No.1053983

前メイド長”シンシ”3

咲夜が活躍する物語。
レミリアの予知能力が働く話。

2021-02-10 13:59:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:421   閲覧ユーザー数:421

咲夜がそこで見たもの、異形だった。

おどろおどろしい”フランドール”という怪物。

姿は見たくもないのに、目がいってしまう。

大きい体。禍々しい目。ドラゴンの様な翼。異形の毛むくじゃらの体。

美少女どころではない。

正真正銘の化け物がそこにはいた。

その化け物は、化け物たる動きがなかった。

静止した空間、咲夜は時を止めて、紅魔館への途上まで来ていたのだ。

つまり、一方的に攻撃が出来るのだが、それをしなかった。

案外簡単にスルーして、紅魔館に向かう。

紅魔館で起きている事も知らずに。

 

「紅魔館は、今日も平和です。」

 

紅魔館の中で、咲夜は語り出す。

 

「何しているの?咲夜?」

 

ちょっと酷いものを見て、RPGのノンプレイヤーキャラクターの様に成っていたのである。

 

「何でもないです。」

 

「咲夜、パチュリーがどう成っているか、知っている?」

 

「知らないですが、何でしょう?」

 

「酷い事に成っているわよ。見て来なさい。」

 

運命を操る程度の能力を持つレミリアは、予見していたのだ。

彼女の友人パチュリーの状態を。

 

「命令とあらば、行きましょう。」

 

図書室は、巨大な蜘蛛の巣だらけだった。

広いのもあいあまって、パチュリーを探す事を困難にしていたのだ。

蜘蛛の巣をナイフで千切りながら、咲夜はパチュリーを見つける。

 

「パチュリー様、パチュリー様!」

 

蜘蛛の巣に磔(はりつけ)に成った彼女は、良く生きているものだ。

刺し傷があり、致命傷ではないが、重症に思える傷だった。

具体的には、お腹を刺されていた。

 

「これは・・・・・・。」

 

解毒の必要がある様だった。

毒虫の類に刺されたのだろう。

お腹の傷が炎症を起こしている。

 

小悪魔が発言する。

 

「パチュリー様は大丈夫ですか?」

 

「手伝って、重症よ。」


 
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