」

一刀「この命尽きようとも、袁姉妹を必ず滅ぼします!!」

三人は持ち場に退くと、皇帝が城外に姿を現わした。

『ウォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

地響きのような歓声が鳴り響く。

皇帝「全軍、新野に向け進軍せよ!!そして、逆賊を討ち滅ぼすのだ!!」

『ウォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

 

襄陽を出て三日後

新野に着いた連合軍。時を同じくして、袁姉妹の軍も真正面に向き合う。

一刀が単騎で前に出る。それを見た袁紹は、怖いのか単騎で前に出ず顔良と文醜を連れて出る。

袁紹「北郷殿!!義手を付けいるにもかかわらず、戦をしかけるのですか?身の程知らずめ。ほっほっほ!!」

それに対し一刀は義手を外し、投げ捨てた。

袁紹「ひぃぃぃっ!!」袁紹は驚愕した。

一刀「これでも身の程知らずと言うか?この左腕で、我が娘の仇を取らせてもらう!!」

そう言い捨て、一刀は自軍に戻る。袁姉妹も大急ぎで自軍に戻った。

 

一刀「我が軍は袁術を攻撃する!!桔梗殿、先鋒をお願いする!!」

桔梗「あいわかった!!行くぞ!!攻撃開始だ!!」

『ウォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』一刀の軍が攻撃を開始する。

 

雪蓮「我々は袁紹を攻撃する!!祭と私が先鋒で攻撃する。冥琳と蓮華は軍の指揮だ!!」

祭・冥琳・蓮華「御意!!」

雪蓮「逆賊を討つ!!攻撃せよ!!」

『ウォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』雪蓮の軍が攻撃を開始した。

 

馬超「蒲公英!!お前は一万の兵を率いて袁術を攻撃しろ!!アタシは袁紹を攻撃する!!」

馬岱「はい!!」

馬超「涼州と母様を奪った袁姉妹を滅ぼす!!攻撃開始だー!!」

『ウォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』馬超も攻撃を開始。

ついに、最終決戦の火蓋が切って落とされた。

戦いは一進一退の攻防が続いた。

袁紹「猪々子さんの部隊に兵の補充を!!斗詩さんには美羽さんの援護をしろと伝えなさい!!」

伝令「はっ!!」

袁紹「私は馬超の相手をします!!」

張勲「紀霊さ~ん。私と北郷軍を挟撃しま~す!!」

紀霊「おう!!」

 

雛里「紫苑様は弓兵を率いて桔梗様の援護を!!飛燕様は遊撃で敵を混乱させてください!!」

紫苑「わかったわ」

一刀「ああ!!」

瑠里「孝直様も桔梗様の援護を。そこで軍師として行動願います」

孝直「わかった!」

 

冥琳「思春!!雪蓮の援護に向かえ!!」

思春「はっ!!」

蓮華「明命!!敵軍に忍び込み情報収集せよ!!」

明命「御意!!」

このような指示が幾度と無く発せられる。夜を迎えれば兵を退き、陽が昇れば攻撃の繰り返しだった。

 

戦を始めて一ヵ月後。

両軍の兵も半分以下となり、疲労の色も濃くなってきた。

その最中、明命から食糧庫を見つけたとの情報がもたらされた。

雪蓮は一刀にそのことを伝えると、一刀は狂喜乱舞した。

一刀「本当か!?そしたら今晩、袁姉妹の軍に変装して食糧庫を燃やしてくる」

雪蓮「ちょっと!食糧庫は警備が厳重よ!!」

一刀「そこの守将は淳于瓊のはずだ。夜空が炎の色に染まったら、本陣を突撃してくれ!!」

一刀は早速準備に入った。

 

一刀は五千の兵を率いて食糧庫に向かった。

途中の関門も『袁譚様の援軍だ』と言って難なく通過した。

一刀「淳于瓊様の兵を増員するように言われました」一刀が淳于瓊にそう伝える。

淳于瓊「おお!そうか!じゃあこちらへ…」案内しようと背を向けた瞬間…

ザシュッ!!

淳于瓊「グォッ…」右手に持っていた刀で胸を貫かれ仆れる。

一刀「食糧庫に火をつけろ!!これが決戦の狼煙だ!!」

『ウォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

炎は瞬く間に空を染めていった。

 

-----連合軍の陣-----

兵「敵陣から炎が上がりました!!」

紫苑「では、私が本陣に突撃します。そして、向こうで飛燕と合流します!」

雪蓮「蓮華!私と本陣に突撃するぞ!!」

蓮華「はい!!」

紫苑・雪蓮「突撃…開始!!」

『ウォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

 

-----袁姉妹の陣-----

顔良「陛下ー!!大変です!」

袁紹「なにを慌てているのですか。斗詩さん」

袁術「どうしたのじゃー?」

顔良「食糧庫が、襲撃されました!!」

袁紹「ぬわんですってぇ!?」

顔良「兵は大混乱しております!ご指示を!」

袁紹「おおおおおおおお、おのれっ!!北郷め!!」

兵「大変です!!敵軍が本陣に向けて突撃してきました!!」

袁紹「と、とととととととりあえず迎撃しなさい!」

 

一刀は襲撃後、変装を解いてすぐに突撃を開始した。

ザシュ!!グサッ!!ズシュッ!!ザシュ!!グサッ!!ズシュッ!!

雲霞の如く襲ってくる兵士を薙ぎ倒しながら先へ先へと進む。

一刀「どんどん進め!!立ちはだかるものは全て斬り捨てろ!!」檄を飛ばしながら先に進む。

しばらくすると、敵軍から『敵だー』という声がした。声がした方向を見ると、紫苑の軍勢だった。

一刀「援軍が来たぞー!!」士気は最高潮に達し、一刀の躍動に磨きがかかる。

ザシュ!!グサッ!!ズシュッ!!ザシュ!!グサッ!!ズシュッ!!ザシュ!!グサッ!!ズシュッ!!ザシュ!!グサッ!!ズシュッ!!

まるでダンスを踊るかの如く、敵兵をどんどん斬り倒していく一刀。

一刀「紫苑さーん!!」紫苑の姿を見た一刀が叫ぶ。

紫苑「飛燕!!」声に気付き、馬を走らせる。

一刀「紫苑さん!!うまくいきました!」

紫苑「お見事です!!袁姉妹はあちらにいます!!」紫苑が袁姉妹の居場所を指差す。

一刀「では、仇討ちへ…!!」

紫苑「はい!!」

二人は袁姉妹の場所に向かった。

ザシュ!!グサッ!!ズシュッ!!ザシュ!!グサッ!!ズシュッ!!

兵を倒しながら先に進むと、袁姉妹がいた。既に、雪蓮と蓮華が顔良と文醜と刃を交えていた。

一刀「袁術ーーーーーーーーーーーーーーっ!!」凄まじい怒鳴り声で叫ぶ一刀。

袁術「ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」驚き、腰を抜かす袁術。

紫苑「我々の娘の仇よ!!死んでもらう!!」

袁術「七乃!!紀霊!!こやつ等を斬れ!!」

張勲・紀霊「御意!!」

 

雪蓮「はぁっ!!」バキィン!!文醜「くっ…!!」

顔良「てゃあーっ!!」ガキィン!!蓮華「ちっ…!!」

紫苑「はぁぁっ!!」バキィン!!張勲「ぬぬぬっ!!」

一刀・紀霊「おりゃあああっ!!」ガキィン!!一刀・紀霊「ぐぐぐぐぐ…」

優勢になれば劣勢になり、劣勢になれば優勢になる。また、相手が入れ替わることもあった。

一刀「じゃまだーっ!!」ザシュ!!グサッ!!ズシュッ!!ザシュ!!グサッ!!ズシュッ!!

そして、隙を見ては群がってくる敵兵を殺していった。

その時!!

ヒュンッ!!グサッ!!

一刀「ぐぉっ…」一刀の胸を一本の矢が貫いた。

袁紹「ほーっほっほっほっ!!油断しているからですよ!!」袁紹の手には弓があった。

紫苑・雪蓮・蓮華「飛燕!!」紫苑が一刀のもとに行こうとするが

張勲「おおーっと。ここから先には行けませんよ」張勲が目の前に立ちはだかる。

一刀「ゴホッ!!」吐血し、膝を付く一刀。

紀霊「へへへっ…死ねやぁーーーーー!!」一刀めがけて剣を振り下ろす紀霊だったが…

一刀「まだ…死ねるかぁーーーーーーー!!」一刀は紀霊の胸めがけて両方の刀を突き出す。

グサッ!!

紀霊「ぐぉっ…」振り下ろす前に、一刀の刀が心臓を刺していた。前のめりに仆れる紀霊。

一刀「ぬぬぬぬぬ…てゃあああああ!!」

グサッ!!

自分の胸を貫いていた矢を引き抜いた一刀。そして、袁紹を見る…

袁紹「し、しぶとい奴ですわね…」

文醜「陛下!!今助けに!!」文醜は袁紹の盾になろうと退く。そこに隙が生まれた。

雪蓮「はぁぁっ!」その隙を逃せまいと、前に進み剣を横に薙ぐ。そして、

ザシュ!!ゴロゴロゴロ…

後ろに退いたのは、文醜の胴だけであった。

袁紹「猪々子さーーーーーーーーーん!!」絶叫する袁紹。

顔良「え!?文ちゃん!?」文醜の戦死に動揺したのか、たじろぐ顔良。その隙を蓮華は逃さなかった。

蓮華「覚悟!!」

ザクッ!!

顔良「ぐはっ…」胸を剣で貫かれた顔良は仆れていった…

袁紹「あ…あ…」顔良・文醜を失い、へたりこむ袁紹。そこに雪蓮と蓮華が歩いてくる。

雪蓮「袁紹…あの時、よくも我が国を奪ってくれたな」

蓮華「しかも喪の途中に侵略してくるとは…ケダモノ以下だ!!」

袁紹「ふんっ!!綺麗事だけで生きていけると思ったら大間違いですわ!!」

雪蓮「確かにそうね…じゃあ、綺麗に殺すことはやめるわ…蓮華!!」

蓮華「袁紹!!食らえーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

グサッ!!グリュグリュグリュ!!

袁紹「ぎいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

蓮華は剣を袁紹の胸に突き刺し、抉る。

雪蓮「袁紹!!地獄で母様に殺されて来い!!くたばれ!!」

グサッ!!バキバキバキ!!

袁紹「ゴボケボコボガボ!!!!!!!!!!」

剣で口を貫かれた袁紹は、自らの血の海の中で絶命した。

蓮華「お姉様…助けましょう!」

雪蓮「ダメよ。手出しは今のところ無用よ」

 

袁術「あわわわわわわわわ…」腰が抜けて動けなくなっている袁術。

一刀「…」その袁術に向かって歩み寄る一刀。しかし、

一刀「ゴホッ!!」再び吐血し、膝を付く一刀。血の量は増していた。

袁術「は、はははは!!毒矢だったからな!!苦しかろう!!もうじき貴様も死ぬのじゃ!!」

一刀「…だから何だ!!」

袁術「ひぃっ!!」

一刀「もはや命なんぞ惜しくない…貴様を殺し、恋々の仇を取る!!」

再び立ち上がり、袁術に近づく。その足取りは重く、そして弱くなりつつあった。

一刀「ゴホッ!!ゴホッ!!」三度吐血し、膝を付く。そこに袁術が立ち上がり、近づく。

袁術「貴様も娘と同じように、胸を貫かれるがよい!!」短刀を抜き、そして…

グサッ!!

一刀「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」矢が刺さった場所を再び刺され、絶叫する一刀。

袁術「はははははは!!わめけ!叫べ!苦しめ!」そして、抉ろうとしたその時!!

グサッ!!

袁術「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

一刀の左腕が、短刀を持っていた袁術の腕を貫いたのである。そして、あの短刀を右手に持ち…

一刀「恋々の恨み思い知れ!!」

ザクッ!!グリュグリュグリュ!!

袁術「ぎいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

あの短刀で、袁術の心臓を刺し抉ったのである。

一刀「冥土の土産に教えてやる。この短刀は、貴様が恋々を殺した時に使った短刀だ…」

袁術「あ…あ…」

一刀「最後の仕上げだ…紫苑さん!!」

紫苑「はいっ!!」

張勲「隙あり!!」

雪蓮「そっちが隙ありだ!!」

ザシュッ!!

張勲「ぐっ…背後からとは…ひきょうだぞ…孫策」仆れる張勲。

雪蓮「あなたたちよりもマシよ。黄忠殿、今です!!」

紫苑「袁術!!恋々の仇、取らせて頂く!!」

ザシュ!!ゴロゴロ…

袁術の頸が転がる。

一刀「お、終わった…」バタリと仰向けに倒れた一刀。

紫苑「飛燕!!今すぐ手当てを!!」一刀を抱き抱える紫苑。

一刀「もう…手遅れです…紅蓮殿や恋々が呼んでいる…」

紫苑「そんな、あなたはまだすべきことが残っています!!」一刀の身体が冷たくなっていく…

一刀「私の役目は終わりました。あとは、残った者で漢を支えてください…」

紫苑「飛燕…」涙かとめどなく落ちる。

一刀「雪蓮、蓮華…」

雪蓮「飛燕…」

一刀「あまり…遊べな…かったな」

蓮華「そんな、これからじゃない!!」

一刀「ごめん…それは…無理っぽい。紫苑…」

紫苑「はい…」

一刀「最後の…お願いです。キスしてください」

紫苑「はい…」

最後の口づけを交わす二人。

一刀「来世…でも…一緒に…なりま…しょう」

紫苑「飛燕?…飛燕!!」

一刀は紫苑の呼びかけに反応しなかった。

紫苑・雪蓮・蓮華「飛燕ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!」

北郷一刀、戦死。

一刀の葬儀は、国家再統一の功労者として、国葬として執り行われた。

戦乱の世を駆け抜けていった『天の御遣い』の死は、多くの民が涙した。

 

その後、漢王朝の再建が進み、これまでの隆盛を取り戻しつつある中、紫苑は引退を申し出た。

雪蓮「紫苑…やっぱり引退するの?」

紫苑「はい…故郷の長沙で飛燕と恋々を弔い続けたいと思ってます」

桔梗「…決意は変わらぬか?」

紫苑「はい…」

皇帝からも慰留された紫苑であったが、紫苑の決意は固かった。

その後、紫苑は引退。長沙に隠居した。

紫苑「飛燕、恋々。二人のおかげで平和な世の中が訪れました。でも、あなたたちは、もういない

    でも、他の皆がこの平和を守っていく姿を見ていてくださいね…」

紫苑はその後、毎日、一刀と恋々の墓に参り、誰とも再婚しないまま璃々と過ごしていったという。

 

エピローグへつづく。


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