No.1081502

九番目の熾天使・外伝 ビヨンド・ジェネレーションズ

竜神丸さん

ちょーひっさびさの更新ナリ。

『仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズ』の要素が含まれている為、ネタバレを避けたい人は注意。

2022-01-03 23:29:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:6535   閲覧ユーザー数:2084

 

とある並行世界の地球、時代は2071年。

 

現世に蘇った強大な悪魔【ディアブロ】が率いる悪魔の軍団により、その世界は支配されてしまっていた。

 

日本の上空に浮かび上がるは、上級悪魔だけが暮らせる【デビルシティ】。

 

僅かに生き残った人類は、地上に暮らす下級悪魔によって奴隷にされてしまっていた。

 

下級悪魔から人間に与えられる1日分の食糧はほんの僅か。

 

当然、悪魔に逆らった人間は容赦なく抹殺される。

 

その日を生きるのに精一杯な人類は、既に反逆の意志を失いつつあった。

 

ある時だった。

 

そんなディストピアと化したその世界に……別の次元から、ある人物達が漂流して来てしまったのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――うーん、弱りましたねぇ」

 

日本の東京、渋谷。

 

悪魔によって破壊の限りを尽くされ、荒れ果てた渋谷の街中では、少数の人間達が下級悪魔【ギフジュニア】に働かされていた。鎖に繋がれた人間が歩かされるその様子を、巨大高層ビルの屋上から眺める者達がいた。

 

「さて、本当にどうすれば良いんでしょうか。ねぇ、ヴィヴィアンさん?」

 

「え……えっと、私には、わかりません……」

 

1人は、OTAKU旅団のナンバーズにしてマッドサイエンティスト、竜神丸ことアルファ・リバインズ。

 

その竜神丸に引っ付くように行動を共にしているのは、竜神丸が同じナンバーズであるZEROと共に拾った、聖王オリヴィエのクローンである少女―――ヴィヴィアン。

 

悪魔に支配されたこの世界に、どうしてこの2人がいるのかと言うと……

 

「いやまさか、回収されてきたロストロギアの封印が中途半端だったせいで、いきなり暴発したかと思えばこんなよくわからない世界に飛ばされてしまうんですから。全く困ったものです」

 

全ては、とあるロストロギアが楽園(エデン)まで回収されてきた事が始まりだった。そのロストロギアがどうやら空間転移系の能力を持っていたようなのだが、そのロストロギアの封印処理が不完全だった為に、運搬されていたところに竜神丸とヴィヴィアンがたまたま通りかかった瞬間、ロストロギアが誤作動を起こし、2人を別世界へと転移してしまったのである。竜神丸からすれば傍迷惑な話と言えよう。

 

「ま、文句を言っても仕方ないのは大体いつもの事……問題は」

 

竜神丸が再度ビルから地上を見下ろす。ギフジュニアに奴隷として働かされ、時には力尽きて倒れたところをギフジュニアに力ずくで叩き起こされている姿もあった。

 

「あの悪魔達、確かokakaさんから聞いた話だと……デッドマンズ、でしたっけ? やたら数が多いのは、その雑兵だからでしょうか……」

 

「……」

 

竜神丸がタブレットを通してギフジュニア達の様子を分析する中、竜神丸の隣で地上を見下ろしていたヴィヴィアンは、表情はあまり変わらないながらも、疲弊している人間を容赦なく虐げるギフジュニア達の姿を見て、静かに拳を強く握り締める。

 

「また感情が昂ってますよ、ヴィヴィアンさん」

 

「ッ……ご、ごめんなさい」

 

「……憎いですか? あの悪魔共が」

 

「……」

 

竜神丸の問いかけに、ヴィヴィアンは無言でコクリと頷く。竜神丸は仕方ないと言いたげな様子で溜め息をつきながらも、タブレットを操作してギフジュニア達の観察を続行する。

 

「憎いと思うのは別に構いません。その感情は、今のあなたにとっては大きな力となります……が、一定値を越えてしまわない(・・・・・・・・・・・・)ようにお願いしますよ。また暴走されると対処が面倒です」

 

「……はい」

 

竜神丸からそう告げられた事で、ヴィヴィアンは大きく息を吸ってからゆっくり息を吐き、強く握り締めていた拳をゆっくり開く。すると気分が落ち着いたのか、ヴィヴィアンの表情はまたいつもの無表情に戻った。それを確認した竜神丸はタブレットに視線を戻した後、自分達の置かれている状況を改めて確認する。

 

(しかし、本当にどうしたものか。先程から何度もテレパシーを送ってみてはいますが、まるで返答なし。いつもなら誰か1人くらいは反応してくれるはずなんですが……)

 

タブレットを使って連絡を取ろうともしてみたのだが、まるで反応がない。一度、竜神丸のテレポートで転移も試してみたのだが、何故か(・・・)世界から出られなかった。その時点で、自分達が今いるこの世界が普通じゃないという事は明らかだった。

 

(ロストロギアの誤作動自体、楽園(エデン)で発生した事なのだから、ナンバーズが誰も気付いていないというのは流石にあり得ない……もしくは、私達の事をまだ発見できていないのか……?)

 

一体、何が原因でそのような事になってしまっているのか。普段は全く遭遇する事のない事態に、思考を張り巡らせる竜神丸だったが、他にも気になる事があった。

 

(上空に浮かんでいるのは……街、でしょうか? あそこからは悪魔の邪気が複数感じ取れる……その中でも、とびっきり強力な悪魔が1体……)

 

と、竜神丸が上空に浮かんでいる巨大な街【デビルシティ】を見上げていた……その時。

 

「! おっと」

 

「ひゃう……!?」

 

ズガガガガァンッ!!

 

何かの気配を察知した竜神丸が、ヴィヴィアンを抱えてその場から跳んだ直後。2人が先程まで立っていた場所に数発の弾丸が飛び、火花が飛び散った。何事かと思い、離れた場所に着地した竜神丸が振り向いた先には、思わぬ存在の姿が複数確認された。

 

「ッ……ショッカーライダー!?」

 

「「「「「「フッ……!!」」」」」」

 

2人を追い詰めるように現れたのは、あの仮面ライダー1号、仮面ライダー2号とほとんど同じ姿をした6体の仮面の戦士。しかし、同じ姿をしているだけで、それらは仮面ライダーに非ず。黄色の手袋とブーツを装備し、それぞれ異なる配色のマフラーを纏ったその戦士達―――“ショッカーライダー”は、紛れもない怪人だった。

 

(妙ですね、ショッカーライダーが何故ここに……?)

 

ショッカーライダーがここにいるという事は、ここはショッカーに支配された世界なのか。最初はそう予想する竜神丸だったが、その予想はすぐに違うと判断した。

 

(いや、その線は薄そうですね。このショッカーライダー達から感じられる気配、これはデッドマンズの雑兵共とほとんど同じ……つまり)

 

「姿を真似ただけの悪魔……という事ですか!!」

 

「ッ……!!」

 

竜神丸は即座に1本の神刃(カミキリ)を出現させ、そこから振るった斬撃でショッカーライダー達の足元を攻撃する。突然の攻撃にショッカーライダー達が怯んだその隙に、竜神丸の腕から降ろされたヴィヴィアンがその場に片膝を突き、全身を光らせる。すると変身魔法の効果で、少女だったその肉体は大人の女性に変化し、その身に黒いボディスーツと白いジャケットが纏われる。三つ編み状に結われた金髪が風で靡く中、竜神丸は懐から取り出した1つのベルトをヴィヴィアンに投げ渡す。

 

「変身を許可します。今度は暴走しないように」

 

「……了解」

 

ヴィヴィアンが竜神丸から渡されたベルト―――“メルゼリベラドライバー”を胴体に持っていくと、自動でベルトが巻かれ装着される。続けてヴィヴィアンは右手に構えたスタンプ状のアイテム―――“バイスタンプ”の上部スイッチを押して起動する。

 

≪アナコンダ!≫

 

≪What's Coming-up!? What's Coming-up!?≫

 

音声が鳴った直後、メルゼリベラドライバーの中央部から鉄骨状のエフェクトが出現し、それがヴィヴィアンと近くにいる竜神丸を守るように檻の形状をしたフィールドを展開。ショッカーライダーが指先から放つ弾丸が全て防がれる。

 

≪What's Coming-up!? What's Coming-up!?≫

 

電子音が繰り返し鳴り響く中、ヴィヴィアンは右手に持ったアナコンダバイスタンプを上に高く掲げた後、一気に振り下ろしてメルゼリベラドライバーの上部にセットし、それを横に倒す事で下部に付いているパーツが下に開かれる。

 

「変身!」

 

≪リベラルアップ!≫

 

「「「「「「グッ!?」」」」」」

 

すると檻のように形成されていた鉄骨状のエフェクトが一斉に弾け飛び、ショッカーライダー達を攻撃する。その間に、ヴィヴィアンの全身を赤黒いアナコンダのようなエフェクトが素早く動き回り、ヴィヴィアンの全身にライダースーツを纏わせていく。そしてヴィヴィアンの顔には金色のアナコンダが後ろから覆い被さり、1つの仮面として形成される。

 

≪Ah Going my way!≫

 

≪仮面ライダー! オ・オ・オリ~ヴィア~!≫

 

黒いアンダースーツと、手足などに纏われた赤黒い装甲。

 

胸部装甲に描かれたアナコンダの紋様。

 

赤い複眼を持つ金色の仮面と、アナコンダの尻尾を思わせるポニーテール状の装飾。

 

「―――はっ!!」

 

アナコンダの特徴を併せ持った戦士―――“仮面ライダーオリヴィア”への変身を完了したヴィヴィアン。そんな彼女のすぐ隣では、赤黒い邪気の中から1体の怪物が出現する。

 

「メル、メル~」

 

それは赤黒いアナコンダのような特徴を持った、まるでゆるキャラの着ぐるみのような姿をした怪物。コブラの黒い口の中から金色の目を怪しげに覗かせるその怪物―――“メルゼー”こそ、ヴィヴィアンに宿っている悪魔だった。

 

「変身もスムーズにできるようになりましたねぇ。感心感心」

 

「……はぁっ!!」

 

竜神丸が呑気な口調で眺める中、オリヴィアは瞬時に動き出し、一番前に立っていたショッカーライダーNo.1に正面から殴り掛かる。その強烈な一撃はショッカーライダーNo.1を圧倒し、オリヴィアはそのまま他のショッカーライダー達にも攻撃を仕掛けていく。

 

「てやぁ!!」

 

「ガァ!?」

 

ショッカーライダーNo.2には顔面に飛び膝蹴りを炸裂させ、後ろから襲い掛かろうとして来たショッカーライダーNo.3には後ろ回し蹴りを放ち、襲い来るショッカーライダー達を寄せ付けない。その圧倒的な格闘術を前に、ショッカーライダー達は押される一方だった。更には……

 

「メル……メッルゥ!」

 

「グワァッ!?」

 

無防備な状態で放置されていたメルゼーに、ショッカーライダーNo.4が殴り掛かろうとする。しかしメルゼーが金色の目を怪しく光らせた瞬間、メルゼーの短い両手に黒いディスク状のエフェクトが発生し、それが飛来してショッカーライダーNo.4の胴体を斬りつけ、左腕を容赦なく斬り落としてしまった。

 

「メル、メルルゥ~♪」

 

「やれやれ、楽しそうで何よりですよ」

 

ショッカーライダーの片腕を容赦なく切断しておきながら、まるで嘲笑しているかのように鳴き声を発するメルゼー。その様子に苦笑する竜神丸だったが、そこにショッカーライダーNo.5とNo.6が襲い掛かる。

 

「「ハッ!!」」

 

「おっと、危ない危ない。ゆっくり観戦もさせてくれませんか」

 

ショッカーライダーNo.5が繰り出して来た蹴りをかわし、逆に蹴り倒した竜神丸は懐から別のベルト―――“ザイアサウザンドライバー”を取り出し、腰に装着する。

 

「本当はジーンを使いたかったところですが、アレは今メンテに出してますし……取り敢えずこれで良いか」

 

≪ゼツメツ・Evolution……!≫

 

≪ミリタリーホーン!≫

 

更に白衣のポケットから、恐竜の姿が描かれた赤いカードディスクのようなアイテムを2つ取り出す。その内、2本角の肉食恐竜が描かれたアイテム―――“カルノタウルスゼツメライズキー”を、ザイアサウザンドライバーの左側のスロットに装填。続けて3本角の角竜が描かれたアイテム―――“トリケラトプスゼツメライズキー”を右手に持ち、上部スイッチを押してディスクを展開し、今度は右側のスロットに装填。ザイアサウザンドライバーの中央部のパーツが左右に展開される。

  

「変身」

 

≪パーフェクトライズ!≫

 

「「グワッ!?」」

 

竜神丸の左右から、それぞれカルノタウルスとトリケラトプスの頭部を模した赤いエフェクトが出現し、ショッカーライダー達を弾き飛ばす。それから2つのエフェクトが竜神丸の周囲を何周か浮遊した後、エフェクトが2つ同時に弾け、アーマーパーツとなって竜神丸の全身に纏われ、変身が完了する。

 

When the five weapons cross(5つの兵器が交わる時), the JET BLACK soldier ZAIA is born(漆黒の戦士ザイアが誕生する).≫

 

I am the president(私こそが社長).≫

 

Presented by ZAIA(ZAIAエンタープライズの提供でお送りします)……なんちゃって♪」

 

漆黒のボディに赤い複眼、恐竜達の角が合わさり5本角となったその戦士―――“仮面ライダーザイア”はおどけた様子でそう告げた後、どこからか取り出した金色の槍型の武器―――“サウザンドジャッカー”を構え、襲い掛かって来たショッカーライダーNo.6を薙ぎ払う。そこにショッカーライダーNo.5が腕から電撃を放ち、ザイアはそれを横に転がって回避する。

 

「ほぉ、良い電撃ですねぇ……では」

 

≪ジャックライズ!≫

 

ザイアはサウザンドジャッカーの柄部分のレバーを引き、柄のトリガーを引く事でサウザンドジャッカーの先端部分に電撃が纏われ始める。

 

「ライトニングホーネットの電撃……お召し上がれ!」

 

≪JACKING BREAK!≫

 

「「ガ、グアァァァァァァァァァッ!?」」

 

ザウアが振るうサウザンドジャッカーから雷の斬撃が放たれ、ショッカーライダーNo.5とNo.6に強烈な電撃が襲い掛かる。放電能力を持つNo.5ですら完全には防ぎ切れず、2体纏めて大爆発を引き起こした。

 

「ふぅ……さて、ヴィヴィアンさんの方はどうでしょうかね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ!!」

 

「グッ!?」

 

一方、ヴィヴィアンが変身したオリヴィアは今、片腕を失ったショッカーライダーNo.4を蹴り飛ばし、No.3に激突させていた。その間にオリヴィアはメルゼリベラドライバーの下部パーツを閉じてからバイスタンプを上に上げ直した後、それを再度横に倒してから大きく跳躍する。

 

≪アナコンダ・スタンピングスマッシュ!≫

 

「メル~!」

 

電子音と共にメルゼーの姿が変化し、巨大な赤いアナコンダのような姿となってオリヴィアの周囲を回転。その状態からオリヴィアが飛び蹴りの体勢に入り、ショッカーライダーNo.3とNo.4目掛けて繰り出される。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「「グアァァァァァァァッ!?」」

 

オリヴィアのライダーキックと巨大アナコンダが同時に炸裂し、2体のショッカーライダーが爆散。爆炎が燃え盛る中、着地したオリヴィアがゆっくり立ち上がり、巨大アナコンダはまたメルゼーの姿に戻る。

 

「はぁ、はぁ……!」

 

「ほぉ、私抜きで2体も倒すとは。ZEROさんもよく鍛え上げたものですね」

 

少し息が荒いオリヴィアだったが、そのまま残るショッカーライダーNo.1とNo.2にも攻撃を仕掛ける。No.1がブーツの爪先から伸ばした短剣もかわし、ショッカーライダーNo.2の顔面を殴りつけたオリヴィアは、続けてパンチの連撃を喰らわせようとした……しかし。

 

ドガァンッ!!!

 

「あぐぅ……ッ!?」

 

「!?」

 

オリヴィアの背後から、何者かが強烈なパンチを炸裂させた。地面を転がされたオリヴィアが見上げた先には、ショッカーライダー達とは異なる姿をした仮面ライダーが立ち塞がっていた。

 

「ッ……誰……!?」

 

「フッフッフッ……」

 

防弾チョッキのようなプロテクターに、人間の口元のようにも見えるクラッシャー、頭部の触角に赤い複眼、そしてショッカーライダーの物に酷似したライダーベルト。不敵に笑うその戦士―――“仮面ライダー4号”は生き残った2体のショッカーライダーを従え、オリヴィアに襲い掛かる。

 

「!? あのライダーは……?」

 

仮面ライダー4号という見覚えのない仮面ライダーを前に、ザイアは仮面の下で疑問の表情を浮かべつつもオリヴィアに加勢しようとした……が。

 

「―――ッ!?」

 

直前で殺気を感知したザイアが後ろに下がった瞬間、彼の足元に1発の矢が突き刺さる。ザイアが振り向いた先では、隣のビルの屋上から赤い弓を構えている仮面ライダーの姿があった。

 

「デュークだと……!?」

 

レモンのような黄色の鎧とマントを装備した戦士―――“仮面ライダーデューク”の姿に、同じ装備を所持しているザイアは驚愕しつつも、デュークが赤い弓―――“ソニックアロー”から連続で放って来る矢をかわし、サウザンドジャッカーのレバーを引いて技を発動しようとしたその直後……

 

「フンッ!!」

 

「!? チィ……ッ!!」

 

今度はザイアの真横から、別のライダーが長剣を振るって攻撃して来た。サウザンドジャッカーで防御したザイアの前に立ちはだかるは、金色の懐中時計のような意匠と、【太陽の子】を彷彿とさせる容姿を持つ戦士だった。その顔には時計の針を模した触角があり、何より目立っているのは【ライダー】という文字の形状に象られている仮面の赤い複眼だった。

 

「その姿、確かクォーツァーの……くっ!!」

 

【太陽の子】を思わせるその戦士―――“仮面ライダーバールクス”は、鍔部分に風車の意匠を持つ長剣を構えてザイアに斬りかかり、ザイアもサウザンドジャッカーで応戦する。互いの武器が激しくぶつかり合い、鍔迫り合いの状態に持ち込むザイアだったが、そこに遠距離からデュークが狙撃を仕掛ける。

 

「チッ……ぬぉっと!?」

 

鍔迫り合いをしていたバールクスが長剣の刀身を発光させ、切れ味の上がった長剣でサウザンドジャッカーを押し退ける。更にデュークの狙撃がサウザンドジャッカーを弾き、ザイアに反撃をさせまいとする。

 

(ザイアのシステムでは、2人同時に相手取るのは得策ではありませんね……ッ!!)

 

「ハァ!!」

 

「うあぁっ!?」

 

「メ、メルゥ~!?」

 

更にそこから離れた場所では、4号のハイキックを受けたオリヴィアが床を転がされていた。メルゼーも負けじと黒いディスク状のエフェクトを飛ばすが、4号は巧みな動きでそれを回避し、メルゼーも同じように蹴り飛ばしてオリヴィアの横に転倒させる。

 

「ハァァァァァァ……!!」

 

≪ロック・オン……!≫

 

≪フィニッシュタイム!≫

 

4号は右足にエネルギーを集中させ、右足を緑色に発光させ始める。デュークはソニックアローに錠前型のアイテム―――“レモンエナジーロックシード”を装填し、バールクスは装備しているベルト―――“ジクウドライバー”を回転させて長剣にエネルギーを収束させていく。

 

(!? マズい……ッ!!)

 

≪ジャックライズ!≫

 

≪JACKING BREAK!≫

 

「フライングファルコン!!」

 

3人のダークライダーが一斉に必殺技を繰り出そうとする中、ザイアはすかさずサウザンドジャッカーのレバーを引いてトリガーを押し、サウザンドジャッカーの先端から放出したエネルギーでピンク色の巨大なハヤブサを出現させる。飛翔した巨大ハヤブサはデュークのソニックアローから放たれた一撃を防ぎ切った後、ザイアを拾って飛び上がる事でバールクスの飛ばして来た斬撃を回避する。

 

「引きますよ!!」

 

「ひゃ!?」

 

「メルッ!?」

 

そのまま巨大ハヤブサはオリヴィアの方にも飛来し、4号のライダーキックが迫り来る寸前でオリヴィアとメルゼーを回収し、4号のライダーキックが空振りに終わる。巨大ハヤブサはそのまま何処かに飛び去って行き、その後を追いかけようとする4号達だったが……

 

「ギフ、ギフ……」

 

「!」

 

どこからか現れた1体のギフジュニアが、4号の耳元で何かを囁いた。それを聞いた4号は驚いた様子でギフジュニアに視線を向けた後、デュークとバールクスにも視線で合図を送る。それを見たデュークとバールクスも驚く反応を見せた後に無言で頷き、ザイア達を追いかける事なく何処かに姿を消すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――追手は来ませんね」

 

どこかの地下通路。古い電灯がチカチカと点滅する中、物陰に隠れたザイアはザイアサウザンドライバーから左右のゼツメライズキーを抜き取り、変身を解除して竜神丸の姿へと戻る。その隣ではダメージを受け過ぎたオリヴィアが壁に背をつけて座り込んでおり、メルゼーがオリヴィアの事を心配そうに見ていた。

 

「メ、メル、メルゥ~……!」

 

「はぁ、はぁ……ッ……!」

 

「……あなたもダメージを受け過ぎましたね。今は休みなさい」

 

オリヴィアの前で片膝を突いた竜神丸は、オリヴィエのメルゼリベラドライバーからアナコンダバイスタンプを取り外し、オリヴィアの変身が解除されると共にメルゼーの姿も消える。それからヴィヴィアンの変身魔法も解け、その姿が大人から少女へと戻ってしまった。

 

「ッ……すぅ、すぅ」

 

(暴走はしないで済みましたが、やはり“暴王の月(メルゼズ・ドア)”の燃費が悪過ぎる……まだまだ課題は多いようですね)

 

竜神丸も同じように壁に背をつけて座り込み、その隣ではヴィヴィアンが竜神丸の白衣にしがみつき、離れないようにしてから眠りについている。竜神丸はヴィヴィアンの体調に異常がない事を確認してから、先程まで自分達が相対していたダークライダー達の事を考える。

 

(奴等から悪魔の気配が感じ取れたという事は、奴等もショッカーライダーと同じ、外見と能力を真似ただけの悪魔という事か……面倒この上ない)

 

いくらTウイルスで超人的な肉体を手にしたとはいえ、結局のところ、竜神丸もカテゴリー的には人間という生き物でしかない。肉体の構造が根本から違う悪魔に長期戦でもされてしまうと、流石の彼でも余裕で凌げるとは限らないのだ。

 

そして、気になっている事が1つ。

 

(……何故、奴等は追って来ない?)

 

あれだけ戦闘を行ったのだ。追手の1人や2人くらいはやって来てもおかしくないはず。だというのに、彼等が隠れている地下通路は嫌というほど静かだった。もちろん、そんなアッサリ見つけられても困るは困るのだが、今は物陰から地下通路の様子を見てみても、ダークライダーどころか、ギフジュニアの1体すら見当たらない。

 

「……まぁ、ひとまず今は休息といきましょうか」

 

次にまた見つかった時に万全の状態で戦えるよう、今は消費した体力を取り戻すのが最優先だ。そう判断した竜神丸は座り込んだ状態のまま、ヴィヴィアンと共に静かな眠りへと落ちていく。

 

 

 

 

 

 

竜神丸達は知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

実は竜神丸達が逃走した後、ダークライダーの姿をした悪魔―――“デビルライダー”達に、ギフジュニアを通じてある命令が下されていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【百瀬龍之介が発見された、見つけ次第始末せよ】……と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ……ッ!!」

 

とあるトンネル通路。1人の男が、息も絶え絶えの状態で、必死に走っていた。その後ろからは複数のドローンが飛行し、逃げる龍之介を追いかけ回す。最悪な事に、追いかけて来ているのはドローンだけではなかった。

 

「「「「「ギフ……ギフ……ギフ……」」」」」

 

龍之介を追いかける、複数のギフジュニア達。更に今、それらを率いている者達がいた。

 

「クハハハハハ……!」

 

「フッ」

 

「ハァァァァァ……」

 

コブラの意匠を持った紫色の戦士―――“仮面ライダー王蛇”。

 

黒いマントを羽織った白い戦士―――“仮面ライダーエターナル”。

 

魔法使いを思わせる金色の戦士―――“仮面ライダーソーサラー”。

 

デビルライダー率いるギフジュニアの大群から逃げ続けていた男は、とうとう袋小路に追い詰められてしまった。

 

「ッ……来るな、来るな……!!」

 

その時。男の足元にあるハッチがガコンと開き、そこから眼鏡と帽子を身に着けた老人が姿を見せた。

 

「君、こっちだ!!」

 

「へっ!?」

 

「早くしろ!!」

 

いきなり現れた老人に驚く男だったが、今はデビルライダー達から逃げるのが先だ。そう判断した男は老人に続くようにハッチの中へと入り、2人はハッチの下に続く地下室へと逃げ込んでいく。そして物陰に身を潜めた後、老人は男にある事を問いかけた。

 

「君、名前は!?」

 

「え!?」

 

「名前を聞いてるんだ!!」

 

老人は何かを期待しているかのような目をしており、男は何が何だかわからない状態だったが、ひとまず名前を名乗る事にした。

 

「も……百瀬、龍之介……!」

 

逃亡していた1人の男と、科学者である1人の老人。

 

2人が出会ったその瞬間……物語の歯車は、大きく回り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 

 

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