No.1030795

近未来文明が残る惑星 第12話

meguro さん

閲覧有難うございます。
物語も第1章クライマックスの最後ら辺に差し迫っています。思ったより書く事が多くて、話のテンポが少し悪くなってますね……(汗) 頑張って早く2章に移りたいところです。次回も1,2ヶ月の間で更新する予定なので宜しくお願いします。

2020-05-25 19:50:56 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:21   閲覧ユーザー数:21

この物語はフィクションです。実際の人物、地名、歴史とは関係ありません。

 

 

一方その頃―――

 

真田軍の忍び松利と那岐は怪我して瀕死の状態であるリックを手当てする為に、白い着物を身に纏った美しい女性に案内された。

劣化したトンネルから草木が生い茂る獣道を少し進んで行くと、忽然と真っ白く四角い建物が見えた。

 

「うわ…変わった建物ですね…武家屋敷でもないし、お城でもない…この建物は一体なんですか?」

 

松利とリックを抱えた那岐は不可思議な建物を見て唖然とする。

 

「研究所です。…と言っても貴女方には関係ないですけど」

 

女性は淡々と質問に返事をし、透明な扉に手を当てるとピコンと機械的な音が鳴り扉が開いた。

 

「うわっどうなってるんだ!?」

「中は薄暗いので気をつけて付いて来て下さい」

 

石ではない、レンガでもない堅い石の様な素材で出来た建物の奥に進むと、開けた広い部屋に辿り着いた。女性が再び壁に手を当てると、眼が眩む眩しい明かりが部屋全体を照らした。

しかし12畳以上はある広い部屋には6畳ほどの畳と布団と色々な瓶が並べてある奇妙な棚しか置いてなかった。

 

「ここは一体!?ロウソクもないのにどうやってこんな明かりを?」

「…さて、到着しました。怪我人をこちらへ」

「おい!少しは質問に答えろよ!」

 

2人は見た事ない物ばかりで困惑しながら、辺りを見渡した。

そんな2人を無視するように女性は淡々と、リックを治療する準備をする。そんな女性に少しイラつきながらも那岐はリックを布団の上に寝かせた。

 

「これでいいのか?」

「はい、ここまでご苦労様でした。もう帰って頂いて構いませんよ」

 

あまりにも身勝手な女性に那岐はついに怒った。

 

「はあ!?テメェ…ここまで運ばせておいて、用が無くなったらさっさと帰れだと!ふざけるな!!」

「ちょっと、那岐落ち着いて…!神様…せめてここがなんなのか教えて貰えませんか?」

「…先ほど言ったように研究所です」

「けんきゅうじょ…ってなんだよ!それに、俺達もそいつが必要なんだ!」

 

怒りをぶつける那岐を気にせず、黙々とリックの治療を続けていた。

よく見ると女性は銀色に鋭く光る小刀よりも小さな刃物を使っていて、他にも同様の銀色の先が尖った物など見慣れない道具が女性のそばの木箱の中に置いてあった。

 

「あら、そうなんですか。しかし私にもこの方に聞きたいことがあるのです」

「そうかよ、それじゃあ勝手にしろ。お前はさっさとコイツを手当てして、聞きたいことを聞けばいい。その後俺達は急いで上田に向かう」

 

一方的に怒りをぶつけた後、ふんと不機嫌そうに顔を横に向ける那岐であった。

 

 

「……いけない、このままだと…すみませんが、何方か動物を狩って来てくれませんか?出来れば猪や鹿、熊の様な大きい獣をお願いします」

「…はぁ?突然なに言い出すかと思ったら、獣狩って来いって何言ってんだ?狩ってきてどうするんだよ。肉でも食わせるのか?」

「いいえ、輸血をします。このままでは死んでしまいます、私では出来ないですし貴女方の血液でもいけない。そうなると獣の血を採取して、ろ過し、装置で作り替えた方が早い。お願いします」

「何言ってるか分からないけど、そいつの命が助かるなら分かったよ。ここでまた文句言ってもしょうがないしな。行くぞ松利」

「うん!」

 

女性からの頼みを素直に聞き入れた那岐と松利は、さっそく狩りに外に出て行った。

2人が行ったのを確認すると、女性は棚の下段から黒い大きな箱を取り出した。両手いっぱいの大きさの箱の鍵を開けると、中にはまた箱が入っていた。その白い箱を慎重に開けた途端、真っ白な煙が漏れ出し、中には凍り付いた瓶や小箱が入っていた。

 

「これで、少しは持つはず…」

 

そう呟くと赤黒い液体が入った小瓶を取り出し、リックの傷口に直接少しづつ流し込んだ。布に吸収される水の様に、液体はみるみると傷口に染み込み、消毒した糸と針で傷口を縫った。

 

「……これで傷口は大丈夫。あとは輸血をして体内バランスを調整すれば…」

 

まるで手術の様な大掛かりな手当の難関を越えることが出来たのか、一安心する。

 

「…しかし、このタイミングで外部の人間が来るなんて……これはもしかしたら最後のチャンスかもしれない…なんとしても皆の洗脳を解いて、この星から脱出しないと……!」

 

女性はリックの顔を見て静かに呟いた。

 

「う…うう…」

 

リックの唸り声が聞こえ始めた。

 

「少し苦しいかもしれませんが、我慢してください」

「…うう……こ、ここは……?俺は……」

「…覚醒するのはまだ時間掛かると思っていたんですが、早いお目覚めですね」

 

先ほど使った薬品の影響なのか少し苦しんだ後、リックが薄っすらと目を覚ました。

 

「まだ起き上がってはいけません。傷口が開いてしまいます!」

「俺は…助かったのか?…アンタは誰だ……?」

 

まだ完全に目を覚ましていないのか、意識もうろうとしながらリックは喋る。

 

「まだ目が覚めるには早いです。治療も終わってませんし、ゆっくり休んでください」

 

そう女性に言われてリックは再び眠りにつく途中で、リックは一瞬気掛かりになった。

 

(あれ…?今、普通に宇宙語で会話してなかった…?それに今の人、日本人には見えなかった…もしかして……)

 

考えを巡らせても強烈な眠気に耐えられなくなり、意識を失った。

 

 

                                     次回に続く


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