No.1003400

【サイバ】海洋レスキュー隊、出動!(後編)【交流】

古淵工機さん

2019-09-01 19:43:41 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:693   閲覧ユーザー数:680

前回のあらすじ

パトロール中に沈没船を発見した今井浜瑠美とシロイルカのナツミ。

沈没船を調査していた瑠美は、突然巻き起こった強い潮の流れに翻弄されてしまう。

すぐにアクアプラネットてんくうのレスキュー隊が救助に向かったのだが、

その時、沈没船の下から巨大なタコ型ロボットが姿を現したのだった!!

その頃…アクアプラネットてんくう、指令室。

『こちらファスティ!緊急事態発生だ!沈没船の下に巨大なタコ型ロボットが隠れていた!!』

「タコ型ロボットですって!?」

瑠美の姉・優美がファスティからの報告に顔を強張らせていた。

 

「…そういえば以前までは潮の流れがあそこまで激変することはなかったな…」

と、つぶやいたのはアクアプラネットてんくうの所長である城ヶ崎洋三。

「博士…なにか?」

「おそらく今回の事件の張本人はあのロボットであることには間違いないだろう…!すぐにファスティたちに伝えるんだ!」

その頃、晴天おさかなセンターでは海鮮丼をほおばる相川ナナミとヴィーボ・エル・トイランドの二人。

「「おいふぃ~!」」

 

「久々にきたけど、やっぱりここの海鮮丼美味しいよね~ナナちゃん!」

「でしょ!今年は一段と身が大きくって!!」

その時、ヴィーボのレーダーイヤーが異変をとらえた!

 

「…待って、あそこの沖合…なんか怪しそうな雰囲気がするんだけど…!」

「え!?ヴィーボちゃん、怪しい雰囲気って…!?」

「すぐ助けなきゃ!行くよフゥ!!」

ヴィーボはお供のペットロボット・フゥを連れて走り出すと、ポーチとして提げていたヴィーシップを放り上げ、

リサイズ光線を浴びせて元の大きさに戻す。

ヴィーボはジャンプし、ヴィーシップに乗り込むとすぐに現場に向かった!!

その頃海中では…

 

「ぎゃっ!!…な、何なのよこいつ!!」

大ダコロボに立ち向かったものの、メカ触手にたたきつけられるホッピー。

「ホッピーさん!大丈夫ですか!?」

「リフティ、あんたあれ持ち上げられない?」

「無理ですよぉ…いくらなんでも大きさが違いすぎますもん…」

 

「それにしても…なんて硬いんだこいつ…!」

ジャンピーは大ダコロボにパンチやキックを試みるが、まるでびくともしない!!

「水中で活動させるくらいだから、頑丈に作ってあるんだろう…!!」

ファスティの攻撃もまるで効かない!その次の瞬間、メカ触手がリフティに襲い掛かる!!

 

「あぁぁぁぁーーーーっ!!」

「リフティ!!」

強力な触手でリフティは掴みあげられる。それはエロいとかエロくないとかそういう問題ではない!

巻きついた触手は特殊合金製。リフティの体表に亀裂が入り始める…。

 

「まずい!あの触手でつかみあげられたらひとたまりもないぞ!」

「冗談じゃないわよ…っ!?あ、脚が…あぁぁぁ!!」

「ホッピーさん!!」

絶体絶命のピンチ!もはやこれまでかと思われたその時だった。

突如高速で潜行する物体が大ダコロボに激突!!

バランスを崩した大ダコロボはリフティとホッピーを放す。

 

「あれは!?」

「トイランド星のヴィーシップ!!」

 

ヴィーシップがひときわ輝くと、中からヴィーボが現れた。

「みんな大丈夫!?」

「なんとかな…リフティとホッピーがダメージを負ったが…」

「ヴィーボちゃん!君の力を貸してほしいんだ!!」

「任せてジャンピー!困ったときはお互い様よ!…行くよフゥ!」

 

フゥの腹からマジックカプセルが出てくると、ヴィーボはそれを手に取り、ポニーテールランチャーに装填!

「おまたせっ!令和初のマジックカプセル!それーっ!!」

「さらっとメタいこと言ってんじゃないわよ」

ホッピーのツッコミが入った。

 

マジックカプセルの中から出てきたのは…!?

「え、スクリュー?」

「これで何するつもりなのヴィーボちゃん?」

「いいからいいから。さ、ジャンピー、そのスクリューを大ダコロボットに向けて!」

「こうかな…?」

「そこでスイッチを押す!!」

「よし…おりゃぁぁぁ!!」

 

ジャンピーがスイッチを押すとスクリューは高速回転!!

猛烈な海流を引き起こす!その勢いは海底の岩をも吹き飛ばすほどだ。

巨大な岩を巻き込んだ海流は大ダコロボを直撃。そのままの勢いで大ダコロボは海上へと飛び出し…バラバラに砕け散った!!

 

「「「「やったーっ!!」」」」

「やるじゃない!見事なチームプレイよ!!」

「いやぁ、ヴィーボちゃんが来てなかったらヤバかったよ…ありがとう!」

その後、タコ型ロボに乗り込んでいたと思われる男たちが逮捕された。

どうやらワニ型セリアンスロゥピィの海賊三人組で、近くを通る船を沈めては金品を奪っていたらしい。

「海賊退治に協力してくれてありがとう。ささやかながら表彰状をお贈りしよう。ヴィーボ・エル・トイランド王女」

城ヶ崎博士からヴィーボに表彰状が手渡され、指令室には拍手が起こった。

 

「ヴィーボちゃん、本当にありがとう。君が来てくれたからみんな助かったんだよ」

ジャンピーが握手する。

「なんていうか、その…不気味な物音が海の方から聞こえたから、いてもたってもいられなくて…」

「あなたなら立派なプリンセスになれますよ!ファイトです!」

リフティが続く。

「きっと星のみんなから愛されるだろうな」

と、ファスティも励ます。

 

「ま、アクアプラネットのプリンセスはあ・た・し・だけどw」

「ちょっとホッピーさん!それは…」

「何よジャンピー?なんか文句あるの?」

「ちょ、ちょっと二人とも!こんなところでケンカはやめなさい!」

ホッピーとジャンピーを必死で止める優美と瑠美。それを見たファスティとリフティは苦笑いを浮かべていた。

「ねえ城ヶ崎博士。ここっていつもこんな感じなんですか?」

「すまんな、ウチはいつもこんな感じなのだよ」


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
2
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択