No.1004107

お父さんは、私に振り向かない! 第21話 それぞれの平日(4)

単身赴任の父親の元に遊びに来ると言い出す娘。
遂にその時が来て、娘を迎えに行く。
だが、娘の咲子の行動が、普段と何か違う気がする・・・
前回の続きです。

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2019-09-09 07:02:01 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:138   閲覧ユーザー数:138

 お父さんは、私に振り向かない!

 第21話 それぞれの平日(4)

 

 エアコンの効いている部屋の中、頭の中で色々と晩ご飯のメニューを考える。

 

(最近、こってりしたメニューが多かったから、さっぱりした料理のが良いかな?)

(でも、さっぱりしたメニューが煮物とか刺身ぐらいしか思いつかない・・・)

(うーん、やはり簡単には思いつかないな・・・)

 

 アイディアに詰まってしまった私は、スマートフォンで料理サイトを検索する。

 様々な料理レシピを閲覧したが、私の思いと一致する料理とは何かが違う。

 

「・・・」

「うん・・・お父さんが好きな料理と言うより私が作れる料理にすべきだ!」

 

 メニューを考え始めて30分位経った時、私の頭の中ではそう言った答えが出来上がっていた。

 きっと今のお父さんならどんな料理を出しても『美味しい!』と言うだろう。でも、どうせ私が作るならネットの付け焼き刃料理では無く、自信のある料理を作るべきかと考えた。

 

(そうなると・・・良し!)

 

 食材を確認するために台所に向かい冷蔵庫の中を確認する。

 

(やっぱりキャベツは有るな・・・日持ちするしね。肉は・・・有るけど、この肉では少し見栄えが悪いな・・・)

 

 スマートフォンのメモ帳機能を使って、買い足さなければ成らない食材を入力する。

 

(今、私の力で出来る料理はこれ位しか思いつかないけど、多分美味しいと言ってくれるよね・・・)

 

 必要な調味料も確認して、今日もこってりメニューに成りそうだが、自信のある料理と成るとそう言ったメニューしか出来そうでも無い。

 ベランダに干してある洗濯物の乾き具合も確認して、何とか乾いていたので仕舞い込み、それを畳んでから買い物に出掛ける。

 

「行ってきまーす!」

 玄関の鍵を閉めて昨日行ったスーパーに向かう。殆ど一本道なので迷う事無くスーパーに到着する。

 スマートフォンを取り出し、先ほどのメモ帳機能を開いて、メモの内容通りの食材を買い物かごに入れていく・・・

 ・・・・・・

 

(うん。まあ、こんなもんでしょう!)

 

 気になった物や買いたい物を買い物かごに入れて、レジに向かい会計を済まし、家に戻り食材を冷蔵庫にしまう。

 

(まだ、晩ご飯の準備には早いから・・・TVでも見るか・・・)

 

 TVのスイッチを入れ適当にチャンネルを変える。

 有るチャンネルに変えると、刑事ドラマが調度始まった頃なのでそれを見る事にした。

 ・・・・・・

 

 刑事ドラマも見終わり、その後の地元局の情報番組も続けて見る。

 夏のグルメ特集とかで、かき氷や冷やしうどんのお店が紹介されている。

 

「あ~、冷やしうどんでも良かったな。あっ、でも、一昨日に素麺をやったばかりだったな・・・」

 

 スマートフォンを片手に、TVをボーッと見ながら時間を潰す。

 普段ならこんな事はしないが、やはり私の家では無いから色々と勝手が悪い。

 

「さて・・・そろそろ準備するか!」

「あっ、でも、お父さんが帰ってくる時間聞いていなかった!」

 

 メールに書いてないだろうな感じつつ、先ほどのメールのやり取りをスマートフォンで確認する。

(あ~、やはり『ありがとう!』だけだよな・・・)

(たしか、車で30分以上の場所とか言っていたな・・・)

(普通の企業の定時の時間と通勤時間を加えると・・・)

 

「てっ言うか私、お父さんの会社の時間なんか気にした事なんか無いよ!」

「ん~~、メールで確認するか? まあでも、残業の連絡も来ていないから、19時を目安に作れば良いか?」

 

 別にメールをするのが面倒くさい訳では無い。仕事中とか運転中だとまず返信は来ないだろうし、その返信を待って行動するのも私の中では無駄だと感じた。

 

「まあ、お父さんが帰ってきたら、完成まで後少しの状態にしておこう!」

 

 そう考え、私は台所に向かい、晩ご飯の準備を始める。

 

(え~と、まずは・・・ナスから切るか!)

 

 ナスが特売だったので、ナスを1袋買って、ナスで一品作る。

 ナスを食べやすい大きさに切って、それをチャック付きのポリ袋に入れて、そこに市販の浅漬けの素を適当に入れる。

 軽く、揉んで、後は冷蔵庫で寝かせて置けば、ナスの浅漬けの完成!

 

(次は・・・味噌汁を作るか)

 

 普段味噌汁を作っている鍋を取り出して、お鍋に水を張ろうとするが・・・

 

(水どれ位だろう? お椀2杯分だと味噌汁の材料が余っちゃうし、全部の材料を使おうとすると結構な量が出来るな・・・)

(まあ、良いか! 余ったら明日の朝の味噌汁にして貰おう!)

 

 そう軽く考えて、材料分の水をお鍋に張る。

 出汁は・・・鰹節と昆布を何て、お母さんはしないし、お父さんもしていないから、私も和風顆粒だしをスプーン1杯鍋に入れて出汁を取る?

 水と出汁の素が入った鍋をコンロに掛けて火を付ける。その間に味噌汁の具材を切る。

 冷蔵庫から、塩蔵わかめと油揚げを取り出して、油揚げは一口大に切る。

 わかめは適量をボール入れて、水で塩を落として、2~3分水に浸しておく。

 2~3分経ったら、わかめをボールから取り出して、それも一口大に切る。

 お鍋のお湯が湧いてきたら、先ほどの油揚げとわかめを鍋に入れて、煮ると言っても直ぐに煮えるので、再び沸騰してきたら火を止める。

 

(たしか、味噌は直前の方が良いもんね)

 

 漬物と汁物も大体完成の所、次はメインディッシュに手を付ける。

 冷蔵庫から少し大きいパックを取り出す。

 

『豚肉 ロース肉 生姜焼き用』

 

(本当は手間暇を掛けるべき何だが、私にはまだそんな技量は無い!)

(簡単、美味しく、疲労にも良い豚肉。これが今日のメインディッシュだ!!)

 

 お母さんが生姜焼きを作る時は、何故か市販の素を使わずに、自ら漬けだれを作る。

 私としては市販の素の方が楽だし、分量を守れば濃い・薄いも無い。

 

 今日は失敗が恐いから、市販の生姜焼きの素を使って、豚肉の生姜焼きを作る。

 ボトルに書いて有る説明通りだと、”からめ焼き”にするらしいが、それをするとコンロ回りがタレを入れた時にタレが跳ねるので、私の場合は付け焼き風にする。

 

 豚肉のトレーに適当にタレを入れて、豚肉にタレを馴染ませる。そして、その豚肉をトレー事ラップで軽く巻いて冷蔵庫で漬け込ませる。

 つけ込み時間とかはあまり気にした事が無いけど、何時もは20~30分位は漬け込んでいる気がする。

 

(まあ、お父さんが帰ってくる時には良い感じになっているよね。それまでは少し休憩!)

 

 晩ご飯作りはスムーズに進んで、後は豚肉を焼いて、味噌を溶いて、ナスの浅漬けを器に盛れば完成で有る。

 他の人から見れば、簡単な料理に見えるかも知れないが、1人で作るとこれでも結構大変で有る。

 

(このメニューでも、普段なら5人分作らなければ成らないからやはり大変だな・・・)

 

 私も、お姉ちゃんも、一応真央も、毎日ご飯作りを手伝っている訳では無い。

 お母さんは文句言わずに作っているけど、ご飯作りの大変さが少し分かった気がした。

 ・・・・・・

 

 第21話 おわり

 第22話につづく


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