No.1024756

【獣機特警K-9ⅡG】悪人の、善人顔【交流】

Dr.Nさん

彼にも、ほんの一片の人間らしい感情が?

スレイ https://www.tinami.com/view/553585
モンド https://www.tinami.com/view/554565
クロエ https://www.tinami.com/view/627595

2020-04-03 22:25:58 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:158   閲覧ユーザー数:151

ドカッ!!

 

スレイ「この大バカ野郎、落としましたで済むか!!」

部下「ぎゃああっ!!」

ブラッドファミリーアジトの首領室で、スレイは部下の羊型ファンガーの男を力任せに蹴り飛ばした。

 

ドカッ! ドカッ! ドカッ!

 

部下「ぎゃあっ!! お許しを! スレイ様、どうかお許しを!!」

スレイ「ごめんで済めばギャングは要らねぇんだよ!!」

 

カチャ。

 

スレイ「誰だ!?」

 

部屋に入ってきたのは、スレイが最も信頼しているファミリーの幹部のモンド。

 

スレイ「何だモンドか。入る時はちゃんとノックぐらいしろ!」

モンド「まあまあ、そう硬いこと言うなって。それにしても今日はまた一段と荒れてるねえ。今度は何があったんだい?」

スレイ「ああ、この大間抜け野郎がな──」

 

モンド「ふーん、スーパーハイを隠したあのぬいぐるみを、落としちまったんだぁ?」

スレイ「ああ。最近は警察の目も厳しくなってきたからな。いいか、草の根をかき分けても探し出せ! もし見付からない時には、分かってるな!!」

 

ドカッ!!

 

部下「ぎゃあっ!!」

2日後。

スレイのスマホが鳴った。

 

ピリッ、ピリッ、ピリッ。

ピッ。

 

スレイ「俺だ。何、ぬいぐるみが見つかっただと!? で、場所は!? 分かった! よく聞け、すぐに奪還の準備だ。まずは──」

 

ピッ。

 

モンド「どうやら見つかったようだね」

スレイ「ああ。おい、すぐに車を出せ! お前も一緒に来るかモンド?」

モンド「ああ、何やら面白そうなことが起きる気がするから、お供するよw」

『豚龍ウメ子ちゃんとあそぼう!』と書かれたアーチのある、大きなイベント広場。

 

MCのお姉さん「さあー、会場のよい子のみんなも一緒に踊ってねー! 豚龍体操~、1、2、3ー!」

 

ステージでは、MCのお姉さんと豚のような龍の着ぐるみが、音楽に合わせて踊っている。

そのイベント会場から少し離れた道路脇に停まった、黒塗りの高級車の後部座席。

 

モンド「あの着ぐるみのキャラクター、スーパーハイを隠したぬいぐるみと同じじゃん」

スレイ「ああ。ステージの一番後ろを見てみろ」

モンド「後ろ? あっ、あれは!」

 

「ジャンケン大会優勝賞品」と書かれた札の貼られたテーブルに、豚龍のぬいぐるみが置いてある。

 

モンド「まさかこんなところに紛れてたなんてねえ。でも、同じぬいぐるみなんてゴマンとありそうだけど?」

スレイ「ぬいぐるみの胸を見てみろ」

モンド「胸? あ、目印に着けといたBの形をしたバッジが。どうやらあれで間違いないようだね。で、どうするんだい? 今から乗り込んで強奪するかい?」

スレイ「バカ、そんな目立つことが出来るか! ちゃんと手は打ってある」

MCのお姉さん「さあー、最後はお待ちかねのジャンケン大会だよー! 優勝者には、あの豚龍ちゃんのぬいぐるみをプレゼントしちゃいまーす! では一回戦、ジャーン、ケーン、ポンッ!!」

 

 

MCのお姉さん「おーっと、遂に勝ち残りが二人になったようです。お二人とも、ステージに上ってきて下さーい!」

モンド「おいおい、なんだよあれは。女の子の方はいいとして」

 

ステージに上がったのは、小学校1年生ぐらいの小さな猫型ファンガーの女の子、そして、どう見ても50歳を過ぎた、赤豚型ファンガーの極端に太った男。

 

モンド「あんなオッサンがぬいぐるみとか。この国はどうなっちまってるんだい?」

MCのお姉さん「えー、あのー。確かに決勝まで勝ち進んでこられたのは分かるんですけど、この子に譲ってあげるわけにはいかないでしょうか…?」

豚男「誰が! わしもぬいぐるみが欲しいんじゃ!!」

 

豚男の剣幕にたじろぐお姉さん。

 

MCのお姉さん「わ、分かりました…。では決勝戦いきまーす。ジャーン、ケーン、ポンッ!!」

豚男「やったで、わしの勝ちやー!!」

女の子「うわああああん!!」

MCのお姉さん「け…決着が付きました。優勝者はこの男性…です…」

スレイ「……フン」

ブーブーブー!!

大ブーイングに包まれる会場。

 

「おいオッサン、女の子がかわいそうだろー!」

「そうよそうよ、譲ってやりなさいよー!」

「大人げないぞー!」

豚男「やかましいわ!! 勝ったのはわしじゃ、貰う権利があるわ!!」

 

赤い顔を更に真っ赤にした人相の悪い豚男の剣幕に、会場は一瞬で静まり返った。

 

豚男「あばよ!」

 

バルンバルンバルーン!!

 

巨大なバイクに跨り、爆音を響かせて去っていく豚男。

 

スレイ「俺だ。今の見てたよな? そうだ、あの豚だ」

ぬいぐるみを小脇に抱え、ご機嫌で去っていく豚男。

 

が。

 

パパパアーッ。

 

豚男「チッ、邪魔くさいトレーラーやな! なにセンターライン超えとんねん!! この下手糞、普段運転してへんのやろ!! …えっ?」

 

バキャッ! グシャッ!!

 

豚男「ギャ!?」

 

グシャグシャグシャグシャグシャグシャッ!!!!

 

豚男「ギャアーッ!!」

 

豚男をバイクごと真正面から轢いた後、トレーラーはスピードを緩めることなく、そのまま走り去っていった。

 

モンド「あーあ、やっちまったねえw なるほど、そういうことか。でもこれからどうするのさ?」

スレイ「まあ見てろ」

 

バサッバサッバサッ。

事故現場に空から舞い降りる一匹の生命体。

 

モンド「あっ、あれはクロエ」

クロエ「あーあ、ぐっちゃぐちゃだねえw 豚男が本物の豚ミンチになるとか、ちょーウケるんですけどwwwww えーっと、ぬいぐるみぬいぐるみっと…。お、あったあった。豚の血で穢れちまったけど、中身は無事のようね。ほい、回収回収ーっとw」

 

バサッバサッバサッ。

 

血塗られたぬいぐるみを掴み、クロエは去っていった。

モンド「これで一安心だね」

スレイ「ああ」

モンド「なあ、ちょっと聞いてもいいかい?」

スレイ「何だ?」

モンド「あんた、もしジャンケン大会であの女の子が勝っていたら、同じことをしてたかい?」

スレイ「あ? モンド、お前何が言いたい?」

モンド「いや、女の子がジャンケンで負けた時、一瞬あんたがホッとした表情をしたように見えたからさ」

スレイ「…ケッ、くっだらねえ! 出せ。帰るぞ」

 

黒塗りの高級車は、サイレンを鳴らしながらやって来る救急車とすれ違い、去っていった。

 

 

=END=

 

 

 


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