No.1046075

近未来文明が残る惑星 第14話

meguro さん

閲覧有難うございます。今回は半年も待たせてしまい申し訳ありませんでした。
ついに第ニ章の幕開けです。また様々なキャラクターが登場し、一難去ってはまた一難の展開です。

今後も作品の更新は2、3ヶ月に1度のペースになります。
良ければ感想やアドバイス等宜しくお願いします。

2020-11-14 20:08:04 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:43   閲覧ユーザー数:43

 

この作品はフィクションです。実際の史実と場所は関係ありません。

 

 

 

前回のあらすじ

 

小田原を敵軍に襲撃され、誘拐されたリックはついに敵軍の陣地の一つ、上田に到着した。

リックは自分の任務の為に、虚しく犠牲になったであろう仲間の為に生き残る為に、真田幸村に会う事を決心した。

 

 

上田の城下町に到着した。

小田原とはまた違い、活気づいた町だった。

 

「ここが上田……あの城に真田幸村がいるんだな……」

 

大きな城が目についた、リックは自分の目的の為に真田に会う事を決意した。

すると、城の方角から赤と黒の鎧を身にまとった武士が2人、こちらに向かってくる。

 

「金の髪、青い目……間違いない。お前が例の人物だな?迎えに来た。」

 

どうやら真田の家臣らしい、リックを迎えに来たのだった。

 

「分かりました。……でも足を怪我しているから……あれ?出血が止まっている?」

 

リックは、足に痛みが無いことに気が付いた。包帯を外すと傷口がかさぶたになっていて、治療が必要ない状態に見えた。

銃に撃たれた傷がこんなに早く治るはずがない、美月が何かしたんだろうか……。

 

「おい、どうした?歩けるのならさっさと着いてこい」

「あ、はい……」

 

上田城の城門をくぐると、もみじやイチョウなど美しい紅葉があちらこちら目についた。

小田原ではまだ残暑が残り暑い日や続くというのに、こっちではもう秋になっている。

土地によって季節の変化があると知ったリックは、鮮やかな紅葉に少し心を和ませた。

すると、染まりかけているもみじの木を眺めている男性がいると―――

 

「ゆ、幸村様!こちらにいらしたのですか!」

「ああ、ご苦労様。ふーん……あの人が……」

 

どうやらもみじを眺めていた人物が噂の真田幸村らしい。

鷹羽さんや氏政様と似た服を着ていた。

灰色かがった黒髪に鈍い赤色の銀朱色と鼠色の服が印象的だった。

 

(身分が上の人間はああいった、袴というスカートみたいなヒラヒラした服着るのか……

そういえば、鷹羽さん達……きっともう……)

 

自分だけが助かってしまった事を悔み、俯くリックだった。

 

「金の君」

「……」

「金の髪の君だよ。無視とは中々肝が据わっている」

「えっ?あっすみません!」

 

考え事をしていたせいか、真田幸村の声に気が付かなかった。

 

(どうしよう、怒らせちゃったかな?ここまで来たのに、殺されるかもしれない……!)

 

しかし、リックの後悔をあとにケラケラ笑っている真田幸村。

 

「まあいいや、その無礼も異国からの客人という事で特別に許そう」

「あ、有難うございます!」

 

どうやら許してくれるようだ。

 

「それにしても……小汚いな君。その姿で城に入るのは、兄上が怒りそうだ。

先に体を洗ってくるといいよ、私は先に行って待っているから。」

 

そう発言すると、リックを連れて来た武士にこっちだと連れていかれてしまった。

 

 

 

 

武士に案内された先は日本庭園が見える誰もいない裏庭だった。

大きな杉の木の下に、女中が一人立っていた。両手には服の様な物とそばに横に大きなたらいを用意していた。

 

「あの、これは?」

 

嫌な予感を感じ恐る恐る女中に話しかけた。

するとあの松利と同じように、本当に喋ったというような驚きの表情をする。

 

「も、申し訳ありませんでした。噂に聞いておりましたが、本当に和の言葉を話せるなん  て……ええとですね、今からこのたらいで身を洗ってもらいます。」

「……え?洗うって、この容器で?これだけの水で?」

 

この時代の一般庶民の家には、風呂場が無いというのは何となく分かっていた。

小田原でも浴室が無いから、3日に一度近くの川の浅瀬で体を洗っていた事はあった。

しかし、衛生管理がしっかり整っていたコロニーで生まれ育ったリックには、川で洗うというのでもかなり抵抗感があり、発狂して逃げ回ってた事もあったというのに……

 

「ちょっと、水の量が足りないんじゃ……それに見えない様に囲いは無いんですか!?」

「ありません、幸村様が待っておられるのです。早くしてください。私は後ろ向いていますから」

「えええー……どうしよう」

 

女中は素っ気ない態度に戻って、淡々と話す。

しかしそう簡単に服を脱ぐことは出来ず、顔と手足と目立つ汚れだけ洗ったのだった。

 

「これをどうぞ。着替えです」

 

女中から渡された服は、この星に来て最初に着た着物と同じ緑色の着物だ。

緑というよりは若緑色の着物と灰色の袴だった。

 

「これって、武士の方が着る服ですよね?俺にいいんですか?」

「これを着る様にと渡されたので……」

 

慣れないながらも、なんとか着物と袴を着ることが出来た。

 

「あらお似合いですよ。流石、幸村様!来訪者の方に態々服を用意して下さるなんて、優しいお方。」

「この服、あの真田幸村が用意してくれたのか……益々真意が分からない……」

「今、呼び捨てしました?」

「し、してません!ちゃんと幸村様って言いました!はぁ……」

 

(あの人はこの地に俺を呼んで、何が狙いなんだ?

もしかして小田原同様、ここにも近未来の遺産があるのか……?

だとしても、どうして俺の事を知っているんだ?)

 

リックは疑問ばかり浮かんだ。

そして、身なりを整え城の中に案内される。

 

 

――――――

 

 

右へ左へ曲がり、しばらく廊下を歩くととある部屋の前で女中は止まった。

 

「ここが幸村様のお部屋でございます。くれぐれも失礼の無い様に」

 

女中が中にいる真田幸村に向かって、声を掛ける。

そして障子が開くと振り向き、悪戯っ子のように笑う真田の姿があった。

 

「失礼します」

 

リックは緊張しながら、入室した。

 

「こちらにおいで、見せたい物がある」

「はい……」

 

真田は何故か片手しか見せず、その場に止まっていた。

リックは言う通りに真田の近くに移動し、再び正座をしてまっすぐに見つめた。

 

「改めて自己紹介をしようか、私は真田幸村。君の名前は?」

「……リク……と申します」

「どこから来たんだい?」

「……海を越えたその向こうから」

「……」

 

質問に答えたのにかかわらず、真田の顔はより一層氷の様に冷たい表情に変わった。

 

「……嘘ばっかり。君は嘘つきなのかな?それとも我々には理解できまいと馬鹿にしているのか?」

「いや、そんな……」

 

そして怒りを示すように強く足音を鳴らし、鋭い言葉でリックに近づく。

 

「君の名前はリック・アーガスト。出身は海の向こうではなく、宇宙の向こうだろう?」

 

見事にリックの名前とずっと誰にも信じてもらえなかった、宇宙から来た事を言葉にする真田幸村。

――――そして次にリックが目にしたのは、松利が持っていたのと同じハンドガンだった。

その銃口をリックの頭に近づける。ずっと隠し持っていたのだ。

 

「最後の問いかけだ。我々には君が必要なんだ、だから真田に忠誠を誓ってもらえるかな?これから君が死ぬまで」

 

リックの緊張は頂点になった。冷や汗も止まらず手の震えも止まらない。

こんな時どう対処すればいいか、士官学校で習ったはずなのに思い出せない。

 

 

答えを間違えたら即死だ、でも彼らがやってきた事を許すことは出来なかった。

 

「……俺が必要な理由は、ここに近未来文明の遺産があるからですか?

それならその調査には協力します。しかし、こんな脅迫するような言い方では、貴方に忠誠を誓う事は出来ません!」

 

「…そうか、私の言い方が悪かったんだな。では、我々の野望の為に、君の知識が必要なんだ。私に忠誠を誓ってくれ」

 

真田幸村は言い方を変えた、先ほどよりも露骨な内容になっていた。

彼はにこりと微笑むが、その微笑みは天使よりも悪魔に見える。

しかしそれでも、首を縦に振らないリックだった。

 

「はぁ……勘弁してくれないか。これ以上、君を嫌いになりたくないし、怒りたくないんだ。本当に怒ってしまうと、自分でも理性が利かなくなって、最悪殺してしまうかもしれない。……仕方ない、おーい!」

 

真田は何やらぶつぶつ呟くと部屋の奥で待機していた武士がぞろぞろとリックを取り囲む。

 

「ほら、今、君が求めてるのはこれだろう?」

 

別の部屋で待機していた真田の家臣たちが持ってきたのは、3本の銀の脚立に白い筒が斜めに置かれていた道具だった。まさにそれは―――

 

「―――っ天体望遠鏡!こんなものまで……!?」

 

そして、もう一人「捕虜」と呼ばれた人物がリックの目の前に連れて来られた。

両手を後ろに拘束され、戦いを思わせるその服は血まみれのボロボロ、顔も足も血と酷いアザの後が、見ていて痛々しかった。

 

「――――っ鷹羽さん!」

「……」

 

鷹羽は懐かしい声に反応し、ゆっくり顔を上げると眼を見開き、再び俯いた。

 

「君が着替えてる時に地下牢で拷問されてる彼に聞いたよ、中々話さないから思った以上に時間掛かったれどね。さぁ、どうするんだい?」

 

真田は持っていたハンドガンを鷹羽に向ける。言わば人質として脅迫していた。

リックは強く手を握り俯いてしまった。

 

 

     次回に続く

 

 

 

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