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「改訂版」真・恋姫無双 ~新外史伝~ 第43話

「改訂版」になった時、今回の事は予め決めていました。

理由については、この人物なら在りかなと言うことで。そして先に言っておきますが、今回のパターンはこれ限りで以降の登場人物にはこのような事はありませんので以後ご承知おきください。

まあ色々と言いたいことがあると思いますが、難しく考えないで下さいw。

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2020-05-31 21:08:15 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1909   閲覧ユーザー数:1397

「ご主人様…本当にこの人数で大丈夫?」

 

「璃々…心配する気持ちは分かるけど、ここまで来たら腹を括りなさい」

 

璃々は前日、碧から賈駆が降伏に反対していたことを聞いて、気になり一刀に会談への随行人員を増加する様に要請したが、一刀は律儀に約束事を違えることが出来ないと璃々の進言を拒否して人員の増加をせず出発することにした。

 

紫苑は一刀が考えを変えるつもりが無いことが分かっていたので静観していた。

 

しかしながら万が一という事があるので紫苑は護衛に名乗り出たことから璃々もこれに追随、更に翠たちも一刀の事が心配で護衛に名乗りを上げたため、流石に一刀もこれを拒否することが出来ず、結果的に随行員は将達が中心となる形になった。

 

更に白湯も付いて行きたいと申し出たが、これは余りにも危険ということで留守番となり、皇甫嵩と盧植が万が一の備えで残ることとなったが、紫苑や真里の極秘指示により一刀に気付かれず、又董卓軍にも察知されない様、後方から急変に備え密かに部隊を引き連れ出陣することにした。

 

そして紫苑と真里は先遣隊を出して、会場の視察と董卓軍の様子を探り、董卓が規定通りに人数で来ているかどうか確認する様に命じていた。

 

そんな中、璃々は未だ一抹の不安を抱いているのに対し、経験の差というべきか紫苑は表面上落ち着き払っていた。

 

そんな中、会談場までもう少しというところで一騎の早馬がやって来たが、騎乗している兵は気を失っているのかこちらに速度を落とさずにやってくるのが目に入った。

 

これを見た翠は

 

「チィ!」

 

素早く馬を走らせ、すぐさま早馬と並走に持ち込み匠に早馬の手綱を操り並足まで速度を落とす。すると兵の姿を見ると背中に数本の矢が刺さっていたので翠は近くに居た兵たちに

 

「おい!お前ら直ぐにこいつを下ろせ!!」

 

指示を出し、兵を馬から降ろす。

 

これを見た一刀たちは兵の元に駆け寄り、兵の姿を見ると真里が顔色を変え

 

「偵察に出していた者の一人です」

 

真里の言葉を聞くと皆、一斉に顔色が変わり

 

翠が兵の顔を叩き

 

「おい!しっかりしろ!!何があった!!」

 

「翠お姉さま!相手は怪我人ですよ!!無茶したら駄目です!!」

 

「そんな事言っている場合か!」

 

負傷して気絶している兵に翠は無理やり起こし問い詰めようとすると、横にいた鶸が翠に制止を試みるも翠は制止を振り切り兵士を無理やり起こそうとする。

 

「ウゥ……」

 

「おい!大丈夫か!!一体何があった!!」

 

「この先…華雄……の兵がいます……」

 

兵が最後の力を振り絞り、翠たちに言葉を言い切るとそのまま力尽きた。

 

「おい!」

 

翠が声を掛けるも兵からの返事も無く、腕がだらんと下がった状態であるのを見て翠は周りの者に分かる様に無言で首を横に数回振った。

 

「この先に華雄の兵がいるって…ここから直ぐに引き上げないと…」

 

「いや…もう手遅れだな。見な」

 

碧は蒲公英の言葉を直ぐに否定して戦闘態勢の気配を見せる。

 

皆は碧が目にした方向を見ると遠目であるが先程の兵を追跡してきた小隊が近づいて来ているのが判読でき、一刀らは無言で戦闘態勢の姿勢を取り小隊を待ち構える。

 

すると先頭で現れた武装した兵が無言で一刀たちに襲い掛かろうとすると紫苑と璃々が戦闘開始とばかりに

 

「ハァ!」

 

「セイ!」

 

二人が斉射すると二射とも心臓に突き刺さり即死状態でその場で倒れるも追跡してきた兵はそれに怯む事なく一刀たちに襲い掛かろうとする。

 

「ご主人様に手を掛けるのは百万年早いんだよ——!」

 

しかし翠が怒りの一撃で兵を切り捨てると碧や渚、蒲公英、鶸、蒼並びに一刀や真里、それに護衛の兵も追跡してきた兵を切り捨てる。

 

追跡してきた兵が一刀たちと同数程度でましてや腕の差があり過ぎたので全滅させることには成功、そして一刀たちに負傷者した者も居なかった。

 

だがこれが結果的に華雄の本隊に追いつかれる状況となり

 

「チィ…本隊が来やがったか」

 

翠が厳しい表情を崩さずにいると横にいた碧が

 

(「ここは私と渚が残る、アンタは一刀さんらと蒲公英らを連れて逃げな。反論は許さないよ」)

 

碧は華雄の本隊を見て、全滅を避けるため、自分と渚が殿として残る事を決意する。

 

翠は反論したかったが、この状況で誰かが犠牲にならないと撤退できない事は明白であり、碧の覚悟は翠にも分かっていたので

 

(「……分かったよ。ご主人様たちの事や蒲公英らはこの私が守るよ」)

 

短時間の間で碧と翠は決意を固め、紫苑も

 

(「ご主人様と璃々は先に行って下さい。私は敵を食い止めますわ」)

 

この状況での三人共倒れは決して許されない、だから旗印の一刀と“娘”の璃々を逃がして自分がこの場に残るのは当然であると言われれば二人は反論する余地は無い。

 

(「少しだけ頑張ってくれ、直ぐに応援の部隊を呼んでくるから」)

 

(「待ってますわ」)

 

一刀は秘匿の追随部隊の存在は知らないが、紫苑を勇気ずける為に直ぐに応援の部隊を寄越すよう告げる。

 

すると軍勢から華雄自身が出てきて

 

「我が名は華雄!董卓様に仇名す北郷一刀!!董卓様のため、貴様を殺す!!」

 

華雄は金剛爆斧を手にして一刀殺害を堂々と予告する。

 

一刀も華雄の口上を聞いてすぐに逃走せず、敢えて華雄の真意を聞く。

 

「……華雄さん、一つ聞いていいかな?」

 

「何だ、命乞いの相談は聞かぬぞ。だがそれ以外の話なら聞いてやる」

 

華雄は余裕の表情を浮かべ一刀の話を聞く。

 

「命乞いじゃないけど、華雄さん董卓様のためと言っていたけど、それは董卓さんから命令されての事かどうか聞かせ欲しい」

 

「む……董卓様の命令などでは無い!そして董卓様はそのような卑怯な命令は出さない!これは自分の信念で董卓様の危機を救うべく立ち上がったのだ!!」

 

華雄は一瞬回答を躊躇ったが、董卓の指示であれば董卓自身に傷つく恐れがあり、そして賈駆にそそのかされたと言うのは言い訳がましいというのもあり、今回の行為はあくまでも華雄自らだけの行為であると強調する。

 

だが一刀は華雄が一瞬回答に躊躇いがあったのを見逃さなかった。これは華雄だけの計画では無いと判断するが、これ以上詮索するのは許されなかった。まず一刀はここから脱出しなければならなかった。

 

「ここは私と渚で喰いとめる!他の者は一刀さんと一緒に逃げな!!紫苑アンタもだよ!!」

 

碧は紫苑の言葉が聞こえていたので紫苑にこの場で残る愚を避けさせ、翠たちと後退するよう指示する。

 

華雄は碧の声を聞くとすぐさま部隊に突撃命令を下そうとする

 

「そうはいくか!総員とつげ…」

 

ザシュ!!

 

華雄が部隊に今まさに一刀を討ち取るための命令を出されようとしたところに華雄と一刀の部隊の間にある物体が飛んできて地面に突き刺さる。

 

「何!」

 

「これは…」

 

華雄と碧は足を止め、その物体を見た瞬間、二人は声を上げる。それはある人物が所有している武器である

 

“方天画戟”

 

そのものだと直ぐに気づき、方天画戟が飛んできた方向を見ると

 

「呂布……何故お前がここにいる?」

 

「恋!?」

 

予想外の登場人物に流石の華雄や碧も驚きの声を上げ、一刀たちも驚きのあまり後退せず立ち止まった。

 

特に華雄の驚きは相当な物で華雄の中では呂布は函谷関で賈駆に捕らわれていると思っていたからだ。

 

しかし呂布は華雄の方には見向きもせず無言で一刀の方に足を運ぶ。

 

近付く呂布のただならぬ気配に驚き翠たちは無意識に道を開けてしまい、呂布はそのまま一刀に近付く。

 

ここで漸く近づいてくる呂布に紫苑と璃々が一刀の前に立ちはだかると、ここで呂布は足を止めて一刀ら三人をじっと見つめる。

 

一刀や紫苑、璃々は呂布のただならぬ気配に警戒心は解かずにそのまま対峙する形となる。

 

そしてその場で静寂の間が流れ、すると呂布から思わぬ言葉が出てきた。

 

「あっ……やっぱり……ご主人様だ。それと…何で紫苑が若くなっているの?あと……璃々?成長した?」

 

「りょ、呂布……まさか」

 

「えっ…恋ちゃん…」

 

「えっ!?恋お姉ちゃん、記憶があるの!?」

 

一刀は真名を呼ばない様にしていたが、紫苑と璃々は驚きのあまり思わず呂布の真名を呼んでしまう。

 

「……ご主人様、恋のこと真名で呼んでくれない……恋、何か悪いことした?」

 

呂布は紫苑と璃々が真名を呼んだことに対し、一刀が真名を呼ばなかったことについて寂しげな表情を見せると

 

「恋、記憶が残っているのか?」

 

「……きおく?」

 

一刀の問いに呂布は小首をかしげ、一刀を見つめながら

 

「えっと……恋とご主人様と紫苑と子供の時の璃々と一緒にいた記憶は何となくある」

 

若返った紫苑や成長した璃々を一発で見破る恋を見て紫苑は驚きを隠せず

 

「驚いたわ……今まで記憶が蘇るという話を聞いたことないけど…野生の勘を持った恋ちゃんだからありかもしれないわね……」

 

今まで誰一人前外史の記憶が蘇っていない中、唯一蘇った呂布の記憶の復活に紫苑は驚きを隠せない。

 

「おい!呂布!!こいつがご主人様とはどういうことだ!!」

 

事情を知らない華雄は呂布に対し怒りの声を上げるが呂布は華雄を無視して一刀たちに質問する

 

「ご主人様…月、何かあったの?」

 

「俺も分からない。恋も知っているだろう今日、俺と董卓さんと話し合いするのを。だけどここに来たのは軍勢を連れた華雄だ」

 

一刀の説明に呂布は無言になる。

 

呂布は董卓が捕られる前に函谷関を無断で出てきたので未だ董卓が捕らわれている事は知らない。

 

だが呂布は今日一刀と董卓の話し合いは知っているし、董卓自身は一刀に降伏する意向を示していることも知っている。しかし話し合いに来たのが華雄の部隊。一刀の説明で呂布は董卓に何か異変があったことに漸く気づく。

 

「華雄…月、何かあった?」

 

「呂布、その話は後だ!まずは私と一緒に北郷一刀を討つぞ!!」

 

呂布は首を横に振り

 

「華雄……ご主人様は月を助けてくれる。そんな月を殺すような真似はしない。華雄お前こそ引け」

 

「呂布さっきからこいつの事をご主人様と呼んでいるが、まさか貴様…敵と通じていたのか!?」

 

華雄は呂布と共に一刀を討つ誘いを掛けるが、呂布はこれを拒絶。そして呂布が先程から一刀の事を「ご主人様」と呼んでいることに一刀との内通を疑い始める。

 

「違う、月は月。ご主人様はご主人様」

 

「ええい!もういい呂布!!こいつ斬るか斬らないかはっきりしろ!!」

 

華雄は呂布の返事に理解出来ず痺れを切らし、呂布に最終決断を迫る。

 

しかし呂布は一刀の旗を見て

 

「恋は呂奉先。ご主人様の一番槍。そして…ご主人様の敵は恋の敵。だから華雄…ご主人様を斬ると言ったから…お前は敵だ」

 

「な、何だと!?呂布、貴様董卓様を裏切るのか!?」

 

呂布が一刀側に付いた事に華雄は明らかに動揺する。

 

「恋、ちょっと待ってくれ。華雄さんを殺すのは止めて欲しい。理由は今回の事がどうなっているか全く分からない。だから華雄さんを捕まえて事情を聞きたい」

 

一刀は呂布の武勇は分かってはいるので下手をすれば華雄を殺してしまう恐れがあったので、まずは状況を把握するために華雄を捕虜にすることを優先とする。

 

一刀の言葉を聞いて呂布も理解して

 

「分かったご主人様。華雄……手足一本でゆるしてやる」

 

「ふ、ふざけるな!華雄隊掛かれ!!」

 

華雄は一刀や呂布共々討つことを決意し、精強な兵として定評がある華雄隊は呂布に恐れることなく一刀たちに襲い掛かる。

 

呂布は方天画戟を再びに手にすると

 

「華雄は助けるが…それ以外の羽虫は死ね」

 

呂布の振う方天画戟の一振りで、呂布を囲もうとした5人が一瞬にして首と胴体が離れ、それを恐れずに他の兵数名が我武者羅に突撃しようとするが、逆に当たること無く返り討ちに遭う。

 

これを見た華雄の兵たちが一瞬怯んだところを紫苑たちは見逃さない。

 

「曲張比肩の弓の味、その身にとくと味わいなさい!!」

 

「恋お姉ちゃんにこれ以上近づかせないよ!!」

 

紫苑と璃々は呂布を囲もうとする兵たちに矢を放ち

 

「オラ———!死ねや!!」

 

「しゃっおらぁぁぁぁ!ぶっ飛びやがれ———!!」

 

碧と翠が兵をなぎ倒すと蒲公英らも勇を振るって華雄の部隊の兵を次々と倒していく。

 

「馬鹿な…呂布や馬騰が強いことは分かっていたが、天の御遣いどもも強いではないか…」

 

華雄は自軍の兵たちが呂布だけでは無く、一刀、紫苑、璃々たちにも倒されるのを見て驚きの声を上げてしまう。華雄は一応一刀たちの話は聞いていたものの話半分として侮っていた。

 

そして呂布が戦いの中を搔き分け、華雄の目の前に現れると華雄は悔しそうな表情を浮かべ

 

「……呂布」

 

「……華雄、降伏しろ。今なら怪我しなくても済む」

 

「誰が降伏なぞするか!喰らえ呂布!!」

 

呂布は華雄に降伏するように言うが、華雄は怒号を上げ自らの獲物である金剛爆斧を振り上げ、呂布に襲い掛かるが

 

「華雄……いつもより遅い。焦りが出ている」

 

呂布は平然と方天画戟で華雄の一撃を受け止めると呂布は一気に距離を詰め、方天画戟を振るう。

 

「グッ!」

 

華雄は何とか呂布の斬撃を受け止めるが、呂布は方天画戟を捻り、華雄の金剛爆斧に絡ませるようにして捻ると一瞬に戦斧を華雄の手から弾き飛ばす。

 

「ば、馬鹿な!!」

 

華雄は自分の手を見て呆然としていた。

 

ゴボッ!

 

「ウッ…」

 

そしてその隙を突いて呂布は華雄の腹部に拳を打ち込む。

 

当身を食らった華雄は一瞬苦しい表情をしたが、やがて気絶した。

 

「……華雄を捕らえた。これ以上の抵抗は無駄、武器を捨てろ」

 

呂布は華雄を捕らえた事を告げ、華雄の兵たちに降伏を迫ると兵たちは一部逃げだす者が出たが、ほとんどの兵は武器を手放し降伏したのであった。

 

 


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